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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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第437話 須から始まる名前の人らしい

 教室に入って鞄を置くと、すぐに芽衣たんはプリントを持って立ち上がった。

「ちょっと職員室へ行ってくるね」

 職員室?日直じゃないよね?

 っていうか、この学校、雑用はすべて使用人にさせればよろしいのですわ!とばかり、日直なんて雑用係はないかと思っていたら、日直はあるのよ!

 で、朝一からなぜ職員室へ?というのが顔に出ていたのだろう。

「うん、ちょっと昨日の模試で気になった問題があったから先生に質問しようと思って」

 という芽衣たんの言葉に、

「さすが、特待生ですわね」

 と、なぜか須藤さんの声が。

 何でいるの?

 まぁいい。そんなことよりも、芽衣たんが特待生って他のクラスの人が知っているっていうことがびっくり。

 あれか?乙女ゲーム世界では、他のクラスだろうとなんだろうと、特待生っていう庶民はすべて把握して何かあれば噂しなければならない的な謎ルールでもあるのか?

 ぶっちゃけ、私は、クラスメートの顔と名前を一致させるのにも必死。

 他のクラスのことなど知らぬぞ。

 あ、名前はかろうじて三笠蔵と須田さんだけ覚えたけど。ん?須田?須野?……?ごめん。誰かもう一度彼女の名前を呼んで。

 ああ、それよりも、さすが特待生ってその通りだと思う!

 模試の問題なんて……終わったら見もしないよ。

 解放感しかないもん。

 あとは結果を見せられた時に「あーーーーっ」とか「わーーーーー」とか「ぎょえーーーー」とかなるだけ。

 そうか。

 芽衣たんは昨日帰ってから模試の問題解いたり勉強してたんだ。私は……。

 う、うん。

 ほ、ほら、星座とかも、なんていうの?理科の天体の勉強だよね?

 そ、それに、えっと、……

 すいませんっ!楽しかったですっ!うぐぐ。

 そ、早朝勉強だけはまだ継続してる自分を褒めてたけど、なんていうか、まぶしい存在を目の当たりにすると、スライディング土下座で修行が足りませんでした!精進いたしますっ!ってなるよね……。

 これが、学年1番とそれ以下の違いなのかっ……。はうっ。

「本当ですわね。さすが特待生ですわね」

 おや、須能さんの後ろから別の声が。取り巻きでしょうか。

 そんなにさすがさすがと芽衣たん褒めて、何のつもりだろう。

「家庭教師どころか、塾にも通っていらっしゃらないなんて……」

「ええ、学校の先生に質問なんて、私、初めて聞きましたわ」

「うふふ、授業料免除でしか鳳凰学園に通えない特待生はさすがに私たちとは違いますわね」

 え?

 は?

 えええーーーっ!

 褒めて無かった。

 庶民いじめとかいうやつだ。いや、嫌み程度だからいじめのうちにも入らないのかな……。

 っていうか、芽衣たんの顔、ちょっと青ざめてる。

 うん。クラスメートは芽衣たんにこんなこと言わないもんね。

 っていうか、実は私も少し青ざめていたりする。

 ……。

 そうです。

 スライディング土下座(心の中)して、勉強してるつもりで全然してないって反省した私が青ざめております。

 学校の先生に質問する人はいない。

 何故なら、家庭教師に質問するから。

 もしくは塾の先生に質問するから。

 ってことは、家庭教師とか塾とか……。

「皆さま家庭教師や塾をご利用ですの?」

 みんな、みんな、がんばって勉強してるってことだよね?

「白川様は、どのような家庭教師にお願いしていらっしゃるのですか?私は、ベストセラーのモデルになった方にお願いしていますのよ」

 ベストセラーのモデル?

 なんだ?ギャルをすごい大学に入れたとかそういう系か?

 あいにくと「ギャル」って言葉に相いれないものがある腐女子なので、興味もなければ詳しくもない。

 っていうか、そういう人に頼まないと無理っていうレベルに須郷さんは頭悪いのかな?

 って、どうでもいい。それよりも、……

「私、家庭教師どころか、塾にも通っていませんわ」

 やっぱり家庭教師や塾を使うべきなのか?

 少なくとも家庭教師が来ている時間とか塾に通っている時間っていうのはどうしても勉強しなければならないという強制力が働く。家だとつい、テレビ見たりゲームしたり、だらだらと過ごしちゃうけど塾の時間となればそうもしていられない。

 ……ん?

 テレビを見たりゲームをしたり?

 orzどこに、そんなだらだらした時間があるというのだ……。

 ぐすっ。ああ、そうだった。

 今の私の生活では、大好きな同人誌眺めて萌え死んで勉強に実が入らないとか、勉強の合間に少しだけ漫画を読むつもりがつい、全20巻読み切って勉強する時間が無くなったとか、そういう至福の時……じゃないや、勉強を阻害するようなものがなかったんだ。

 ゆえに、塾とか家庭教師の必要性は……もしかして、ない?

 っていうかさ、そもそもわからない問題があれば、兄とか嘉久とかに聞けばすむし。いや、聞くと強制的に勉強タイムに突入してしまう危険もあったりして、なんだかんだとあれだ。

 本気で勉強したかったら、兄か嘉久に声をかけて勉強タイムを確保すりゃいいんだよなぁ。

 ……そういえば、家庭教師や塾にみんな言ってるっていうのは嘘だよな?

「お兄様も家庭教師も塾も利用していませんわ」

 義久も使ってなかったはずだし。

 兄は学校の先生に質問したりしないのかしら?

 いくら頭がいいと言ったって、時にはわからない問題にぶち当たると思うんだけどなぁ。

 そういう時はどうしてるんだろう。もしかして、家庭教師がいれば、兄は全国模試でトップをとれるんじゃないだろうか?

 須賀さんと取り巻きの顔が青ざめた。


いつもありがとうございます。

正しくは、須田か須賀。たぶんどっちか。もう、私にはわからない……。

いいんだよ。あのドラえもんでさえ、ジャイアンの名前が途中で変わってるんだからさ!はーっはっはっは……はは、ははははは。

横道じゃないからね。伏線、伏線。ダラダラと伏線ばっかりちりばめすぎて、あれもこれもまだ終わらない……( ˘ω˘ ;

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