神殿の清掃活動
なんと言いますか、結構酷い出来になってしまいました、戦闘描写が無いと気合が入らない………
『ふむ、速く移動するぞリティ、私は外の世界を見てみたい』
「えっと、それは無理ですよ、私ここに掃除の依頼で来てるから………」
アイアンソードの形状をしたグランディアから発せられるクロウベルの声を聴きながら自身の用事を伝えるクロウディアから「後に回せ、私がやる」と聞こえてくるが初めて依頼らしい依頼を受け持ったのだ、自分の力でやり遂げると固く心に誓っているリティはクロウベルから発せられる言葉を無視しながら道を歩んでいく、大きなツタが柱に力強く絡まってるのでグランディアを掴みそれを振るうと切れる感触すら与えず一刀両断した、自身の行いに目を丸くするリティにこんなことでグランディアを使うなと声を出すクロウベル、何時もの自分ならツタと言っても自身と同じぐらいの横幅をしているので4、5回は斬撃を繰り返えさないと切れないだろうとされる物を簡単に切断できた、今自身が手にしているのは一般的な大剣のアイアンソードの形状をしているがれっきとした聖剣という事を改めて味わう。
『そんなことせずに私に任せろ、ツタどころかこの神殿を新品同然に直してやる、何なら作り直してやっても構わないぞ』
「嫌です、というか魔族のクロウベルさんが神殿作るって問題があるんじゃ…」
先程まで饒舌に回し続けていた舌を止めるクロウベルに呆れ返るリティ、頭の中に声が一々反響し煩いのでブツブツ呟くのをやめてくれて嬉しいという気持ちが生まれる中これが最恐と言われているのが信じられない気持ちに陥る、確かに強力だ、最強と言われてもおかしくないだろう。だが最恐とは思えなかった、話していたが礼節を弁えているし力づくで行動をすることもない、多少上から目線で言動を行うが魔王と呼ばれていた身ではあるから納得もできる。そこら辺のチンピラの方がよほど怖いし性質が悪い、一度凄まれただけで泣きそうになった経験がある、その時は運よく仲のいい友人がいたから助かったが、あのまま助けがなかったらと思うと身震いする。
今だって自分の精神を操り体を乗っ取れば外に行ける、なにより先程殺していれば自由の身なのだ、それをしないクロウベルにひょっとして悪人ではなのではないか、考えが頭の中を駆け巡る、神殿の掃除を終わらせてから話せばいい事ではあるので一旦その考えをやめるが、未だに一人でブツブツ呟いているクロウベルを痴呆の老人かと思う反面、部下の人達は苦労していたんだろうなぁ…と考えながらツタを切り、ほこりや汚れを気を使い熱を発したグランディアで焼いたりしながら道を歩んでいく。
『…ほんの少しだが私が手を貸してやっても良いぞ? 魔力がないのを察するに魔法の類を行使できないのだろう』
その言葉を聞いた途端に歩みを止める、クロウベルは何気ない気持ちで発言したが魔力が無いというのは本来ありえない事だ、この世界に生を持って生まれた生き物は全て少量の魔力を持ち気をその身に宿している、個体差は確かに存在するが『無い』という事はありえないのだ。
特異体質、生まれながらにしてあるものが無い者、それが故にGランクになったと言っても過言ではないだろう。確かに身体能力だけでAランクに上りあがった者も少なからずいる事にはいる、だがそれは特別と言われている人間で―――自分は違う、生まれてこの方魔力という物事態を経験したことが無い、ついさきほどまでだが。
「………た、確かに使えませんけど、私には、私のやり方があります…クロウベルさんに手伝ってもらわなくても結構です」
少しだけ怒気を含んでしまったことに後悔するが言ってしまったのだからしょうがない、自身のずっと気にしている部分を触れられてしまい八つ当たりしてしまった事に悔いながら変わらず掃除をしながら歩いていく、クロウベルはいろいろ言いたいことがあったが今言ってしまっては邪魔になると思い口を閉ざす。
「そんなに焦らなくても大丈夫です、日が沈む前には終わりますから」
その言葉を聞くやいなや『本当だな!』と叫びだし頭の中を声が反響し続ける中「ええ」と笑みを浮かべながら答えるリティはクロウベルが恐怖する対象ではなく子供に対する印象を抱いてしまっていた。
薄暗い闇の中で自身の体を動かしながら何か問題が生じてないか確かめる、手を握り締めたり開いたりし誤差がないことを確認すると座っていた体制をやめて立ち上がり何もない広い空間を力を抑え、魔力や気で強化させない状態で全速力で駆け抜ける、現実なら間違いなくその速度から生じる真空波や鎌鼬で地面に建物、そして身の回りにいる生物を切り裂くが封印されている空間にはそう言った懸念がないのか自身が踏みしめている地面に傷らしい傷がついている後はない、何より全力で走ってなお綺麗な形を保っているという光景が初めてなので観賞していると声が反響する。
『クロウベルさん、その………煩いから静かにしてください』
「済まない切るのを忘れていた」
『えっ切るって何を―――』
何か言いかけていたが精神を繋げていた魔力でできた黒い色をした細長い糸の様な物を消すと同時に一つの仮説を立てる。恐らくこの空間に終わりはない、全力で走りいまだに壁という物が見えてこないのでほぼ間違いないだろう、現実なら世界を何周かしている頃だ。
魔眼を発動させ両目共に綺麗なオレンジ色から黒一色に変わり調べるが結界をグランディアと同化させているので壊すにはグランディアを壊すのと同義という事を理解すると強度は高く並大抵の行いでは壊れないと思うと安堵の溜息を漏らす。
「力を抑えていれば壊れる心配はなさそうだな」
封印されてから意識無く眠っていたクロウベルは要約封印された自身を取り巻く結界の全貌を把握する、体も概ね良好と言ったところでフェアとその仲間たちと遊んでいた時からさほど劣化はしていない。
外の光景を見ようと試みるが結界が邪魔をしてみることができない、仕方なくリティの心に黒い糸のようなものを繋げると外の景色を確認することができた。視界はリティの目から見ているのと同じ光景しか見ることができないようだが五感もある程度認識できる、太いツタを切っているようだが体の動きがなっていないと意識するがあまりそれを指摘はしない、態々言うようなことでもないし言ったとしても即座に理解はできないだろう、できる様ならもう少し力量がついているはずだ。だが軽いアドバイス程度はしておこうと思い指摘する。
「リティ、あまり頭を動かせるな、重心を意識してだな」
『す、すいません………今少しつらいから話しかけないでください』
気づくと息を荒くしながら大剣を振るってたリティにその体力の無さからクロウベルは飽きれ顔をしてしまう、魔力で体を強化するなどができないリティは普段の生活でも無駄な体力を消費している為余計に体力の消費が激しいのだが普段から気に魔力を封じているクロウベルからしたら別段特別な事でもないので特に何も思わないが、体力が少ないと言うのは事実なので魔法を発動させ糸状の魔力を通しリティに行使する、息が乱れていたとは思えないほど体力が回復し元気の塊の様なものが湧き上がってくるのを感じ戸惑うと同時にリティは目の前に誰もいないのに頭を下げる。
『あ、ありがとうございますクロウベルさん!』
「余り気にする事ではあるまい、礼を言われるより速く終えてくれた方が私としても嬉しい物があるんだがな」
『解りました! 元気を充電し終えたんで張り切って掃除しますよー!!!』
結界の中を大きな声が反響して耳に入るので鬱陶しく思いながらリティの行動を見守る。
エルフの族長からかりた掃除道具であるホウキを手に取ると先程までの怠慢な動きを微塵も感じさせないほど機敏な動きで掃除する、結局リティが落ち着きだしたのは日が暮れた頃でその頃にはすでに掃除は終わり新品とまでは言えないが前に比べたら十分綺麗なった神殿が出来上がっており、無理に体を酷使したせいで若干筋肉痛になったリティは目を潤ませながらハイエルフの族長に掃除が完了したことを伝えに若干足を引きづりながら歩き出す。
私は基本的になろうに限らずラノベや漫画の前書きに後書きは読まない方なんですけどこういうの読んでる人多いんでしょうか、特に面白くもないのですが読んでもらえてると嬉しいとは思います………自分は読まないんですけどね