第314話 友達を紹介したいらしい
そんなこんなで、1年生はろくに自分たちの話し合いをしていないという。
でも、スパイ対策として声が聞き漏れる可能性のあるこの時間に相談はしにくいので問題ない。その代り……。
「では、GW中に集まりません事?」
と、なんと、GWに相談することになりました。
あのね、ただまじめに相談するわけじゃないんだよ?
お茶しながら、ご飯食べながら、ふふ。遊び半分なの。
つーまーり、お友達とお出かけ!的なのに、限りなく近い!……っていうんで、いいのかな?
いつにするっていう話で、皆スマホや手帳を取り出してGWの予定確認。
あ、部活忙しい宣伝班は集まらないよ。修復班の集まりね。
私も、スマホを取り出して、スケジュールの確認。……ええ。するまでもなく、皆でネズニーに行く予定しか入ってませんけどね!
……( ;∀;)。
違う、違うんだ、だって、家族旅行とかは、家族が海外出張中だから無理だし……。
習い事とかしてないからだし……。
決して、決して、友達がいないから予定が皆無とかそういうわけでは……。
わかってる。言い訳すればするほど、ボッチ感が増すってことは、分かってる……。で、でも、ほら、これで予定が2つめ!
GWの連休は6日あるから、2日分予定が入って、三分の一が埋まったよ!どやっ!
あと、どうせ1日くらいは嘉久や兄とどっか行くんだろうから、半分は埋まる。
うん、すごいじゃん。そんでいいじゃんっ!
「申し訳ありません、私、GWは予定がいっぱいで……」
メンバーの一人が口を開く。
「ああ、私も。あ、でも、友達に別の日にしてもらえば大丈夫ですわ」
と別のメンバーがおっしゃられた。
ぐぬぬぅ……なんという、リア充たちめ!
あ、いや、違うか。友達がいっぱいをリア充と呼ぶならば、独身アラサーオタ男子がリュックに嫁ポスター突っ込んで街を歩きながらカップルに毒を吐くわけがない。
「彼に日程調整してもらいます」
くっそ、リア充め!
……なぁんて、思わないよ。
ふぅん、この子、彼氏いるんだ。( ̄ー ̄)ニヤリ。
おばちゃんはね、人の恋バナ大好物なんだよ。聞き出してやる。根掘り葉掘り。ほーっほっほっほ。
おっと、いけないわ。悪役令嬢的笑い声を発してしまった。
同級生と恋バナ。うん、お友達とかそんな感じになれそうな予感。わーい。
「では、この5人で集まりましょう」
都合が合った修復班4人と宣伝班1人の合計5人で行くことになった。女子3人、男子2人。
「あー、いいなぁ。楽しそうだな」
と、田中くんが日程のすり合わせをしている私たちを見て言った。
「練習がなければなぁ。そうだ、練習の後、夕方からとか合流できない?」
え?
合流?
「ああ、それなら参加できる。夕飯食べながらとか……ちょっと無理かな?」
別の宣伝班男子も田中くんの言葉に反応した。
「帰りが遅くなるのはまずいかなぁ。夕飯食べながらの打ち合わせだと帰りは8時とか9時だよなぁ……」
女子高生の8時9時はそんなに遅くないと思うけど?塾とか終わる時間は9時10時だしね。ああ、友達と遊んでいて9時とかじゃ遅いという感じなのかな?確かに、中学生とかは「夕飯までに帰ってくること」みたいな感じだった気がする。門限7時とか?
女子の一人がふふっと笑った。
「普段は、門限は7時ですが、図書委員としてKHTでの活動の打ち合わせを行うということでしたら、両親からも許してくださると思いますわ」
「私も、どこにいるのか場所さえ伝えれば大丈夫ですわ」
「場所かぁ……。夕飯を食べながら打ち合わせができる場所……」
ファミレスが一番に思い浮かぶけれど……。
お嬢様お坊ちゃまの集まりだし、がやがやしたところでの話し合いは難しいかも。
「あの、私にごちそうさせていただけませんか?」
おずおずと一人の女生徒が手を上げる。
は?ごちそうしてくれる?
「私の家は、料亭をしているんです。ですから、個室もありますし、話し合いをしながら夕食をいただけます」
うお、料亭ときたかっ!
「いくらお家が料亭をしているとは言っても、ごちそうになるわけには……」
パン屋やってるから、パンみんなで食べて!とは話が違うよ。料亭だよ、料亭。でもって、何人参加すると思ってるの!
「ですが、あの、私が買い付けに行きたいと言ったから、皆様が頑張ってくださっているので……私……」
と、下を向いてしまったので、肩をぽんと叩いた。
「いやですわ、何を3年の先輩みたいなことをおっしゃるの?」
私の言葉に、皆ギョッとした顔をする。
あれ?なんで?
「私達ががんばるのは、あなたのためではございませんわよ。図書委員の勝負のためではなく、喜んでくださる人のためですわ。目的をはき違えてはいけませんわよ?」
と、言葉を続けたら、やっとそうだよねって顔をみんながしてくれた。
手を置いた肩がふるっと小さく揺れる。
「ありがとうございますっ!白川様……!」
うるんだ目で見られたよ。え?そこまで感激するようなこと言ってないよね?
「あの、やっぱり私……何かお礼がしたいんですっ!」
って、料亭の娘さんが言いますが……。
みんなで顔を見合わせる。
「場所を提供していただけるのはありがたいのですが、やはりごちそうになるのは……。実際に、料理を提供してくださるのは料亭で、つまりはご両親の懐からということになりますでしょう?社会貢献をするための相談で、どなたかのご家族にご負担をかけるのは……」
と、首を小さく横に振った。
すると、料亭娘はがっくりと肩を落とす。
「そ、そうですよね……私からのお礼にはならないですよね……」
高校生くらいだと、まだ家の物イコール私の物みたいな感覚があって当然だから仕方がないけどね。
「弁償すればいいんだろう!」って切れたって、弁償するお金を出すのは親みたいな……。全然本人痛くもかゆくもないからね?
「でもやっぱり、皆さんに来てほしいですっ!私にはこんなに素晴らしいお友達がいるんだって、両親に紹介したいのです」
ゴォーーーンッ!
な、何てこと……。
激しく、頭を打たれたように響いたわ!
ご覧いただきありがとうございます。
はー、なんだか寄り道してるようで、これ、伏線ですからねー(たぶん、回収を忘れなければ)
そうそう、感想欄にもありますが時々キャラクターの名前がおかしなことになっています。
外出先でタブレットで打ち込んだものがうまく変換できずに、更新時に修正を忘れてそのままだったりします。申し訳ありません。タブレットで単語登録とかちょっとまだ使い方が分かりません




