恐怖!謁見の間!1
黒髪の少年が姫に特殊メイクを教えてから暫くして、黒髪の少年は王から呼び出しを受けた。
討伐に関することと判断した黒髪の少年は騎士服を纏い、城へと向かう。黒髪の少年が呼び出される用事は今まで討伐に関する事が大半を占めていたため、黒髪の少年はそう判断していた。
街中は姫の誕生日が近い為にいつもよりゴブリンやゾンビを模した人形が飾り付けられている。
てるてる坊主みたいに……。
どこを見てるか分からない死んだ魚のように光を宿さず、瞳は左右で違う方を見ているなど不気味さが増すという状態にある。
黒髪の少年はそっと見なかったにしながら、歩いていく。
城の門に飾られた睨みあうトロールキングとゾンビキングの像。
門には数多のトロール、ゴブリン、ゾンビが刻まれており、開かれていく門にまるで魔王の城にでも向かうみたいだと黒髪の少年は毎度思う。
城内入った黒髪の少年はいつも以上に賑やかなの城内の様子に首を傾げる。
姫の誕生日が近いとはいえここまで浮かれている様子は不思議に思う。
そして、黒髪の少年の今まで経験が警笛を鳴らす。
誕生日の朝にゴブリンのぬいぐるみが隣で目を見開いた状態で寝ていた前日に感じた悪寒、ゾンビの群れを討伐した帰りに村人に袋叩きにされそうになる予感が討伐に出る前からしていたように。
這い寄って来るナニカ。溢れるどろどろとしたナニカ。
この世界に生きるモノ逹が喜色を浮かべるナニカ。
黒髪の少年はこの後自分が関わるであろうナニカに恐怖する。
そして、その危機察知は既に遅いと黒髪の少年は理解していた。
黒髪の少年は謁見の間に続くゴブリンの群れの石像が並ぶ廊下を歩みながら、覚悟を決める。
無論その覚悟が呆気なく砕け散ることを理解しながら。