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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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第112話 帰りのバスでお菓子をもらったらしい

 距離はあったけど、少し高くなっている場所からパレードを見学。

 パレードが終わって、手をつなぐ必要がないくらい人がいなくなってから移動。

 無事に、皆と合流できました。


「白川さんのおかげだよ!」

 相模くんが、ほくほく顔です。

 うええっ?迷子になった私のおかげ?

「皆でおそろいの耳つけてたから、手を振ってもらえたよ!」

 あ、耳ね。耳の話ね。

「璃々亜さん、よろしければ使いますか?」

 皐月たんが、かばんからピンクのタバコの箱くらいの大きさのものを取り出した。

「これは?」

「モバイルバッテリー。スマホにつなぐと、充電できるのですわ」

 おおー、なんと便利な!

「ありがとうございます。使わせていただきます」

 というか、そんなものまで持っているなんて、用意周到だね!さすが皐月たん!


 パレードの後、嘉久たち一団が小走りで移動しているのを見かけた。今度は、迷子にならないように、チラッと見ただけ。

 轟くんお勧めのお店で、お茶休憩の間に、モバイルバッテリーで充電中のスマホを取り出す。

 一応ね。

 まさかとは思うけど……。

「順番通り、順調に回っていらっしゃいますか?昼食やティータイムもおろそかにしてはいけませんよ?」

 と、目の前に届いたキャラクターの形のパンケーキを写して嘉久にメールを送った。

 そうだ、ついでに。

「写真をお願いしてもよろしいですか?」

 スマホを相模くんに手渡し、芽維たんと皐月たんとパンケーキと一緒の写真を撮影してもらった。

 で、兄にメールした。

「生徒会のお仕事が忙しいとは思いますが、お兄様も少しは楽しんでくださいね」


 というわけで、あっという間に帰りのバスです。

 うふふ。楽しかったなぁ~。

 あっという間といっても、学校行事にしては遅い時間ですよ。6時です。7時に学校で解散の予定です。

 帰りのバスも、グーピーパーで席を決めました。

 私の隣は、皐月たんになりました。むふ。芽維たんは轟くんの隣です。早速、お菓子のいい匂いが漂ってきます。

 うらやましす!

 すると、ぬっと手が伸びて、目の前にお菓子が差し出された。

 顔を上げると、前の席から顔を出している田中くんの姿があった。

「食べる?」

 差し出されたのは、ネズニーのお土産売り場で買おうかどうしようか悩んだ末、買うのをやめたイチゴチョコ入りのクッキーだった。

 おお!

 私は結局、ホワイトチョコ入りのを買ったんだよね。

「ありがとうござ」

 手を伸ばしかけて、首をかしげる。

「お土産ではございませんの?」

「いいんだよ、これは」

 と、田中くんがニコッと笑った。そうか。帰りのバス用にもお菓子を買ったんだ。あったまいい。

「ありがとうございます。ではいただきますね」

 私が手を伸ばすと、皐月たんにも田中くんは進めていた。

「皐月さんもどうぞ」

「ありがとうございます。では、お礼に、どうぞ」

 皐月たんも、お土産で買ったお菓子を開けて、中身を班の皆に配りだした。

 お礼にと、それぞれのお菓子が行き交う。

 ああ、もちろん、私だって、お土産のお菓子の箱を開けましたよ。

 すまん、兄よ。兄へのお土産はなくなりました。


 ん?

 同じ場所に行っていたんだから、お土産必要ないか。

 あ、じゃぁ、嘉久にもいらないよな。

 ……。

 ……。知ってるよ。

 知っていて買ったんだよ。

 だって、お土産をみんな大量に買ってるんだよ?

 私……。

 両親とお世話になっているお手伝いさんと料理人さんと蜂川さんくらいしか、渡す人いないんだよ?

 ……ぐすん。

 ボ、ボッチじゃないもん。友達いるもん。

 お土産渡す相手がいないだけで……。


 ぐぬぬ……。


 何はともあれ、こうして楽しい一日が終わりました。

 この日は、兄は生徒会として後処理の仕事もあるということで、一人で帰った。あ、嘉久も生徒会の手伝いがあるらしくって、夕食は一人だったよ。

 ……。


 おかしいなぁ。

 一人の食事って、こんなに寂しいものだったかな?

 前世で一人暮らしが結構長かったから、一人で食事なんて当たり前にしてたのに……。

 兄がいない、嘉久もいないのって……。ボッチで食事って……寂しい……。


 あ、違う。


 前世のころは、ゲームしながら食事とか、漫画読みながら食事とか、アニメ見ながら食事とか、みっきゅんと電話しながら食事とか、一人だけど、一人じゃないのーっ!って感じだったから寂しくなかったんだ!


 ふおっ、今日は兄がいないんだ!

 ア、ア、ア、アニメ!

 シアタールームで夢のアニメ三昧ができるんじゃない?

 できるよね!

 しちゃうよ、アニメ三昧!

 ひゃほーい!

 そうと決まれば、のんびり食事をしている暇はない!もぐもぐ。

 

 ほっくほくのジャガイモに、味のよぉく染みたとろとろの玉ねぎを絡めて、口に運ぶ。

 ふおっ。おいしい。柔らかくて甘味のある脂の牛肉も甘辛くておいしいんだけど……。肉じゃがって、肉玉じゃがって名前でもいいんじゃないの?っていうくらい、玉ねぎの存在は大きいと思う。

 はー、おいしい。

 ネズニーでは、和食は数少ないから、洋食を食べたんじゃないかなって想像して料理人さんは和食を用意してくれてたのかな。

 そんな、心遣いがされたおいしい料理を、誰ががつがつと味わいもせずに食べるものですか。

 危ない危ない。つい、アニメの誘惑に我を失うところだった。人間失格ですな。料理を作ってくれた人への感謝を忘れるようでは……。


 さて、今日もおいしゅうございました。

 ごちそうさまでした。

 

 ご飯の後、風呂に入ったり、寝る準備を整えてから、いざ、シアタールームへ!

 時計の針は、8時半。

 まだ眠たくはありません。大丈夫です。


いつもありがとうございます。

田中くん、早速餌付けしようとしているようです・・・・(笑)

ネズニーの元になった施設って、飲食物持ち込み禁止(一部ペットボトル飲料など除いて)なんですね。てなわけで、轟くんの持ってきたお菓子は、行きのバスで消費済ということにしてくださいね!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 恋愛小説ですね。田中くん、誰かに餌付けされる前に餌付けでづよね。餌付け?あれ?恋愛小説ではない?胃袋をガッチリだから恋愛小説なんですよね?
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