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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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閑話 家族

お正月ネタが書けないのでせめて家族の様子を

「かわいいなぁ……かわいい」

「あなた、何を見ていらっしゃるの?」

 会議が一つ終わり、別の場所でミーティング。その移動中の社内で、主人がスマホを眺めて顔をほころばせていた。

「ほら、かわいいだろう?」

 息子から送られてきた写真。

 高校の新入生歓迎会でネズニーへ行ったときの娘の写真だ。

 確か、娘と息子は別行動だったはずだが、どのように入手したのか娘が友達と一緒に写っている写真をメールに添付して送ってくれた。

 娘が、自分のことをメールで語らなくなってどれくらい立つだろうか。

 息子に、娘の様子も送るようにと言ってあるため、月に何度かは写真とともに娘の様子も送られて来る。

 もっといろいろと娘のことも息子のことも知りたい。毎日連絡をと頼んだこともあった。

 だが、娘はいつからか連絡をくれなくなった。

 学校でこんなことがあった、あんなことがあったと……メールの内容はとても楽しそうなことがかかれていたけれど……。息子から送られて来る娘の写真は、どれも浮かない顔で写っていた。

 イジメられているのかも!

 急いで帰国して、娘と話をした。

 心配しないで、私は大丈夫だから。

 笑った顔が、笑ってない。

 親は子供を心配するために生きているようなものだ。

 側にいてやれない。そのうえ心配もするなと言われてしまえば、私は何をしてあげられるのだろう。

「お仕事がんばってくださいませ。お母様」

 娘がそう望むのなら。

 仕事をがんばろう。

「りりあ、私のかわいい娘。遠く離れていても、私はいつもあなたのことを思っているわ。りりあ。本当は連れていきたい。ずっと側に置きたい。覚えておいて。もし、りりあが連れていって欲しいと望めば、私はすぐにでもあなたをここから連れていくから……」

 もし、辛ければ逃げ出せばいいのよ。

 それは、逃げることじゃないの。母親の側に行きたいからっていうのは、逃げることじゃないんだから。

 ぎゅっと娘を抱きしめた……あれは、何年前のことだっただろうか。

 高校に入学して、りりあの様子が変わったと、息子から連絡が来た。

 帰国した時、確かに変わったと思った。

 いや、戻ったと思った。

 小さな頃のりりあに。本当の笑顔が浮かんでいたころのりりあに。

「よい友達を得ることができたようだ」

 息子のメールに書いてあった一文。

 そして、送られてきた友達と一緒の笑顔のリリアの写真。

 本当に。

 素晴らしい友達と巡り会えたのね。

「りりあの友達は、かわいいわね」

 主人が見ている写真を覗き込む。

 私のスマホにも同じ写真はあるけれど……。

「この子も、こっちの子もかわいい。だけど……」

「「りりあが一番かわいい」」

 私と主人の声が重なる。

 ふふっ。

 本当に。かわいい。

「「3人でお揃いの」」

 また、声が重なる。

 だが、ここから先、主人と意見があった試しがない。

「あなた、この子たちにお揃いの着物を着せようと考えませんでしたか?」

「お、おまえこそ、フリフリのワンピースをお揃いで着せようと思っただろう?」


ご覧いただきありがとうございます。

久しぶりの璃々亜の両親です。

お正月、家族で過ごす方も多いかと思いまして。璃々亜も愛されてるよって書いときたかったのです。

さて、明日から本編に戻る予定でございます。ええ、ごちそう食べる続きです。あー、お雑煮食べたい。

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