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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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閑話 嘉久のゴールデンウィークの計画

 自分は、賢いのだと勘違いしていた。

 中学の勉強は、授業はあまり聞かなくてもそこそこの成績は維持できていたからだ。

 だが、ありがたいことにそれが特別なことだという思い上がった気持ちはなかった。なぜなら、敦也兄の存在があったからだ。

 だが、それが間違いだと気がついたのは高校に入ってからだ。

 入学してから1ヶ月という短い期間に、実にいろいろなことがあった。

 賢さというのは、何も勉強ができることばかりではない。

 柔軟な発想ができることも賢さの一つだろう。

 また、周りの状況を的確に判断できるというのも賢さの一つだろう。

 柔軟な発想……璃々亜はすごい。

 ネズニーで行われる新入生歓迎会のことを敦也兄から相談されたときも、「ランド」か「シー」のどちらかを選ぶという選択支を超えた案を瞬時に出して見せた。

 貸し切りをそもそもやめてはどうかと。

 その案は実に合理的だった。貸し切りを行っていた予算内で実行できること。従来、どちらか一方にすることでもう一方に行きたかった者が不満が出ていたが、それぞれ自由に選べることでそれがなくなったこと。

 また、満足度が飛躍的に上がったこと。

 そうそう、なぜか2年3年の間では、歓迎会をきっかけにカップルが増えたという話も聞いた。

 璃々亜が言っていた「人込みだからこそ」の効果かもしれない。

 迷子にならないようにお互いに気を使う……時には、手を……手をつないだり。それは、迷子にならないためなんだから、全然不自然なんかじゃない。

 それから、他の人の邪魔にならないように、なるべく身を寄せて歩くとか……。時々、肩や手がぶつかっても、それは人込みだから、その、わざと接触するわけじゃないんだから仕方がない。

 あ、あとあれだ。

 誰かにぶつかれれてよろけたところを、受け止めてあげるとか……。

 人込み……。

 そうだ、良く考えたら、映画を見に行く時だってVIPルームをいつも使っていたが……。一般の席を使うとどうなるんだ?

 シートは隣同士密着していて、映画が始まると肘かけを共有したり……うっかり手が触れたり……。

 映画館の暗闇で、うっかり手が触れる?

 ……。そ、それは……。さすがに、まだ、ちょっと……。

 よし、決めた。

 ゴールデンウィークは、人込みに行こう!

 人込み……どこがいいんだろうか?

 インターネットで調べるとするか。

 ゴールデンウィーク、観光、人込み……。

 ネズニーはだめだ。

 遠くは?

 ……だめだ。日帰りできない場所に二人で行くなんて、敦也兄が許すわけない。

 日帰りできる近場で、人込み……。

 電車に乗って移動?

 だめだ、だめだ!

 満員電車で密着とか、それは、見ず知らずの人間とも密着することで……。

 誰かと体が触れ合うなんて、そんなの許せるわけない!

 というわけで、電車ではなく、車で移動。

 ああ、新幹線のグリーンシートならいいか。

 新幹線で、どこへ行こう。

ご覧いただきありがとうございます。

嘉久……

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