悪魔との戦い
ジメジメとした梅雨の終わり頃の夜中のこと
ジメジメと寝苦しい空気。
時計を見れば3:00。
トイレから戻って、再び眠りにつこうとする。
「カサカサ、カサカサ」
キッチンから聞こえる。
私は、時代遅れの携帯電話を握り締め、シンクを照らす。
ヤツだ。
親指大の黒い悪魔。
私は一時撤退。
鬱陶しいほどにたまったチラシを数枚束ねた最終兵器。
幸い敵はシンクにいるので、いつもの武器を用意する。
1500円程度で買った電気ケトルに静かに水を注ぐ。
スイッチをいれること1分程度。
「カチッ」
静寂を破るスイッチ音。
お湯が沸いた。
私は再び、シンクを照らし悪魔の存在を確かめる。
ターゲットを確認。
左手には携帯電話の明かり。
脇腹に抱える最終兵器。
右手に握る電気ケトル。
躊躇なく慎重にターゲットの頭上から熱湯を注ぐ。
命中。
悪魔は悶える間もなくひっくり返り、お湯に流される。
終わった。
私は手に持った日用品を片付け、悪魔をゴミ箱へと葬り去る。
永遠に続くであろう戦い。
次もシンクに現れてほしいと思い、眠りにつく。