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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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第111話 迷子になるなんて6歳児並らしい

 迷子とか……。ふっ。そんなイベントはありません!

 コースは決まっているんですから。行く先は同じ。

 えーっと、次は、


 ……どこだっけ?


 うわーっ。しまったぁ!コースはすっかり皐月たんに頼りっきりで、園内地図一度も開いてないどころか、持ってないよっ!

 だ、大丈夫。電話して聞けばいいんだから。うん。

 ここで、スマホを落としたとか忘れたとかそんなお馬鹿なことはしてませんよ。

 かばんから、スマホを取り出す。

 えっと、芽維たんに電話すればいいかな……。

 ああ、初めての電話が、これ?

 ……えっと、いい思い出ということで……。


 充電切れてーらっ!


 ええええっ!ま、マジですかぁ~?

 何で、ヒロインじゃなくて、悪役令嬢の私が迷子!んなアホな!

 高校生にもなって、迷子?

 ないない、ないわ!

 まだそんなに遠くに行ったはずはない。

 っていうか、なんかこのあたりすごく人がいっぱい。

 混んでる。人と人の隙間から、誰かを探すとか大変だよ。上のほうを見ると、青い小さな帽子のついたカチューシャの耳が見える。

 あれだ!あそこにいる。

 人の波を書き分け、耳から視線をはずさないように向かう。

「待って、」

 声をかけると、見知らぬ男性が振り返った。

「ん?何?」

 大学生なのかな?少し年上に見える男の人。

「うわぁ、お揃いだね」

 軽い口調で、男性が私の頭の耳を指差した。

「何?逆ナン?」

 はわわっ。

「す、すいません、あの、間違えましたっ」

 ぺこりとお辞儀をしてその場から去る。

 うわー、恥ずかしい。人間違いしただけでも恥ずかしいのに、逆ナンだと思われるなんて……。


 前世バリオタクの私。恋愛関係に疎いのはもちろんですよ。逆ナンなんてとんでもない!

 自分から声をかけるどころか、声をかけられても、もうダッシュで逃げる草食動物ですよ!

 あ、うん。声をかけられても、それがナンパであることなんて奇跡的なんだけどね。

 ほとんどが、道を尋ねられたり、お祈りさせてくださいだったり、カットモデルの勧誘だったり、アンケートだったり……。

 ははは……。

 モテ期って何?な人生だったな。


 あー、びっくりした。

 振り返ると、私の方に向かって、青い帽子付の耳がちょこちょこ近づいてくる。

 うええっ!何?

 さっきの人?

 逆ナンじゃないって、間違いだって言ったのにっ。まさか、人違いで声かけたことに怒ってる?

 怖っ!なんだか分からないけど、追いかけられるのって怖いよっ!


 に、逃げよう。


 何でこんなに人が?いくらネズニーだからって、まるで花火大会から帰る駅までの道くらい混んでるよ?

 人を掻き分け進むのは大変で、思うように逃げられない。


 がしっと、右腕をつかまれた。

 ひぃーーーーっ!な、何のイベントなの!

 学校行事で、班行動逸脱した上に、男を逆ナンしたと思われつるし上げられる?

 無実、無実!

 悪役令嬢懲らしめるイベントとか、まだ早いでしょ!4月だよ、4月!1年生の4月で破滅してどうする!


「よかったぁ、見つけた!」

 え?

 腕をつかんでいる人の声、これ……。

 顔を見ると、田中くんだ。

「た、田中くん……」

「白川の姿が見えなくて、焦ったよ」

 ああ、田中くんだ。

「探してくださったんですね……ありがとうございます……。私……スマホの充電が切れてしまって……どうしようかと……」

「うん、電話もつながらないから、皆心配してた」

 ほっとして、緊張が抜けたからか、いまさらながら振るえが来た。

 カタカタと小刻みに震える手で、田中くんの袖をつかむ。

「ほかの皆は、白川が来るかもしれないからって、予定通りの場所に移動したよ。行こうか?」

 田中くんが背を向け、歩き出した。人ごみに押されて、つかんでいた袖が離れた。

「あっ」

 また迷子になっちゃうっ!

 そんな恐怖心が沸くか沸かないかってとこで、ぎゅっと手を握られた。

 田中くんの顔が見えた。

「これだけ混んでると、また迷子になるといけないから……」

 男の子と、ネズニーで手をつなぐなんて……。

 うわー、うわー。

 手に汗出ちゃうよっ。

 冷静になろう、冷静に。

 私が迷子にならないようにって、それだけなんだよ?田中くんは。

 いや、むしろ……、6歳の妹さんと同じ扱い?

 そうだよね。迷子になるなんて、6歳の子と変わらないもん……。

 って、思ってるのに、なんだか手にじわっと汗が……。ど、どうしよう……。


「あ、始まっちゃったみたいだね」

 え?

 田中くんが、見ている方向に顔を向ける。

 ああ、パレード。そうだ、この時間はパレードを見る予定だったんだ。

「あの辺りで見る予定だったけど、合流は難しそうだなぁ……。終わってから、合流しようか」

 パレードを見ようとする人が集まってるからこんなに混んでたんだ。

 合流予定の場所は、パレードが通過する通路の向こう側。

 確かにパレードが終わるまでに合流しようとすると、とても遠回りをしなくちゃいけない。それなら、パレードが通り過ぎてから合流したほうがよさそうだ。

 田中くんが、私の手を離した。

 ここで見るなら移動しないし、手を離しても問題ないんだけど……。

 もうちょっとつないでいたいなぁなんて……。

 

 また迷子になったらどうしようって、人ごみがちょっとトラウマかもしれない、私……。


 イベント会場をみっきゅんとはぐれて1人で回るのはぜんぜん平気なんだけどな。

 うん、この人ごみ、コミケ会場だと思えば、たいしたことないよっ!

 ……うう、ううう、だめだ。リア充率の高いネズニーをコミケ会場だと思い込むのは無理がある。

 無理なんだよっ!

 なんか、全体的な服装の色が違うんだっ!

 夏コミは全体的に白っぽいし、冬コミは黒っぽいんだよ!

 こんな、赤、青、黄、緑、パステル、って華やかな色が目に飛び込んできたりしないっ!

 それに、頭の色の黒率が低いよっ!コミケは黒率が相当高い。ここは、茶色に黄色と黒以外の比率が3割は超えてそうだ。

 ……。む、無理。ここはリア充たちの集う夢の国……。

 ぶるぶるっ。

 アウェーです、アウェーなのであります!

 1人にしないでーっ!


 田中くんは、スマホをズボンのポケットから取り出し、電話をかけた。

「白川と合流できたよ。パレードが始まったみたいだから、終わってからそっちに行くよ」

 簡単に報告を終えると、スマホをポケットに戻し、私の手を取った。

 え?あれ?また手をつないでいいの?

「もう少し、パレードが見やすい場所に移動しよう、せっかくだから」

「あ、はい」

 移動ね。移動。

 移動するときは、手をつながないとはぐれちゃうからね。

 ……。


 しまった、手汗を拭いておくんだった……。


お読みいただきありがとうございまっす!

ふはー。ちゃんと恋愛小説だよね?え?まだまだだって?

というか、大本命がまだ出てきません。

って、大本命って何だ!内緒です。


さて、夏コミで画像検索すると、人ごみが白っぽいです。冬コミだと黒っぽいです。そして、夏 ディ○○ーランドで画像検索かけると、カラフルです。明らかに違います……。


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