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隠れんぼ

どうもー、ようやくこの二人を出せました!!! ………まぁ例のごとく地の文は少ないんですけどね

昨夜早くにベットに入り就寝したにもかかわらずいかにも疲れたと言った様子で肩を回しながら村の中を歩き回る、その動作には歳相応の若々しさが無く老人と言われてもおかしくないが外見がどう見ても子供なので年寄り臭い子供と周囲には見られるだけですむ。


 「………行きづらいなぁ」

 『気にし過ぎではないか? この調子だと精神面も鍛えなくてはいかんな』

 (気にしすぎじゃありません! クロウベルさんからしてみればGランクもAランクも同じに見えるかもしれませんけど一般的にGランクの依頼を失敗するなんて事はありえないんですよ!!!)


 心のなかでこらえきれなかった事から八つ当たりをしてしまい言った後にりティは後悔したが当のクロウベルはさほど気にした様子もなく「そんなものか」と一言呟いたのが聞こえたので特に気にしていないと感じこの事を考えることをやめこれからの事に気を向ける。


 あの後薬草が無いことに気づき探しまわったが激しい戦闘の後で周りに生えていた薬草は全滅しており顔を青くさせながらギルドに戻り失敗の有無を伝えると引きつった顔でご苦労様でしたと言われ心が折れそうになるのを耐えて道具屋に付きまた伝えると何時もは口うるさいカルミィも一言ありがとうと言っただけで商売に戻ったのを見てそのよる枕を涙で濡らしたのを思い出しまた泣きそうになるがこらえてギルドに入る。

 室内から発せられる様々な視線を感じ萎縮しながらGランクの依頼が貼ってあるボードに着いて見るとハイエルフの里の依頼が目に留まる。


 『これはどうだ、面白そうだと思うんだが』

 (えっと、隠密とか得意じゃ無いから無理があると思いますよ?)


 そうリティが言うとクロウベルは数秒押し黙りリティに向かい問いかける。


 『…リティ、時々思うんだが私のことを舐めてないか? 私がその気になればお前は誰からも気づかれない存在になることも可能なんだが』


 他の誰か、というかクロウベル以外がそういったならば何を馬鹿なと笑い飛ばすことが出来るがこの男なら本当にやりかねないと思い今更ながら自分が何に守られているかを確認するとその依頼書を手に取り受付嬢の所にまで歩いて行く。

 周りにいるギルド員の誰かがリティの足を引っ掛けて転ばせようとするが行動に移そうとした瞬間に死の感覚がその身を襲う、誰かに威圧されたわけでもなく、殺気を向けられたわけでもない、ただ体が動かず喉に剣先を向けられているような感覚に恐怖する。


 (ダメだ、今こいつに手を出すと殺される)


 何も感じないのに体が止まり死すら覚悟するほどの恐怖に混乱しているとリティが通り過ぎた後で体がようやく自由になりその場に崩れ落ちる。

 その音に周りが驚いているとリティが駆け寄り手を差し伸べる。


 「だ、大丈夫ですか…?」

 「あ、ああ大丈夫だ」


 そういうと男性はリティの手を掴まずに自力で立ち上がり外に歩いて行く、騒然としていた周りが男性が立ち去ったことにより小さな話し声が所かしこに巻き起こる中リティは心配したように男が立ち去った扉を見つめる。


 (…怯えた目で見られたんですけど、クロウベルさんなにか知りませんか?)

 『覚えはあるな、私がまだ幼い頃に歩いていると良くああいったことが起こった、理由までは解らないが一時的なものだから安心するといい』


 懐かしそうにそう言い放つクロウベルに特別何かをしたわけではないと解るとそれ以上考えるのをやめて再度受付嬢の所に持っていく、どこか優しい目をした受付嬢に受託してもらいハイエルフの里に向かうために馬車を呼ぼうと歩き出す時に思い出しクロウベルに問いかける。


 「そういえばクロウベルさん前に私をカルミィさんの所のまで一瞬で送ってくれましたけどあれってもっと遠い範囲でも出来ますか?」

 『出来るが、なんだ飛ばして欲しいのか? 私としては馬車でゆっくりと行きたかったのだが…』

 「馬車だってただじゃないんですよ………」


 そう言いながら愚痴ると気づいたら周りがハイエルフの里の中にいて本当に一瞬だと思っていると村長の家に向かい歩いて行く、一度来た場所で、そこまで広い訳でもないので比較的に簡単にたどり着くと一応ドアを数回叩き返事があるまで待つ。

 数秒まつが返事が無いためもう一度ドアを叩いてみるが今度も返事がなくドアを開けて中に入ると一人の女の子が茶色いソファの上で眠っていた、ハイエルフらしい特徴的な長い耳と白い肌を見て思わず同性でありながら見惚れるがクロウベルがそれをみて口を開く。


 『…ふむ、どうやら寝た振りをしているな、恐らくこちらを警戒してのことだろうが』

 (えっ? それはおかしいですよ中に入るまで私達かどうかわからないじゃないですか、里の誰かだと思ってドアを開けると思いますよ)

 『ハイエルフには相手がハイエルフかどうかある程度の距離にいると解る、だからお前が人間だと解り警戒しているのだろう』


 そこまで聞きリティは警戒する理由がないと思い反論しようとするがある事に気付き冷や汗をかく、自分達は一瞬でこの場所に来たのだ、魔力を大量に身に宿している者ならそうは警戒しない、問題なのはそれをしたのが魔力を見に宿していない見た目が普通の女の子だという事だ。ある一定の距離がどこまでかわからないが一瞬でただの人間が里の中に現れたら普通は警戒される、というかしない方がおかしい。


 (………クロウベルさん、何で里の外にしてくれなかったんですか、クロウベルさんならどこから悟られるか解ってたんですよね)

 『何故と言われてもな、特に理由は無いが………それぐらいのことだ特に問題はあるまい』


 そこまで聞いて価値観が違いすぎると思い会話を打ち切る、少しクロウベルと共にし気づいた事ではあるが、相手が平均より強いか弱いかまでは解る、ただ細かいことまでは解らないのだ、どこまでが通常より異常で通常のことなのかと言った事が曖昧すぎて解っていない。


 『お前を弱い人間だと見てわざと隙を晒しだしているのだろうな、何か怪しい行動を取ったらその場で捕獲、最悪多少傷付けるぐらいには考えているだろう』


 そう聞いて取り敢えず警戒をどう解こうと悩んでいると目の前の少女が寝た真似をやめて起き上がってリティの顔を見つめる、今さっき起きたばかりとは思えない顔つきに本当に眠ったふりをしていたんだと思っていると声をかけられる。


 「良く私が寝た振りしてるって解ったね、人は見た目で決めるなって言われてるけど本当なんだ」


 そう言われて何故気づいたのか考えているとあからさまに呆れた声が頭の中に響き渡る。


 『何も行動をせずにじっと見られて考えこまれたら普通は気が付く』

 (解ってるならなにか言ってくださいよ…)


 実際言ったら今度は表情に出し慌てるが目に見えていたため言わなかったがそれを言わずクロウベルがあえて黙るとリティの目の前にいる少女はリティを訝しげに全身をくまなく見る、自分から見ても隙だらけで魔導の一つでも唱えたら簡単に束縛出来そうな相手に何か違和感を感じていた。


 (なんだろう…何か良く解らないけど、怖い)


 明らかに目に見えて弱者だと解る相手が怖い、目の前でただ見ている割には普通の弱気な少女なのだがいざ敵として見ると言い寄れない恐怖が少女を襲う。処刑台を見て入る分には平気だが、ふとそこに自分がいて斧を持った相手に今か今かと首を切り落とされそうになるのを想像するような、そういった感覚を感じているとドアから一人のハイエルフが入ってくる、リティが後ろを振り向くとそこに村長がいて何とかこの場の空気を変えられると思い直し話しかける。


 「あの、私依頼を受けて来たんですけど…」

 「ああまた貴女が………いえ今回は私の娘のことでして…」


 そういうと少女の方を一瞥する、少女はそれで出て行けと言われていることを悟り素直に部屋から出て行き改めて感謝していると申し訳無さそうに村長がりティに言う。


 「その、実はですね娘が森に一人で出歩いているのが心配で…最近のことなんですが仲間の一人が襲われていまして、犯人も捕まっていないんですよ」

 「そ、それは心配ですね………解りました私が娘さんを森に生かせないようにしたら良いんですね! どこにいるんですか?」


 そう聞くと申し訳無さそうにリティの方を見る、その視線に見覚えがあるので一体何を言いたいのか理解した、お前で大丈夫か、目でそう言われているのが解り即座に返答する。


 「私の事は心配しないで大丈夫ですよ、どんな人が相手でもかすり傷ひとつ負わずに倒してみせますから!」


 そう言うといかにも慣れていないと解る無手の構えをとり拳を数回素振りさせる、その姿を見て不安しか感じない村長だがリティ本人にしてみれば本気でそう思っていた、とは言ってもリティの力量では無理なので今回もクロウベルの力を借りようと思っていたが。


 (クロウベルさん力を貸して欲しいんですけど…)

 『私は一向に構わん、こういったことで私が動くのも今のうちだけだしな』


 あの日から何かと体を鍛えられてきたリティはから笑いしか返せなかった、現にいまの力量でもゴブリン一匹程度ならなんとか出来るとクロウベルは理解していた、ただそれでもクロウベルからしてみれば微々たるものでそれで満足してもらう訳には行かないが、ただそれでもリティは強くなったという手応えを初めて感じたのでそれを思い出し一人思い出し笑いをしていると目の前の村長から異常者を見るような目で見られていることに気付き慌てて答える。


 「と、とにかく大丈夫です! それでお子さんはどこに…」

 「恥ずかしい話森に出かけております、私自身見張っていたいんですがやることが多くて…」


 愚痴の話になりかけた自覚があったのか一度咳払いをしてからリティに任せるように言い仕事があるからと言って自室の方に歩いて行った、その言葉を聞いて家から出て森に行きどうしようか考えているとクロウベルが声を上げる。


 『………思い過ごしかと思っていた、が、間違いないな』

 「どうかしたんですか?」


 そう返事をするととても面白そうに小さく笑い声を出しこちらの話を聞きそうにないと思い直感で探そうと思い直すと遅れてクロウベルから返事が返って来る。


 『リティ、現代では魔族というのは廃れた存在であり逸話の世界に存在する者という認識であっているな?』

 「それであってますよ、中にはまだ魔族はいて何らかの機会を待っているとか言う人もいますけど」


 そんな陰謀論をあげていたら切りがないので例外とすると世間一般の考えは確かにそうだ、だが何故あえて今ここでその話をしてくるのか分からず戸惑っているととても楽しそうに笑いながら上機嫌に語りかけてくる。


 『喜べリティお前はとても運が良いぞ、なんせ現代産の魔族を見ることが出来るのだからな』


 その言葉を聞き驚きのあまり大声を出すとクロウベルから煩いと言われ音量を気にしながら周りを見る、ハイエルフが襲われたというのならば、話の流れからしてそういう事なのだろう、魔族に今のでバレてないか周りを探ると馬鹿にしたような笑い声が反響する。


 『クックックッ、やめておけ当に知られている、私が解っているという事は向こうはもっと前から解っているということだ』

 「普通は逆何じゃないんですか? 強い人のほうが解るのが自然だと思いますけど」

 『逆だ、強い者は確かに力を感じることにも長けている、だが相手からすると巨大な力を感じるのだ、どちらが解りやすいかは言わなくても理解できるだろう?』


 なるほどとリティはクロウベルの言いたい事を悟った、ようは様々な雑音がするなかで鈴の音を聞き分けるのと同じ状況かではあるがどこかで大爆発したような音、どちらがより聞き分けることが出来るかといった話だ、クロウベル・フレイムという特大の爆発音に気付かないはずがないと言いたいのだろう。


 『いかに力を封じているとしてもこれは感覚的な問題だ、同族にしか解らない………故に既に見破られていると解るのだ』

 「そ、それならもう既にいなくなって逃げ去っているんじゃあ」

 『それはまず言ってない、恐らく生まれて間もないのだろうあまりにも希薄だ、恐らく戦闘の経験も無い、ならばどうすればいいのか分からず混乱している頃だ』


 これからどう動けばいいのか同じく戦闘経験がないリティは焦るが既に体はリティの意思では動かせることが出来ず、いつもの様にクロウベルがかわり行動を移す。








 「あ、あああああ………!!!」

 「おいどうしたんだよ! 大丈夫か!!!」


 突然体を震わせてその場にしゃがみ込みまともに言葉を話せない女性にカリナは心配して両手で肩を触り体を揺らす、それでも何も答えられずに元々白い顔をさらに白くし白紙のように真っ白に染まるとカリナを手でどかして震えながら立ち上がる。


 「逃げて…! 殺されるかも、いや殺されるから!!!」

 「今から行動を移してなんとかなると思っているのか、やはり圧倒的に経験が浅いようだな」


 今の今まで少し離れていた所にいた今まで感じたこともない巨大な力を身近に感じて体を盛大に震わせながらそちらの方を振り向くとカリナと変わらない少女がいた、だが見た目が幼いからといって何一つ安心出来ない、逆に見た目しか安心できる要素は無かった。


 ただ近くにいる、それだけで今まで感じたことのない恐怖が体を支配する、もう勝つか負けるかでは無いのは当然ながら死ぬか生きるかですら無い、アレの目の前で立っていられるかどうか、一切の魔力や気を出さずただ存在しているだけで圧倒的な暴力として君臨するその姿はまさに同族である女性からしたらこの世界に存在して良い生物なのかという絶望感しか思う事が出来ない、思考が固まってしまうほどの恐怖。

 その少女が自分に向い歩み寄る、その動作一つ一つが既に死刑宣告にしか見えず体を両手で掴み震えるとカリナが少女の歩みの前に立ちふさがろうとするが体が動かない、何故女性が自分が知っている少女にそこまで怯えているのか分からなかったがなぜか少女の歩みを止めることが出来ない。


 何故そこまで過敏に怯えているのか口を開こうとした瞬間に女性がリティに怒鳴りつける。


 「く………! ようやく、ようやくあそこから逃げられたと思ったのにもう追手が来るなんて…カリナには手は出させない!!!」


 女性は隠し持っていたダガーナイフをりティに投げつける、それをりティは指ではさみ地面に落とす、この瞬間女性の運命は決まった。


 「ふむ、この私に同族でありながら刃を向ける事が出来るとは…中々やるではないかハーピーの赤子よ、まぁ今回ばかりは相手が悪かったがな………自分が誰に歯向かったのか教えてやるとするか」


 その言葉を聞いて頭で考えるよりも早く翼を広げて自身に出来る全速力でカリナを抱いて森の中を駆け巡る。


 「なるほどかくれんぼか、懐かしいな私も小さい頃は良くクレアとランにベリネットの四人でしたものだ………」


 そう笑みを浮かべながら十秒数えてから二人の後をゆっくりと追う。

いやぁ何と言いますか最近暑くて嫌になります、このまま行くと真夏の7月と8月は一体どうなるのか不安です………

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