第439話 目からビームらしい
……はー、そうなんだ。
「皐月さん、これどう思います?」
お金のアップにしたまま皐月たんに見せる。
私にはとても真似できないよー。
もちろん募金しないわけじゃないけど、全額さくっと募金とか。半分使って半分募金とかがせいぜいだよ……。
「璃々亜様、そうですわね、璃々亜様のおっしゃる通りです!すぐに記事の差し止めをお願いしなければ!」
え?
私、何も言ってない。
ただ、どう思うかって皐月たんに見せただけだよ?
っていうか、何で、記事の差し止め?
「ああっ!」
私の手からスマホを受け取った皐月たんが何やら操作して悲鳴に近い声をあげた。
「か、会長に、生徒会長に報告しなければ……」
へ?
「手遅れでしたわ。璃々亜様……すでに記事が……拡散されて」
え?
手遅れ?
記事が拡散?
でも、鳳凰学園の生徒が募金って善行の記事でしょ?拡散の何が駄目なの?
「生徒会長のところへ……」
皐月たんが急ぎ足で生徒会室へ向かおうとする。
私は何がどうなってんのか気になって、皐月たんの後を追った。
……っていうか、待って、ヒロイン候補の皐月たんが、どうして攻略対象の兄のところに行く場面に私、ついてくかなー!
って、今更引き返すのも変なので仕方がない。
「生徒会長、お話がございます」
ノックしながら声をかける。皐月たんのその態度は少し礼を欠いているけれど、それが急を要する用件なのだと兄に伝わったようだ。
カチャリとドアが開くと、剣崎徹が顔を出した。
「君は、1年3組のクラス委員の皐月さんだね」
ウインク一つ。
って、この場面でウインクいらない!見た目チャラいだけあって、行動もチャラい!っていう、乙女ゲームだから仕方がないのか!
うーん、もし、ヒロインが皐月たんだったとして、攻略対象が剣崎徹で、そんでもって剣崎徹ルートだった場合……。
どんな話になるんだ!
なんだか皐月たん「チャラすぎますわ!」とかイラっとしそうじゃない?
とか、私が別のことばかり考えているわけだが。
皐月たんの顔色はよろしくない。
なんだろう、さっぱりわからない。
「あ、璃々亜ちゃんも。いらっしゃい」
にこっと、こっちに笑顔が向いた。
ぐぬ。
一つだけ分かることがある。
もし、剣崎徹が誰かと付き合ったとして「私の徹様に手を出さないでくださいませ!」とか、わけのわからない濡れ衣を着せられるに違いない。
……単に、生徒会長の妹っていう立場で構ってもらっていただけだとしても……。
けっ。迷惑だ。
実に迷惑だ。
「僕に会いに来てくれたの?」
なわけねーっつぅの!この迷惑そうな顔が見えないのか!
「あはは。冗談だよ。敦也、璃々亜ちゃん来てるよ」
兄に会いに来たわけでもないよっ!
誰がブラコンだ!
「徹、皐月さんが私に話があると言っていただろう。早く入ってもらえ」
ふおう、兄がちゃんとしてる!
「もちろん、璃々亜も」
はい、そうですか。この場合は部外者になるので遠慮してもらうという配慮はないのね。っていうか、ついてきたの私だから、こんなに皐月たんの顔色が悪くなることが何なのかは気になるんだけども。
「はいはい、どうぞ、そこ座ってね。今、お茶を入れるからね」
ふえ?座ってと言われたのは立派なソファセット。流石金持ち学校の生徒会室!
っていうか、お茶とかわざわざ?
っていう、私の気持ちが伝わったのか、剣崎徹がティーセットを準備しながらウインク。
「これでもお茶会部だからね、お茶を入れるのはうまいんだよ」
「ああ、徹、私はコーヒー」
兄よ……。こんな時くらい紅茶入れさせてやれよ……。
しかしなんだ。兄の声聞きながら剣崎徹を見ているってのはつまり……。
都キャプテンの声を聴きながら、東先輩を見ているという状態なわけで……。
都キャプテンが、東先輩にモーニングコーヒー入れてもらうとか、それって……。
ぐぬっ。
くそ、東先輩め!どういうことだ!朝から都キャプテンとコーヒーとか!どういうシチュエーションでそうなった!まさか、まさかとは思うけれど……。
ぐぐぐぐっ。ぬぬぬぬっ。
はぁ、はぁ、妄想を強制ストップ。じゃないと、恨みで剣崎徹を視線で殺しかねない。
やばかった。もうちょっとで目からビーム出るとこだった。
……って、でるかーーーーい!
「それで、皐月くん、話というのは?」
ふおう、兄は皐月たんのことを皐月くんって呼ぶのか!なんだか職場の上司と部下みたいだねぇ。
「ええ、それが、璃々亜さんから指摘を受けてすぐに動いたのですが、すでに遅かったようで……」
指摘?
私は何もしていないよ?
皐月たんが、スマホの画面を兄に向けた。
さっきの、須郷さんの記事だよね?
「これです」
と、私がしたように、画像をアップにして兄に見せた。
いつもご覧いただきありがとうございます。
週2ペースで更新を続けてきましたが、来年以降はちょっとおさぼりするかもしれません。
あー、登場人物みんな大好きだし、いっぱい書いてあげたいのはやまやまなのですが。
あ、別に他の作品に浮気して書く時間がないとかじゃないんだよ?どちらかというと、この作品は息抜きにちょうどいいの。執筆の息抜きにまた執筆っていうのは小説書きによくある話で。ほら、漫画家さんとかも息抜きに落書きするでしょ、そういうやつ。
あ、別にこの作品が落書きってわけじゃないけど……私自身も楽しい気持ちで書けるので。
ただ、絶対に更新続けなくちゃ!っていう自分ルールから自分を解放しようかなって思い始めたのです。
読んでくださる方に申し訳ない、週に2ペースは死守しなければ!という気持ちがどこかにあったのですが、まぁいっか。ごめんね、てへっ。に切り替えようかと。というわけで、突然更新途絶える!とかじゃなくて、来週は更新ありませーんみたいな、そんな予告付きで時々おさぼりするかもです。( ˘ω˘ )
そんなぐだぐだですが、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
やっとこさ須田さんのずーっと前フリしてた伏線を回収できそうです。そして、これが新たな伏線なので。本当、先が長いな……。




