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第一話 私の名は璃々亜。悪役令嬢らしい

ツイッターでとある作家様が「乙女ゲーム悪役令嬢物を書いてみる」というつぶやきに「じゃ私も」と思いつきに書き始めたものです。短編用のオチを用意して書き始めましたが、なぜか連載に……。流行のジャンルを自分で書くとどうなる?というツイッター上で生まれたある種の企画物です。ゆるーい目でご覧いただければと思います。

 昨日は確か、誕生日だったはずだ。

「おめでとう!っていうか、めでたいかな?そろそろめでたくもない年だよね?」

「あはは。そうだけど、ありがとうみっきゅん。しかしまさか、この年になってもイベント(同人誌即売会)に行ってるなんて出会ったころには思いもよらなかったね」


 そんな会話をしながら、高校からの親友みっきゅんと、ファミレスで誕生会兼イベントの戦利品反省会をしていたよね?



 何が起きた!

 今いるのは、オタ度ゼロの乙女チックな見知らぬ豪奢な部屋。鏡に映っているのは、金ボタン付ブレザーとチェックのひだスカートに身を包んだ縦ロールのJK(女子高生)。

 疑問符を浮かべると、鏡の中の縦ロールも首を傾げる。

 待て、やめてくれ、私の行動の真似をするのは!まるで、鏡に映っている縦ロールが私みたいじゃないか!

「まさか……ね?」

 口を動かすと、鏡の中の縦ロールの口も動く。

 やだ。何これ。誕生日を祝ったドッキリ?高校生に若返ってうれしいなーとか?美人でグラマーになってうれしいなとか?

 いや、でも縦ロールはないでしょう。縦ロールは。

 そんな私の頭の上にひらりと一枚の紙が落ちてきた。



 戸川芭琉(故)へ

 超人気の乙女ゲーム「私立学園花乱舞」の世界へ転生させてあげたよ。嬉しいよね?

 悪役令嬢として高校三年間、破滅フラグを回避するだけで、その後は楽しい人生が待ってるよ!楽勝でしょ?

 BY神様



 落ちてきた紙を持つ手が震える。

「な、な、な、なんですってぇ~~~~~!!!!!!」

 故って、私、死んだの?

 「嬉しいよね?」って何だ!嬉しいわけあるかーっ!いくら超人気のゲームっつったって、やったことないっての!

 オタクを十把一絡げにすんなよ!

 あたしは、逆ハー乙女ゲーにはまったく興味ないんだよ!

 オタク暦15年。BLオンリーなんだから!(ドヤッ)

 友情根性物をBLフィルターで見るのが何より楽しいんだ!(キリッ)

 「楽勝でしょ」って、楽勝なわけあるかい!まったく知識ないんだよ?どんなイベントがあって、何がフラグになるかな分かんないのに、どうやって破滅フラグを回避しろっていうのよ!


「何とかしないと……」

 ラノベ知識によると、悪役令嬢に転生っていうと、ヒロインを苛めて破滅パターンだよね?例外的にヒロインに嵌められて破滅ってのもあるけど。どちらにしても、ヒロインの攻略対象に関わるとろくなことがないんだよね?

「三年間引きこもっちゃえばいいんじゃない?」

 何だ、楽勝じゃん!

「あああーーーっ!」

 だめじゃん!いっくら破滅フラグを回避したって、高校も出てない引きこもり女子のその後の人生どうなるの?

 就職進学全滅じゃん。自ら人生の破滅に向かってどうすんだ!

 それに、万が一破滅を逃れられずに、破産一家離散とかになっても、中卒女子はアルバイト探すのだって大変だよ。同人誌一冊買えない人生になるなんて……。

「ありえない……」

 引きこもりは駄目だ……取り合えず、今できることからしよう。


 まずは、悪役令嬢っぽさを演出しているこの縦ロール。こいつを成敗してやる!

 悪役令嬢から一番遠い髪型って何だろう?ツインテール……はツンデレ娘で口が悪そうだ。ポニーテールで髪の毛をつると、目が釣りあがって意地悪そうになる。お団子頭は、この髪のボリュームじゃきびしい。

 そ、そうだ、あれだ!


 完成した髪形を鏡に映してチェックしていると、ドア越しに声がかかった。

「璃々亜、準備はできたかい?入るよ」

 うおっ、この声は「バスケの王子様」のライバル高竜玉学園のしっかり者キャプテン”藤堂寺都”にそっくり!

 も、もしかして、この乙女ゲーのキャラクターの声優と同じとか?

 ドアを開けて入ってきたのは、イケメンである。

 私が身に付けているブレザーと同じデザインの制服を着ていることから、同じ高校だと思われる。

 理知的な目鼻に、さらさらの髪を勉強邪魔にならない程度の長さに切りそろえている。眼鏡こそかけていないが、真面目な風紀委員か生徒会長といった雰囲気を持つ男だ。


 って、誰?

 破滅フラグイベントが分からないのも困るが、そもそも、家族や友人、自分自身についてもまったく知識なしってどーしろっていうのよ!

 あれか?記憶喪失のふりでもしろってか?

 ……病院、やだなぁ……。

 えーい!オタクとして長年培われた想像力で何とかしてやろうじゃないの!


 ここは、私の部屋だよね?

 璃々亜って呼ばれたから、それが私の名前でいいよね?

 都キャプテン声のイケメンは、親しげに名前を呼んで部屋に入ってきた同じ高校生。

 普通に考えれば家族だよね。イレギュラーで従兄弟と同居とか、気心知れた幼馴染ってパターンもあるけど……。

「お兄様?」

ご覧頂ありがとうございます。

「バスケの王子様」などの作品タイトルはすべて架空の作品であり、似たようなタイトルの作品とは一切関係がございません。作品内作品もすべてオリジナルで設定しておりますので、二次創作には当たりません。(似たタイトルの内容を知っている方には全然違うとお分かりいただいているかと思いますが、ご存知ない方には、誤解を与えてしまいかねないというご指摘がございましたので、ご報告させていただきます)

また、著作権や商標権など十分注意しておりますが、問題があるような部分がございましたら教えていただけると助かります。

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― 新着の感想 ―
[良い点] この作品はなろうで一番好きです! 書籍化後しばらくしてから、読み始めたため購入と言う手段で応援できないのが残念です。 りりあのかわいさや攻略対象者のキャラだちが私の中ですごくつぼで、グサ…
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