第304話 魚らしい
お家に帰ったよ。
たっだいまー。
帰ったら、何をする?
もっちろん、手を洗いましょうなのです。ふふふっ。さっそく、買ったスポンジを試してみるんだぁ♪。
誇大広告か、本物か。楽しみ楽しみ。
(´・ω・`)
水垢がない。
うちのハウスキーパー様たちの仕事は完璧でした。
鏡も蛇口もどこもかしこもピカピカ……。試す場所なんてありゃしないっ!
ぐおおおーーーっ、せっかく、せっかく、せっかく、前世からの長年の疑問が解決するかと思ったのにっ!ぐぎぃぃぃ。
……おもわず、お食事ですよと呼びに来た早間さんを恨めし気な目で見てしまった。
ごめん、ただの八つ当たり。
本日の夕飯は中華です。
だけど、マーボー豆腐とかチンジャオロースとか定番の中華料理とは少し違うようです。
5センチほどの大き目のエビが入った炒め物を口に運ぶ。
オイスターソースの香りがふわりとして、鳥ガラスープと塩で味付けられた餡がエビに絡んでおいしい。
ぷりぷりのエビの身。それから、しゃきしゃき感の残る絶妙な炒め具合の小松菜。
ふわっ。おいしい。
もぐもぐ。
それから、ふわふわの玉子スープ。わかめと細切りにした玉ねぎが入っている。
ああ、おいしい。少しとろみが付けられてるところがいいんだよね。玉子が底に沈まないし。
もぐもぐ。
「今日は実に有意義な一日だったぞ」
それから、メインは魚。
からりと揚げた白身魚に、赤いソースがかけられている。
辛い?
「そういえば、嘉久は今日はお茶会部で清掃活動へいったんだったな。それほど有意義だったのか」
「ああ、敦也兄。写真を撮ってきたんだ。見てくれ。璃々亜も」
少し遠慮気味に魚の身にソースをつけて口に運ぶ。
ふおっ!なんと、この香りはココナッツ。
え?ココナッツオイルを使ってる?
「嘉久、写真は後にしよう。テーブルに置く場所がないだろう」
「そうだな。で、璃々亜は何してたんだ?」
なんてことでしょう!
酢と豆板醤とニンニクと……ココナッツオイルだとぉ?
辛さとうま味と、なんと絶妙な!淡白な白身魚なのに、コクが……。
「どこかに出かけたのか?もし、休みに退屈しているようなら、次回からは一緒に来てもいいんだぞ?」
「ははは。嘉久に付き合うくらいなら、生徒会に顔を出すといいよ璃々亜」
「璃々亜、生徒会に顔を出したらこき使われるから、お茶会部の方がいいぞ。すごい達成感があるんだ」
ったく、もうさっきからうるさいな。
この複雑な組み合わせから生み出される味のハーモニーをゆっくり味わえ!
おや?
嘉久、お前のご飯だけ特別か?
何?この白身魚をほぐしたものをご飯と混ぜたのか?おお、鯛めしみたいなものか!
魚ほぐし、ほぐし、ご飯の上にのせ、のせ。まぜ、まぜ。
ぱくん。
なんだこりゃ。
うんまっ!嘉久、さすがグルメ番長だな!
「で、璃々亜、どっちにする?」
どっち?
「そのまま食べてもおいしいですし、混ぜてもおいしいと思いますわ」
「いや、魚の話はしてないっ!」
じゃぁ、何の話をしているというのだ!
「次の休み、璃々亜は清掃活動か生徒会活動か、どちらに加わる?」
は?
イッテイルイミガ、マルッキリワカラナイ。
きょとんと首をかしげる。
ふあっ。しまった、これ、食事中にやっちゃだめなポーズだった。
だが、マルッキリイミガワカラナイことを言うやつも悪いと思うんだ。(責任転嫁)
嘉久が、茶わんを取り落とした。
幸いにして、すでに間食していたようで、転がった茶わんから中身がこぼれることはなかった。
兄は、エビをつかみ損ねた。
あんなに大きくてつかみやすそうなエビを。
「どちらにも加わりませんわ」
清掃活動ってお茶会部のあれだろ?
嘉久とは学校関係で近づく気はない。
生徒会活動ってのは、攻略対象の巣に飛び込めってことだろ?誰が行くものか!
「そ、そうか……」
兄が少し残念そうに視線を下げた。
「それで、璃々亜は今日はどうだった?」
あー、それが、偶然弟に会ったんだよ!びっくりしたー!
って、言えないし。
えーっと、そもそも私、なんといって出て行ったっけ?
ああ、そうそう。図書委員関係の!
「とても有意義でしたわ。図書委員として、学ぶべき師匠と出会いましたの」
うん。
本当に、偶然だったけれど、本の病院を実行するための師匠を見つけることができた。
いつもありがとうございます。
嘉久ターンが書けない……。ただの日常……。あうう、




