第184話 BL好きってバレたらしい
「僕が……イベントに足を運んでいたと知られたら……両親になんと言われるか……。鳳凰学園の品位を損ねたと……もしかすると……圧力をかけて……」
ああ、やっぱり鳳凰学園関係者なんですね。
卒業生ってことはないよね?ってことは、やっぱり現役の生徒。何年生なんだろう?
圧力をかけて何?
学校で、漫画とか全面禁止にでもなるってこと?元々持ち込みも禁止だから、さほど影響ないんじゃないの?
「主要な会場で同人誌即売会が禁止されるかもしれない……」
同人誌即売会禁止?
主要な会場で?
えっ!
えっ?
「えええーーーーーっ?そ、それは、困るよっ」
東京ピックサイトで同人誌即売会ができなくなるってことでしょ?
コミケにはかつて幕張メッシから追い出された歴史もあるけど、またもや追い出されるってこと?
っていうか、今回はその事件の非じゃないってことだよね?主要な会場でってことは、追い出されたからって、別の会場が使えるってわけでもないんだよね?
つぅか、それだけの圧力をかけるとか……。
「一体、貴方、何者ですか?」
いや、違う。両親は何者だ!
……そういえば、クラスの自己紹介のときに、国会議員の息子だとかいろいろいたなぁ。
どっちの方面から圧力掛けるつもりだ!
児童なんたら保護法とかそっちから行くのか?
くっそ!まだ規制が足りないのか!
ぐぬぬぅっ……。
「え?」
オレンジジュースのストローを加えたまま、弟が止まった。
あ、飲むときには、マスクの下を少し浮かせて、その隙間からストローを口に入れるんですよ?
もちろん、私もその状態。
ストローが付いた飲み物ならではですね。
マスクを外さなくていいので、顔が隠せる。
……だが、想像してほしい。
前髪で目を多い、黒縁メガネでさらに目元を隠し、でっかいマスクで顔の下半分を覆った人間が、向かい合わせで座っている。そして、マスクの下からストローをさしこんでちゅぅーっとジュースを飲んでいる姿を……。
イベント会場で、コスプレだと認められなければ……、近寄りたくはない。
いやいや、花粉症だから完全防備とかそういう人もいるだろうけど、向かい合わせで二人ってのは……。しかも、全身黒いジャージ姿。
うん、怖いね。
「えーっと、僕の正体を知っているんじゃないの?」
知らん。
そんな怪しい格好……じゃない、顔が判別できない格好で分かるものか。
首を横に振る。
「でも、確かに、僕を見て鳳凰学園の名前を出したよね?」
確かに。
私は、弟の靴を指さす。
弟は、指さされた足元を見て、ああと頷いた。
「靴か……迂闊だった。小さな印だし、誰にも分からないと思ったのに……」
そう言って、弟は私の足元を見る。
「もしかして、君も……?」
ぐっ。
う、迂闊は私もだ!
靴で分かったなんて言えば、何故だと思うのは当然だろう。
だって、私もこれくらいわかんないよねーとか思って、学校指定の鳳凰学園の印入りのローファー履いてるんだからさっ。
「そうか……」
表情は見えないけど、弟は、嬉しそうだ。
声のトーンが喜色ばんでいる。
「姉さんも、鳳凰学園の生徒だったんだね!何年何組?僕は」
弟が自己紹介を始めようとするのを、マスクの上から口をふさいで阻止する。
「私も、学校に仲間がいることはとても嬉しいですわ。ですが、危険だとは思いませんか?」
「危険?」
「ええ、そうですわ。思わず、学校でコッチ系の会話に花をさかせてしまったり……」
弟は、ぐっと黙って、想像してみたようだ。
「よくも悪くも……僕の会話は注目されているのは間違いないな……。会話から、イベントに行っていたことがばれるのはすぐだろうな……」
注目されている?
ん?なんで?
っと、正体を暴くようなことはしないんだった。なんで注目されるなんてどうでもいい。
あの学園には、有名人の子息も多いから、注目されてる人なんていっぱいいるから不思議じゃないし。
「……そうだね。姉さんの言う通り、お互いに知らない人間でいた方が安全そうだ……。でも、聞いてもいいかな?君も家族には漫画やアニメやゲームは反対されてるの?」
ん?反対されてるのか?
んー、反対されるのかなぁ?
とりあえず、生徒会がらみで漫画を読んだりしてるから、反対したりはしないだろうなぁ?
アニメも、シアタールームの有料チャンネル契約されてたし。もし反対するなら、アニメは見られないように契約してないと思うんだよね。
ゲームは……どうなんだろうか?
とにかく、反対されるもなにも、過去の璃々亜が漫画やアニメやゲームに手を出していなかったからよく分からないんだよね。
……それに……、もし反対されてなかったとしても……。
「BL」
さすがに、オープンにできないな。
BL好きってのは……。
「ああ、そうなんだ。姉さんはBLが好きなんだ。それは、さすがに……反対も何も……」
うっ、弟、何故私がBL好きだって知ってるんだ!
「そ、そういう弟は、エロゲーとか好きなんじゃないの?まだ18未満なのだから、ダメだよっ!」
「ちっ、違うよ、エロゲーとか、興味はあるけど、やったことはないしっ」
「興味はあるんだ、ふぅーんニヤニヤ」
「ねっ、姉さんこそ、まだ18歳じゃないんでしょ?BLだって、そういうの見ちゃだめなんだよっ!」
ぐふっ。
私、前世ではとっくに18歳超えてましたからね。年齢制限なんて関係ないもーん。
って、今はあれか。
いつもごらんいただきありがとうございます。
同人誌即売会の会場が想像つかない方、フリーマーケットの会場みたいなの想像してください。ブースごとに分かれて並んでいます。
ただ、フリーマーケットと違うのは、机と椅子が並んでいるところです。
1ブースが、会議室とかにあるような長机の半分の広さです。椅子2脚並べるとぎちぎちな感じ。そんなブースがずらりと並んでおります。
人気のあるサークルのブースは、行列ができるため、行列を作れる場所が確保された場所に配置されます。それが、建物の壁際です。通路が広めにとってありそこに行列を並ばせたり、出入り口のシャッターが開けられ、そこから外に並ばせたりします。あと、誕生日席な位置、島とか、中堅のサークルさんが配置される場所とかもあります。もし、突然人気がでて行列ができたサークルさんは、途中でスタッフに移動を支持されることもあります。
どうでもいい豆知識でした。




