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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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第127話 このままじゃ悪役令嬢に見られてしまうらしい

「お二人のお気持ちに気が付かなくて、ごめんなさい……。私でよろしければ、お友達になってください」

 二人は顔を上げた。

「ゆ、許してくださるの、ですか?」

 許しを請うのは私の方だ。

 友達になりたいって思いをいろいろ伝えてくれてたのを無下にしていた……。

 それなのに、今日も笑ってくれてたよね。

「許すも許さないも、それは、芽維さんたちに誤って、本人たちに伺ってください。私は、何もされていませんから……」

 にこっと笑いかけると、二人は大粒の涙をぼとぼとと落とし始めた。

「白川様~っ」


 私は、ふと前世のことを思い出していた。

 学生時代、社会人時代……「戸川さんも行く?」と声を掛けられた時のことを……。

 義理で誘ってくれなくてもいいのになぁとか思いながら断ってたけど……。あれ、義理じゃなくて、私と仲良くなろうとしてくれたのかもしれない。

 ……私は、オタ友達以外に目が向かなくて……。リア充とは仲良くなれないと思っていて……。

 純粋な好意に気が付かないままでいたのかもしれない。

 バカだなぁって思う。

 だってさ、芽維たんや皐月たんはオタ友達じゃないけど、仲良くできてるじゃん。

 前世だって、オタじゃなくたって、仲良くなれたんじゃないかなぁ……。バカな、前世の私。

 そして、今もバカなままな私。

 でも、気が付いたから。これからは、もっと回りを見られるようにするから。


 早速回りを見てみると、何やら遠巻きにして注目を浴びてる。

 

 あ、あれ?この構図……。


 私が、二人をいじめて泣かせてるように見えなくもなくない?

 あ、あ、あ、


 悪役令嬢じゃねーか!

 ご、誤解なんだ!

 ねぇ、ちょっと、今目があったそこの2年生、今、目をそらした1年生、ちょっと、みんな、誤解だってば!


 私は、いじめてないしーっ!


 SOS、SOS……。

 だれか、私を助けてください!


「おはっ、ごきげんよう、璃々亜さんっ」

「ごきげんよう白川様」

 救世主きたーっ!

「ごきげんよう、芽維さん、皐月さん」

 芽維たんと皐月たんの登場です。


 二人は、私に挨拶すると、涙を流している二人に視線を向けた。

「相良様、相原様、どうなさったのですか?」

 皐月たんの言葉に、二人は立ち上がって、頭を深く下げた。

「申し訳ありませんでした……あの、ぶしつけな手紙を差し出してしまい……」

「私たち、白川様と仲の良いお二人、いえ、田中様も含めて3人に嫉妬して……つい、あのような……」


「私とも、友達になってくれるかな?」

 芽維たんの言葉に、二人は体を起こして、驚いた顔を見せた。

「友達に?」

 芽維たんはにっこり笑って、二人に手を差し出した。

「サラリーマンの娘なんだけど、友達とか無理かな?」

「と、とんでもないです、私たちだって、お茶会部に入れるような家柄ではございませんし……」

「あっはっは。その基準面白いですわね。では、私も、お茶会部に入れないもの仲間でお友達になってください」

 皐月たんも、二人に手を差し出した。

「あ、じゃぁ、私も、お茶会部に入る資格がないと言われた仲間ですわね!」

 立ち上がって手を差し出したら、相原さんと相良さんが、ぎょっとした顔をした。

「し、白川様が?」

「言われましたわよね?」

 と、皐月たんと芽維たんに顔を向ける。

「ふふふっ。確かに」

 あれ、皐月たんの笑顔が黒い。

「一体、お茶会部は何を考えて……」

 ん?相良さんがムッとした。

「もしかして、清掃活動を白川様にはさせられないという、高円寺様の気遣いなのでは?」

 と、相原さんが口元を覆う。


 ないない。

 そんな話は全くない。

 そんなに、周りが見える話じゃないし。

 その段階では、清掃活動の話なんてなかったはずだし、そもそも嘉久も入部の意思は薄かったし……。

 そうそう、断られたときにライオンズクラゲの話が出たから、嘉久もそれを知って燃えたんだし……。


「なぜ、高円寺様が、璃々亜さんを気遣うんですか?」

 芽維たんが疑問を口にした。

「ご存じありませんの?お二人は」

 と、相原さんが何か言おうとしたのに、慌てて言葉をかぶせる。

「授業が始まってしまいますわ、まずは移動しませんこと?」

「あら、本当ですわ!」

 食堂にはほとんど人の姿はなかった。

 お嬢様お坊ちゃまは、はしたなく廊下を走ったりできないので、割と時間には余裕をもって行動するらしいんだよね。

 っていうか、何、ちょっと待って……、私と嘉久の関係を知ってるの?

 知ってるっていうか、どういう風に噂されてるの?これ、あとで確かめないと……。汗。


 教室に入ると、田中くんの元に向かった。

「田中くん、二人と友達になったんだ」

 芽維たんの言葉に、相原さんと相良さんが頭を下げる。

「申し訳ありませんでした、あの、手紙……」

 田中くんはニッと笑って

「手紙?なんのことだ?」と、分かっているだろうにとぼけて見せた。


 なんだか、皆、大人な対応だなぁ。


 こうして、私は、友達が増えたのでーす!授業が始まる前に、二人とも携帯のアドレス交換をしました。

 そしてね、だんだんアドレスが増えてきたので、友達フォルダをつくっちゃいました!フォルダを分けるくらい人のアドレスがあるって素敵!

 思わず、ニマニマしてスマホを操作しているのを、相原さんと相良さんに見られてしまった。

 照れ笑いすると、二人も照れたように笑った。

 何か、ヒロイン候補ってタイプじゃないけど、ヒロインのよき友達でアドバイザー的ポジションキャラ?と、ふと思った。

 いや、待て待て、長期休暇明けに驚くほど変身しちゃったヒロインの可能性だってある!

 ……。

 ……。いや、そんなこと考えだしたら、きりがないから……。

 


いつもありがとうございます。

すいませんです。

無駄に登場人物増やすのは好きではないのですが……。色んな部とかかわる今後の展開の手ごまだと思ってください。←何気にネタバレしてんじゃん

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