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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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第42話 土曜日は映画を見に行くことになったらしい

 今日も、いつものメンバーで朝食。

 ふわっふわのロールパン。

 少し焼いて暖めたロールパンに、ジャムをのせる。

 ああ、これは、ブルーベリーのジャム。砂糖が控えめで甘すぎずブルーベリーのほんのりとした酸味がパンの甘さを引き出していて、おいしい。

 目の前には、バターと、もう一つ、乳白色のジャム?が添えられている。

「今日はどこへ行く?」

 何だろう?

 二つ目のロールパンに塗って口に入れたとたん、口の中に濃厚なミルクの味が広がった。

 練乳?いや違う。練乳よりも柔らかな甘さに、強いミルク感。

 甘いミルクにパンを浸して食べているような味だ。なんて、美味しさ!

「おい、璃々亜今日はどこへ行くか考えたのか?」

 最後に、バターを塗って。

 ふわぁ!

 これは、バターではなくって、バタークリームですね!

 口の中にいれたとたん、ラム酒とバニラの香りが鼻から抜けます。蜂蜜の柔らかな甘さが、舌で踊ります。

 美味しい。

「勝手に行き先決めてもいいのか?決めるぞ、璃々亜」

 え?さっきからうるさいですね。味わって食べなさいよ!

 見れば、嘉久も兄もすっかり皿の上は空っぽです。

 おかわりのパンをメイドさんが運んできました。

「やっぱりパンはあったかいうちに食べたほうが美味しいな」

 なぬ?

 なるほど、味わいすぎて、私の手元のパンはすでに冷めている。より美味しく食べるためのスピード調整っていうのもあるんですね。

 勉強になりました。さすが兄。

「じゃぁ、今日は映画を見に行こう」

「え?お兄様と嘉久様が、一緒に映画に?」

 うわーっ、京様が都キャプテンを映画に誘うとか、何、何、バスケの練習が休みなんだ。たまにはデートっぽいのもみたいな?

 ぐふぐふぐふっ腐腐腐。

「は?お前、もしかして話聞いてなかったのか?璃々亜、お前と行くんだ!」

「え?何故、私が嘉久様と映画に?デートみたいなことしなくてはならないんですか?」

 行くなら都キャプテンでしょう!兄は映画好き(フランス映画限定かもしれませんが)だから、ちょうどいいじゃない。

 私の言葉に、嘉久が顔を赤くし、兄が顔を青くした。

「デ、デ、デート?ち、違う。ちょうど見たい映画が公開になったから、そ、それだけだよっ」

「嘉久、璃々亜をデートに誘うなど、許さんぞ」

 きゃはっ。

 京様が、都先輩に「デ、デートじゃないんだからな!見たい映画があるだけなんだからな!」ってツンデレ発揮してるぅ!くふふ。

 都キャプテンは、他の人をデートに誘ったら許さないって京様に嫉妬メラメラ。

 ああん。もう、二人は、相思相愛さん。きゃふーっ!楽しすぎ!

 おっと、兄と嘉久の声は聞こえるけど内容が理解できないわ。頭の中で妄想変換しちゃうから……。

 えーっと、何の話だっけ?

「映画なら、私が付き合おう、嘉久。何の映画が見たいんだ?」

 ちょ、ちょ、ちょーっ、やめて。また妄想が始まるって!

「敦也兄……、それじゃぁ、せっかくの休みの日なのに、璃々亜に付き合ってもらえないじゃないか……」

「安心しろ、璃々亜も入れて3人で映画を見に行けば問題ないだろう?璃々亜はそれでいいな?」

 あれ?いつの間に私は映画を見に行くことになったの?

 首を傾げようとして、思いとどまる。

 食事中に首を傾げちゃだめだったんだよね?

「どんな映画なのですか?」

 映画の内容によっては断る。

「ハリーウッドーの超大作アクション映画だ!」

 嘉久が目を輝かせる。

 ハリーウッドー?なんか、魔法学校が舞台の映画みたいな呼び名になってますが、アメリカのアレですよね?

 アクション映画なら楽しめそうだ。

 アニメ映画がいいけど……。アニメが、アニメが……。

 アニメが見たいんだよぉぉぉぉ!

 もう、かれこれ1年はアニメを見ていない!

 ……いや、正確には3日だっけ?4日だっけ?

 でも、気持ち的には1年以上なんだ!

 ん?あれ?今、何年の4月?

 えーっと、みっきゅんと同人誌即売会に行った日が前世で最後の記憶でしょう?

 あれは春コミだった。

 世間的には夏コミ冬コミが有名だけどね、腐女子には春コミはまさに聖地!

 夏冬は、何日目が男性向けとかあったり、オタ男臭で死ねる夏コミなんて言われたりもするけど、春は違う。

 そもそも、春コミは、夏コミと冬コミと実施団体からして違うから、当然中身も違うわけだけど、とにかく春は腐が強い!

 会場の女子比率も半端ないんです!あんまり女子ばっかり大量に集まってるから「ガールズコレクチョン」でもあるのかと知らない人が言うくらい。だが、違う。会場は「ボーイズコレクチョン」なのである。右を向いても左を向いても、腐、腐、腐。

 あああ、今は4月だから、次はGWのスーパーコミックタウンだ!行きたいなぁ。行きたいなぁ。行きたいなぁ。


「行きたいなぁ」

 ふあっ!

 心の声がダダも漏れ!

「そうか、璃々亜も見たいか!じゃぁ、早速予約しておこう!」

 え?

 まさかのスーパーコミックタウンを予約?って、ばかな!予約制度など無かったはず!

「いいか、嘉久、ちゃんと3人分予約するんだぞ!」

「分かってるよ。いつもの映画館でいいんだろ?」

「ああ」

 え?映画館?

 いったい、何の映画を見るんでしょう?

 っていうか、3人分って、私も含めですよね?

 いつの間に、私は映画に行くこと決定になったのだろうか?


 今日は変装グッズを買いに行くつもりだったのに!

 し、仕方が無い。映画館には上映中や上映予定の映画のポスターがわんさかと貼ってあるはず。

 アニメ映画のポスターを見て、妄想補完して、英気を養おう。

 4月の今なら、まだ、春休みに上映していた映画の名残と、GWにあわせて公開される映画のポスターがあるだろう。

 こっちの世界では、どんなアニメ映画があるのかなぁ?

 ドラえもちとかはあるよね?歌で戦闘するマクロチュとかあるかなぁ。ぐふふ。マクロチュは歌姫に注目が行きがちですが、腐目線で見れば戦闘員が美味しいすばらしいアニメなのですよ!ですよ!腐。


ご覧いただきありがとうございます。

せめて、アニメのポスターを見て英気を養おうなんて、涙ぐましい努力ですね。

中世風の異世界にいっちゃったオタたちは、ゲームもアニメも漫画も何にもなくてよく平気ですよね?

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