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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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第380話 帰りの相談らしい

「もうすぐ花火ですわね!ワクワクしますわ!」

 ふふ。

 夕飯も食べたし、次は花火!

 新入生歓迎会のときは、遅い時間まではいなかったからね。

 20時半から花火で、21時半にお迎えがくるという予定です。

 オフィシャルホテルに迎えがくるのでそこで解散です。あ、まって……。

「そう言えば、皆さまは帰りはどのように帰られるのですか?」

 私は蜂川さんが迎えに来てくれるけど……。

 芽維たんとかは、両親が現地までは来てくれないんじゃない?家から最寄り駅までは電車で帰るんじゃないかな?

 相模くんと轟くんと皐月たんは迎えがくるらしい。

 相原さんと相良さんと田中くんと芽維たんは電車らしい。

「送っていこうか?さっき話をしていたら、相良さんは僕の家と方向が同じだよね?」

「!!」

 轟くんの言葉に、私たちの視線は轟くんにくぎ付けです。

 実は、轟くんと相良さんの二人がどういう感じになったのかまだ未確認なんですよね。

 合流してからの二人は、普通だった。二人になることもないので、二人でいるときの様子は分からないのです。

「あっ、えっと……」

 送っていくと言われた相良さんは、頬をほんのり染めておりまして……。

 ふっ。幸せにな!

 って言いたくなる顔をしてますよ。

「由里と家が近いんで、……由里、相原さんと一緒に帰ります」

 って、断った。断ったよ!

 恋愛より友情!うむ、素晴らしい心がけじゃ!

 おっと、まだ恋愛かどうかは分からないから決めつけて色眼鏡で見るのは良くない。バラ色眼鏡。

「ああ、二人は家が近いんだ。だったら、二人とも送るよ。……ちょっと車の中が食べ物臭いかもしれないけれど、それでもよかったら」

 ぐおっ!轟くん、食べ物の匂いのする車って!

 本当にぶれない!ぶれないな、おい!

「あ、わ、でも……」

 今度は相原さんがきょろきょろと助けを求めるように私たちを見る。

 うん、二人の邪魔しちゃ駄目よねってそういう気持ちだよね?

 でも、ここで相原さんが断ったらたぶん相良さんもじゃぁ私もいいですってなると思うんだ。

 って、他のメンバーも思っていたようで、静かに目で受けなさいと合図。

「で、では、轟様、お願いいたしますわ」

 はい。おっけ。

 そうだ。

「芽維さんと田中くんは私が送りますわ」

 うん。

「え?璃々亜さん、遠回りになっちゃうんじゃ……?」

「そうだよ、二人で帰るから心配ないよ」

 田中くんと芽維たんが二人で?

 ドキンと胸が鳴る。

 家が近いんだし、当然そうなるよね。

 ……二人で電車に乗って、暗くなった道を並んで歩く……。

 不審者が現れ……いや、違うな。酔っ払いが「かのじょー、かわいいねぇ~」とか、芽維たんに絡んだりするでしょ。そんで手とかつかまれちゃったりして。

「やめてください」

 と嫌がる芽維たん。酔っ払いがしつこく絡む。

「やめろ」

 田中くんが酔っ払いの手をつかみ上げる。

「なんだ?男に用はない引っ込んでろ」

 とかよっぱらいが乱暴に田中くんの手を振り払い、芽維たんの胸に手を伸ばしてわいせつなことしようとして……。

「やめろっ!」

 って、田中くんが手を振り上げ、思わず酔っ払いを殴ろうとして……。

「田中くん、だめっ!」

 その前に飛び出した芽維たんの顔面に拳がヒット。

「ダメだよ、野球部なのに……」

「鈴木……」

 女の子の顔に怪我をさせてしまって、責任を感じた田中くん。

 二人はこれをきっかけに、仲が深まるのである……。

 っていう、イベントフラグじゃないのっ!

 ねぇ、そうだよね?

 出演予定のよっぱらいさーーーーんっ!今頃、高級魚クエとか魚に飲みすぎてたりするんじゃないの?

 クエを食えとか下手なダジャレとかいいながら……。

 う、ううう、二人が親しくなるのを邪魔したいわけじゃないよ?

 高校卒業してから、私が破滅フラグを回収するまでは、ちょっと、待って欲しいの。もうちょっとゆっくりのんびり……。

 仲良くみんなで過ごしたいんだ。

 だ、だから、送らせてくれっ!

「遠慮しないでくださいませ。楽しい気分のまま、もう少しお話しながら帰りたいのですわ」

 にこり。

「うん、私も。ネズニー楽しかったねーって話をしながら帰れたら嬉しいかも!」

「ですわよね!」

 芽維たんと二人で手を握り合う。

 えっへっへ。

 というわけで、花火が見える絶景ポイントに移動。

 ……したら、もうすでにみんな座って花火が上がるの待ってたよっ!

 そういえば、パレードんときも、早くからポジション取りしてる人とかいっぱいいたかも……。

 でもまぁ、パレードと違い、今回は花火なんで。上を見上げる形だから、前に人が並んでいても見えないことはない。8人みんなで空いている場所を見つけて……って、8人が座れる場所とかなかなかなくて、何とかぎゅうぎゅうに固まって座った。

 ふおっ。

 右に芽維たん左に田中くん。ぎゅうぎゅうサンドされちゃってます。ふふふ。

 昼間はあったかかったけど、まだ5月初旬なので火が落ちるとちょっと肌寒い。ぎゅうぎゅうになるとあったかくっていいね。

 何もかもが楽しい。

 ああ、ボッチじゃないって幸せ!


いつもありがとうございます。

友達みんなで仲良く……同性だけでなくって、すごくリア充……。

楽しそうだー。

って、青春しすぎて、田中ターンが……さようなら、田中ターン

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