閑話 兄の独白
お盆休み最終日(休んでない?)短めです
高校へ入学してからの璃々亜の様子がおかしい。
いや、おかしかったのは中学生のころだったかもしれない。
単に、璃々亜は昔の純粋で素直な璃々亜に戻っただけなのかもしれない。
友達が欲しいと言い出した。
だから、高校ではなるべく距離を置きたいと。
中学では、誰とも関わりたくはないと言っていたのに。
一人でいる方が楽だと……。
私にはよく理解できない恋愛小説と、絵を描くことだけを楽しみとしていた。
分厚い化粧に人を拒絶するかのような冷たい目。
だけれど、読んでいる小説には夢があふれ、描く絵には昔の璃々亜のまま、優しさがあふれていた。
だが、中学3年生になったころ、その絵を描くことさえもやめてしまった。受験だからと言っていたが……。
絵を描く道具ばかりか、今まで賞を取った盾や賞状、すべての絵に関する物を目につかないようにしまい込んでしまった。
何があったのか……心配をしてはいたけれど……。尋ねることで傷を深めてしまうんじゃないだろうかと聞けずにいた。
嘉久に、璃々亜の学校での様子を尋ねてもみたが、嘉久は株にしか興味がなくて全く役に立たなかった。
小さなころはあんなに璃々亜と仲が良かったのにだ。
思春期の影響だろうか?
いや、小学校2年生のころからか。
嘉久は自分の興味を持った物以外、目に入らないほど集中するようになった。
璃々亜がいつものように遊ぼうと声をかけても、全く気が付いていないようだった。
嘉久に悪気はない。
それは分かっていたが……。
小学校4年生になるころには、璃々亜が嘉久に話しかけることもなくなっていた。
嘉久の興味の対象は、ある程度の達成感を得るたびに失せて行った。
例えば、小学校2年生では理科の科学実験に興味を持っていた。中学高校レベルの科学実験を一通り終えると、興味は消え去った。
まぁ、それ以上の実験は小学校2年生の身では危険だと、周りに止められさせてもらえなかったのも原因なのだが。
すると、しばらくは普通の小学校2年生に戻った。
璃々亜とも仲良く遊びだした。
だが、それも長く続かず、嘉久は天体に興味を持つと、再び璃々亜の呼びかけに答えることが無くなった。
それの繰り返しだ。
璃々亜は、返事をもらえないことに初めこそ怒っていたが、次第に悲しい顔をするようになり、ついには声をかけなくなった。
どうやら、あまり学校でも友達と上手くいかないこともあり、嘉久と遊ぶことでバランスを取っていた部分があったようで……。
私も、それに気がついてあげることができなくて、中学に上がって璃々亜は完全に変わってしまった。
璃々亜を守ってやれなかった自分を責めた。
だが、どう接すればよいのか分からずに……ただ、見守るしかなかった。
それが、高校の入学式を期に、璃々亜が変わったのだ。
化粧をやめて、あれほどこだわっていた髪型もしなくなった。
見た目だけじゃない。
それは「友達」を作ろうというその言葉にはっきりと表れていた。
高校では女子会をするのが夢だと璃々亜は言った。
良かった。
本当にうれしい。
璃々亜の夢をかなえるために、私は全力で協力しようと思う。
せっかく同じ高校に通えるのに、近づくなと言われて寂しいが、璃々亜のためだ。なるべく近づかないようにしよう。
そして、嘉久のやつ……。
中学3年間は株に没頭して璃々亜のことがまるっきり目に入っていなかったようなのに、株を辞めた途端、璃々亜に興味を持ちだした。
いつもありがとうございます。
お盆休みをといいつつ、つい閑話をあげてしまうという……。
いかがでしたでしょうか。
夏コミ特別編とか、まったーりした内容での閑話でございました。
明日から通常に戻りまーす。




