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閑話:ハイエルフ誕生秘話 中編前半

一日に二回投稿して本当に疲れました………最後の休日に何してるんだって自分で思います、12時から書き始めて気づいたらこんな時間です

 「起きてくださいキュラエス様………ってあれ?」


 朝起こしに来たメイドが膨れているベッドの掛け布団を勢いよくめくると大きな枕が入っておりその枕に紙が貼り付けてあった、内容はこちらを馬鹿にしている以外の用途がまるで解らないもので「馬鹿が見る」とだけ書いてあった、こめかみを引き攣らせながら身体を震わせていると突然左肩に手を置かれた。


 「………こんなことして楽しいですかキュラエスさむぅ」

 「ええ、とても楽しいわ」


 こんなことをするのは、というよりキュラエスの部屋でこんなことできるのは他でもないキュラエスのみなので後ろを振り向きながら言いかけた言葉はキュラエスの右手の人差し指に頬が当たり変な言葉になって終わった。それでも立場的に自分よりも上のキュラエスを怒鳴るわけにはいかず怒りを市づめ混んでいるとキュラエスのその奇抜な服装が目に留まる。


 「…あの、その裸の方がマシな服装は一体?」

 「何を言っているのよ、誰がどう見ても過去に例をなさない最高の服装に違いないわ」


 そうですねとメイドは言いながら半目でキュラエスを見つめるがその目が痛くなる奇抜な服装のせいで長い間直視することができず目をそむけてしまう、勝ったとか呟いている自分の雇い主に頭痛がしてきたメイドはそのまま朝の食事を済ませるために食堂に向かう。朝は食べないキュラエスはメイドが出ていくのを見つめると外の見回りのために外に出かけるため脱いでいた靴を履き小さく口の中で言葉を呟くと頭の中に町全体を上空から見ているような光景に視界を変える、町の中は至って平凡であり特にこれと言って変わった要素は見当たらなかった、自分の昼ごはんの材料を買っているメイドを見かけたのでそのメイドと自分の思考を繋げた。


 「そこの貴方手をあげなさい、不審な真似をしたら殺すわよ」

 『えっ………!? そ、そんな…!』


 自分の知っている反応と違い慌てて両腕を上げるメイドに頭に疑問符を浮かべる、自分の屋敷のメイドに間違いなく、自分を知っているメイドに執事なら呆れながら馬鹿な事するなと文句を言ってくるのが何時ものやり取りだが、自分が見ているメイドは悪乗りで付き合っていると言った様子にはとても見えず本当に死の瀬戸際に立たされているようにうかがえた。

 メイドはついに泣き出してしまい商品を入れてある籠を下に置き両腕を上げ続ける少女に客の困惑、または物珍しい物を見たような目線が集中する。やりすぎた、何時ものように軽い調子で行った冗談が行き過ぎたことを悟ると急いでそのメイドの目の前に現れて泣き出しているその小さな頭を優しく撫でる。


 「ひっ………くっ…ってあれ? キュ、キュラエス様?」

 「ごめんなさい、ちょっとやりすぎたわ」


  キュラエスに仕手は珍しく人に対して素直に頭を下げる、明らかにちょっとばかりではないがそのメイドは両手で自分の顔を隠すように勢いよく振る。


 「あ、謝らないでください! 良く解らないんですけどキュラエス様は悪くありませんよ! 私さっき急に襲われたんですけどその人もいなくなったし大丈夫です!!!」


 その言葉を聞いて騙す相手が悪かったんだと気づき下げていた頭をもっと深く下げ始めるキュラエスに慌てながら頭を下げるメイドという奇妙な物が生まれたがその2人、というよりキュラエスを見て周りで面白がっていた、または不思議そうに見ていたいくつもの視線が外される、また何かキュラエスがしたという事を悟った為皆自分の用事に移った。


 「あっ、あの私他にやることがありますから!」


 そう言い未だに頭を下げ続けているキュラエスを見て食材を買いにどこかに走って行った、足音が聞こえなくなると顔を上げて後味の悪い感じを狩りでもして適当に晴らそうと前に座っていた切り株の場所に転移した、見回りついでに狩りをするため自身の手に銀色のロングボウを出すとそれを素早く背負い直し道を歩こうとすると自分の背後の方から叫び声が聞こえた、普段自分たちが使用している言葉ではないことに気づきそちらの方に歩むと数匹のナーガに襲われている神父を見つける、その神父は見ただけで後数分も持たないと解るほど出血しておりそのナーガ達から逃げている、素早く地面をはいずって移動し1匹のナーガがその鋭い爪で止めを刺そうと降り下そうとした瞬間ナーガの両腕に弓矢が命中する、突然の痛みに鳴き声を上げるナーガののど元にもう一つ鋭い矢が命中する、先ほどまでの威力とは明らかに違うものでその矢が首にあたるとそのヘビのような人間のような顔を上空に舞い上げると重力に従い地面に落ちた、突然の事で狼狽している残りの5体のナーガの首が一斉に飛び上がる、急に自分たちを追っていたナーガ達の首から上が飛ぶという衝撃的な光景に驚きを隠せない神父は目をつむりながら胸元の銀の十字架を掴み祈り始める、自分の近くにいたナーガの首から噴水のように赤い血が勢いよく噴出されておりそれを震えながら受けている神父に迎いキュラエスは歩み寄る、突然の足音に身体を大きく震わせた神父はそちらに顔を向けると安心したような笑顔を浮かべた。


 「おお、なんと美しい………貴方は神の使いか?」

 「どうせなら神と間違えなさいよ、女神みたいに美しいでしょ」


 ハハハと笑う神父は途中でむせて血を大量に口元から吐き出す、持って後数分と判断したキュラエスはもう返り血なのか自分の血のせいで赤くなっているのか解らないもう破れてあまり面積のない元は白と黒を織り交ぜた服を見ながら質問する。


 「………ねぇ、貴方死にたくないでしょ? 何なら助けてあげても良いわよ」

 「それは本当ですか! 神よ貴方の慈悲深いゲホッ!」

 「取りあえず感謝するのは後にしなさい、元気な姿でお祈りしてくれた方が神様も喜ぶでしょうし」


 そう言い笑っている神父に向かい右手を向けて呪文を口にする、キュラエスの手のひらから黒い闇のような物が出て神父に向かう、恐怖心を抱くが自身の恩人の行いなので自分に大丈夫と言い聞かせて目をつむりながら赤く汚れた銀の十字架を握る、だがそれも一瞬の事で一瞬自分の瞼から通して見える光が消えたと思ったら身体から痛みが消えており恐る恐る目を開いて自分の姿を確認するが、服の布が破れていて殆ど裸に近い姿という事を気にしなければ元通りと言えた、そう殆ど裸なのを除けば。


 「な!? 目を瞑っていただきたい名も知らない神の使いよ!」

 「…私神の使いじゃないわよ? 後裸なんて気にしなくて良いわ、ダークエルフはあまりそういうのを気にしないから」


 同族でありながらダークエルフすべてに喧嘩を売るような発言を神父に向ける、それなりの経験があるのか顔を赤くしたり必要以上に戸惑う様子はないが慌てている事は目に見えて解ったので右腕を神父に向けて払うと右腕から先程のように黒い影が現れて神父を覆う、そして姿が見えたら全身金色で出来た神父服を着ている神父が登場した。


 「…命の恩人にこういうのは気が進まないんだが、その、もっとまともな服装にしてくれたら助かる」


 「ごめんなさい今ので魔力を使い果たしちゃったわ、それで我慢して頂戴」

 息を乱すといった演技さえせずにそう言ってのけるキュラエスを呆れた目で見るがその後我に返ると慌てながら膝を地面について十字架を両手で掴みキュラエスに向ける。


 「ありがとうございました、貴方のおかげで私は救われた」

 「べ、別に貴方のためにしたわけじゃないんだからねー、勘違いしないでよねー」


 明らかに棒読みでそう言うと後ろを向き見回りに戻ろうとするキュラエスの左足を神父は両腕で勢いよく抱き着くがそんな事気にせず神父を引きづりながら森の中を歩き続けるキュラエス、ある一定以上の距離を歩き朝から昼になり屋敷に戻ろうと歩みを止めて足元を見る、顔を土で汚し小さくとがった石で顔を切ったのか切り傷ができていた、服装はキュラエスが作った物なため見た目はふざけているようにしか思えない悪趣味な物だが強度は高く土で少し汚れている程度ですんでいた、手で軽く叩けば何の問題もなくその金色を太陽の日が当たる場所に行けば発することができるだろう。


 「………何かよう?」

 「お、お礼をしたいんです、私は命を助けてもらったは良いがまだ何も貴女にできていない、これは神の教えに反する行為だ」


 そう言うと力なく腕をキュラエスの足から話すと神父は木の棒を広い足元に魔術式を書き始める、その魔術式がまだ自分の知らない物であると知ったキュラエスは興味深くその魔術式の完成を待つ、3分ほどで魔術式は完成しその魔術式の中で軽く呪文を唱えるそうすると魔術式から光で出て神父の両手の上に浮かび上がる、その光から強い光線のような強い光が周りに発せられキュラエスは両目を瞑り目を右手で当てて光を遮った、神父の手のひらには分厚い本が置かれており残り少ない魔力で唱えることができて胸をなでおろす神父からその赤く分厚い本を奪い取るとキュラエスはその本をその場で読み始める、本を開くと初めに神の教えなどが描いてあることから聖書だと解るが魔族である自分が知ることのできない光の呪文に対する事が書かれていると判断するとそれを凄まじい勢いで読みふける、あまりの速さの速読に神父は唖然としてそれを見つめるが取りあえず喜んでくれたことは解り再度安心した神父に向かい褐色の右手が伸ばされる。


 「ねぇ、次の本は?」

 「ま、まさかもうあの量を読んだのですか?」

 「多少は読みごたえがあったわね、それより違うのを頂戴」


 その言葉を聞き違う視点から書いてあったり年代、言い伝えがある聖書を魔術から生み出す神父、自分の所属している宗教の聖書であるなら神父に僧侶は全て魔術から生み出すことができる、まだ知らぬ人々に教えを広めるためにそう言った魔術式を協会が作った為である。

 何十冊か読み神父が肩で息をしているようになりようやくある事が気になったキュラエスは神父を見る、疲れているが気にする事は無くそんな神父に向かい疑問を口にする。


 「…ねぇ、気になったんだけど私一応魔族なのよ? なんで聖書だしたりしてるのよ、普通もっと敵対心抱かない?」


 そう聞くと顔を大粒の汗で一杯にしている神父が笑顔を浮かべながらキュラエスの黄金の瞳を見つめる、黙るだけで何も言わない神父に興味を失ったのか聖書を魔術で自身の寝室に飛ばすキュラエス、その様子を見守っていた神父に再度顔を向ける。


 「貴方運が良かったわね、私は人の言葉も理解しているから良いけれど他のダークエルフなら会話はできなかったわよ」

 「ハハハハハ………前から幸運だけが取り柄でしたから、これも神のおかげですよ」


「そう」と言いながら興味な下げに歩き出すキュラエスに見とれていたがその後に彼女から離れたら危ないと気づき慌てて追いかける。



 ナーガに追われ死の瀬戸際に現れた奇抜な服装のダークエルフ、銀の長く美しい長髪で綺麗な力強く澄んだ黄金の瞳を見てその時神父は思った、人や亜人と変わらず魔族とも分かり合えるかもしれないと、少なくともあの瞬間は本当にキュラエスが神の使いに見えたのだ。

続きは明日投稿します、何かこういう物語と関わりが無い話は途中で区切ると私は気持ち悪いと思いますから

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