第44話 ついにゲームをすることができるらしい
食後にジュースを頼んだ。
スッコ・ティ・アルビコッカの炭酸割りとかいうやつ。何それ?と思ったけど、いつものでいいか?って聞かれたから、はいって答えたわけだが。
もう一度言う。スッコ・ティ・アルビコッカの炭酸割りって、何のジュース?
目の前に運び込まれてきたグラスを観察する。
ぱちぱちとはじける炭酸。薄いオレンジ色の液体が、透明なグラスに入っている。
一口飲む。
あ、おいしい。甘すぎずさわやかな感じ。オレンジとも違う。ピーチとも違う、これ、何だろう?
「璃々亜、この後どうする?」
ちょっと懐かしい味。
えーっと、えーっと。
口に入れる。ふわっと鼻から抜ける香りに記憶をたどる。
「璃々亜、聞いてるのか?」
ちょ、嘉久うるさいっ!
思い出そうとして、真剣に
「味わっているのに……」
見れば、嘉久のグラスは空だった。
ったく、自分が食べ終わったり飲み終わったりしたからって、同席の者をせかすような真似はだめだよね!できる男は、ペースを相手に合わせて急がせないようにするもんだよ!
都キャプテンがBL同人誌の中で言ってた!そうしたら、東くんが、好きな子の顔みてたら、自然と同じペースになるけどなぁとかなんとか言ってた。くぅっ。その時ばかりは、「京×都」押しの京都リアンの私も、東くんにきゅんっと来たよ!ちょっとは「東×京」でもいいよ?とか許しそうになった。やばかった。あれは。腐。
「あはははは、嘉久、今のは嘉久が悪いよ。璃々亜は昔からアプリコットジュースに目がないからなぁ」
はうっ!兄の言葉に分かった!
そうだ、それだ!アプリコットだ!懐かしい気がしたのは、あんずボーっぽかったからだ!駄菓子のあれだよ、あれ!子供のころ好きだったんだぁ。あんず飴はほとんどすももが材料みたいだけど、あんずボーは、本物のあんず使ってるんだよねぇ。
あんずイコールアプリコットだもんね。そうか、アプリコットジュースだったのか。
おいしい。ごくごく。
「満足そうな顔してるな」
謎が解けたから満足ですよ。
「よっぽどおいしいかったのだろう」
兄、それは違う。謎が解けたからこの顔なのですよ。
あ、ちょっと待て、ちょっと待て、今の嘉久と兄の台詞プレイバック!脳内再生。や、やだ、何の話してるのよっ!京様ってば、満足て、何よ、何!腐。
「この後どうする?」
えー、この後?まだ嘉久に付き合わなくちゃいけないの?
んー、映画に食事、その後と言えば、買い物かカラオケかゲーセン?それくらいしか思い浮かばないよ。
ゲーセンかぁ。ゲームしたいなぁ。
もうこの際、ゲームセンターのゲームでもいいよ!アーケードゲーム……。ガンダミュのゲームに食いつくのは駄目かな。何なら許容範囲なんだろう。
「……ゲーム」
ふおっ、しまった、口から脳内
「ゲーム?」
嘉久が変な顔をした。
あわっ、うわっ、えわっ……。
「ああ、じゃぁ、うちでやるか?ちょっと買ってくるから、先に車に乗っていて」
へ?兄、兄、ちょっと……。兄はゲームとか自然に受け入れるの?
っていうか、買ってくるって何?まさか、筐体を買っちゃうわけ?
金持ち半端ない!まさかの、家がゲームセンターとか……。そりゃぁ、その昔、バーチャファイトーとか格闘ゲームが流行ってたときに、自宅で練習に明け暮れたいからと購入を考えた人たちがたくさんいたとか聞くけど……。
金持ちは、ほいほいっと筐体を買っちゃうのかぁ……。
シアタタールームみたいにゲームルーム作っちゃうんだろうか?
っていうか、どんなゲームを買う気だ?筐体なんて場所をとるんだから、厳選して買わないと置く場所ないでしょ!もしレースのゲームを買ってきたりしたら?私と嘉久と兄がレースをするために、3台並べて設置とか……。
いくらゲームがしたいっていったからって、レースゲームで延々と勝負とか、やだ!無理だから!
「おまたせ」
車の中で待つこと数分。兄がデパートの紙袋を手に帰ってきた。
ふおっ?
筐体じゃない?
まさか、家庭用ゲーム機?
「お、お兄様……」
兄は神なの?
もうこのさい、PSでもDSでもWiiでもXBOXでもなんだっていいよ!
ゲーム、ゲーム、ゲーム、ゲーム、ゲーム。
おっと、いけない。
つい、紙袋を奪い取って、中身を確認するところでした。
我慢我慢。
あー、早く家に着かないかなぁ!
と、思っていたころもありました。
今、私はカードゲームをしています。
七並べです。
ええ、トランプです。カードゲームでも、まだデッキを組んで○○のターンとかいうアレなら良かったのに……。涙。
百貨店の紙袋の中身は、他にボードゲームが入っているらしいです。いわゆる、人生のゲームですね。
ぶおおおっ!違うんだ、違う、私が言っていたゲームと、お兄様や嘉久の想像するゲームが天と地ほどの隔たりがあるのは何故だ!
「久しぶりだな。小学校以来か。こういうのもなかなかいいもんだな」
と、嘉久。
「よく負けてないてたよな、嘉久」
と、楽しそうな兄。
ぐすん。ぐすん。
「はい、あがりですわ」
と、私。
「え!また璃々亜の勝ち?」
「強いなぁ、璃々亜」
ふっ。
だてにオンラインゲームを長年やっていたわけではありませんよ?七並べも当然50時間はプレイしましたよ。
「次は、大富豪にしよう!あれは、得意なんだよ!」
と、嘉久。
「確かに、嘉久は大富豪だけは得意だったなぁ。」
「だけは余分だ!」
残念ですわね。
大富豪は私も得意なんです。なんせオンラインゲームのトランプの中では一番長くプレイしたからね。
ありがとうございます。無事に毎日更新1ヶ月過ぎました。
璃々亜はアバターを育てるのも好きですよ。キラキラきかざって、大富豪とかゲームしてるんですよ。もちろん、作ったアバターは♂キャラです。
筐体って分かりますか?「きょうたい」って読みます。
実は、アプリコット(あんず)の味を私は知りません。故に、この一話のために、すんごく調べるのに時間がかかりました。
間違っていたら教えてくださいね。
一生懸命しらべたけど、日本はあんずの地位が低いようで・・・・。
ヨーロッパのあんずは甘くて美味しいそうです。
作中のジュースはイタリアで有名なものを少し名前を変えて登場させました。




