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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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第52話 ズボンは最高らしい

 家に戻ると、兄は外出中だった。

 部屋で買った荷物を広げる。

 変装グッズを買いに言ったはずが、ジョギンググッズに半分化けた。どうしてこうなった。

 とりあえず、唯一変装に使えそうな前髪ウィッグを試着してみる。

 髪を解いて後ろに流し、鏡の前に座り、前髪ウィッグ装着!

 前髪部分は横に流さず目の上にかけたまま。うん、目元が見えないと少し変装っぽい。

 あ、そうだ。

 剣崎徹には効果が無かった黒縁めがねをプラスする。よしよし。

 あ、そうだ。

 さらに、マスクをプラス。

 わはは。これ、顔が全然見えないわ!でも、めちゃあやしー。

 これで街歩いてたら捕まるわ!職務質問される自信がある!わははははっ。って、笑い事じゃない。

 やっぱ、前髪を目元にかけるのはあきらめて、横に流すか。

 いつもと違う前髪とほっぺ横の髪に、眼鏡とマスク。うん、これでも結構別人っぽいよね?

 せっかくほっぺの横にちょろ毛があるんだから、それも強調するように、後ろの髪は結ぼう。ポニーテールにしようかな。うん、そうしよう。

 で、普段は絶対ポニーテールはしないキャラクターでいよう。例えば、うなじを見せるなんてはずかしくて……みたいな感じで。

 そうすれば、まさか、私がポニーテールで歩いてるなんて思われないよね?

 前髪ウィッグは、鏡台の2段目の引き出しの奥のほうにしまっておく。

 次にトレーニングウェアを取り出し、着替える。

 うわー、久しぶりのズボン。やっぱりいいわ。

 この、開放感!動きやすい。パンツ見えるとか気にせずにベッドの上もごろごろごろっ!ひゃほーい!

 ごろごろ、ごろごろ。

 うーん、ごろごろ。


 あうっ。ベッドの上で文字通りあっちにごろごろこっちにごろごろ転がっていただけなのに、汗かいてきたよ。

 すごいな、このサウナスーツ機能。

 ベッドで転がりながらゲームしててもやせられるんじゃない?

 

 喉が渇いてきたなぁ。何か飲もう。

 ちなみに、料理人さんが料理する調理室と、私たちが普段使うキッチンは別にある。キッチンはごくごく普通。対面式。冷蔵庫や電子レンジなど、一般的な調理家電も並んでいる。

 趣味で料理やお菓子作りができるようになっているのだ。調理室はまだ見たことは無い。キッチンの隣にあるみたいだけど、食事時間が近づくといいにおいがぷぅーーんと漂ってくる。

 てなわけで、キッチンには冷蔵庫もあり、一人暮らしの独身男性の冷蔵庫の中身みたいになっている。あ、それ偏見か。

 一人暮らしの独身女性も一緒の人は一緒だ。

 つまり、中身は飲み物と調味料のみ。あ、違うところは、甘味も入ってる。おやつに食べられる何かが。

 

 冷蔵庫から、麦茶を取り出しコップに注ぐ。毎日作って新しいのを入れてくれてるようなんだけど……。

 ペットボトルの麦茶ばかり飲んでいた私には衝撃だった。

 まずは、香ばしい香りの強さがすごい。それから、ほんのりと甘みがある。麦茶って、味を楽しめるものなんだって初めて知った。

 ごくごく。

 ふはー。うまい。あ、味を楽しむ余裕なくして、がぶがぶ飲んじゃったよ。

「璃々亜、ただいま。どうしたんだい、その格好?」

 へうっ。


 振り返れば、兄。

 えーっと、足を肩幅に開いて立ち、右手を腰に当て、左手でがぶがぶ麦茶を飲む姿……見られちゃいました?

 ………。

「あの、このトレーニングウェアすごいんですわ!田中くんの教えてくださったように、サウナスーツの効果もあって、少し体を動かしただけで汗をかいたので、お茶を飲みに降りてきたのです」

 兄は私の言葉に、怖い顔をする。

 え?何に怒ってる?

「あ、お兄様もお茶、飲みます?」

 急いでグラスをもう一つ持ってきて、麦茶を注ぐ。

 「ありがとう」と、グラスを受け取って、ごくごくと喉を鳴らす兄。

 うん、喉が渇いていたのに、私が麦茶をこれ見よがしに一人で飲んでいたからちょっとイラっとしただけだよね?

「お兄様、おかわりいかがですか?」

 兄は黙って2杯目の麦茶を飲み干した。

 肩で呼吸を整えるように大きく息を吸ったあと、にっこりと笑った。

「急に運動をしようと思ったのは、その、田中くんの影響なのかな?」

 

 あれ?もしかして、私が運動しようとしてることに怒ってる?

 にっこり笑ってるけど、笑顔が怖いです。

 なんで?運動しちゃだめなの?あっ、もしかして、数学のテストの点数見られた?

 勉強もろくに出来ないのに運動なんかしてる暇があるのかっ!とか怒ってるのかな?そ、そうだよね。

 パーフェクト頭脳の兄から見たら、あの点数は……。

 でも、私は別に運動するつもりなんて本当はないんだよ。早起きしてジョギングとか絶対無理な自信があるもん。

「部活の見学会で……」

「運動部に入ろうと?」

「お菓子部でケーキを食べすぎまして……。ダイエットを……」

 ドヤッ。いくらなんでも、乙女のダイエットを止める権利は兄にはない!

 あ、もちろん拒食症とか病気は別。

「なんだ、そうだったの。ダイエットか……」

 まだちょっと顔が怖いけど、納得してくれたようなので逃げます。


 部屋に戻って、トレーニングウェアを脱ぐ。あーもう、ズボンは楽チンだったんだけどな。

 でも、あれだけサウナ効果があると、部屋の中で脱水しちゃいそうだ。それに、何か、兄の目が怖い。もしかして……。ズボンなんて女がはくもんじゃない!とか、そんな女性蔑視な考えから怒っていたとか?

 父が和装フェチで母が洋装フェチでなんだから、兄がスカートフェチでもなんらおかしくないし……。

 ぐすっ。


 アニメが見たい。

 ゲームがしたい。

 漫画が読みたい。

 BLに囲まれたい。


 ……ズボンをはいて部屋でクツロギタイ。


 ……。あ、もしかして……。

 シスコン兄に上目遣いで「お兄様のズボンをお下がりでください」とか言えばもらえる?……。

 それとも、おさがりを、嘉久とかにすでに上げてたりして。


 都キャプテンのおさがりのズボンをはく京様。

 しかも、ぬぎたてほやほやでぬくもりと匂い付きとか……あうっ!妄想が!腐。

 やっぱりキャプテンは足が長いや……って言う京様。跪いて、すそを折り曲げる都キャプテン。夕日に照らされた、都キャプテンのつむじにそっと指を這わせる京様……やべっ、絵になる、絵になるわ!腐腐。


やばいわーっ!

田中くん、全力で逃げてー!!!!


いつもご覧いただきありがとうございます。誰か、璃々亜にBLネタ元を補充してあげて!段々妄想がおかしな方向になってる気がするの。

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