気づかない奇跡
どうもー、いやぁようやく戻ってきましたよ私は、ただひとつ言うとしたら久しぶりだからとても文章がうまく掛けない………まぁ元々駄文だったんですけどね
窓の黄色いカーテンの隙間からほんの少し小さな光がこぼれて薄暗い部屋の中を小さく照らす、一本の細長い光の線の右側に老けた老人に見える男性が立っていてその男性の目の前に男性より二回りほど若そうな女性が立っていた、二人は薄暗い部屋に似合うような暗い笑みを零しながら話し合う。
「最近王国の騎士たちが騒がしいな、何をしているんだろうか」
「なんとか経費を落としてパレードをしようとしてるんじゃない?」
「本当にそう思ってる?」
そう男性が聞くと女性はまさかと言って意地の悪い笑みを浮かべながら首を横にふる、そして近くにある豪華な椅子に机に座ることもなく立ったまま言葉を続ける。
「貴方も聞いたんじゃない? たしか騎士の一人が死んだとか…、たった一人死んだだけなのに極秘扱いしてるし多分かなり重要な何かを握ってたのよ」
「ああ、確か名前はなんだったか………そうだ思い出した、アレックスとかいう新米の騎士じゃなかったか」
演技でもしているような胡散臭さが漂う話し方をする男性に向かって女性は明らかに作ったとわかるような笑みを浮かべてカーテンの隙間を除く、外ではいつもこの時期なら行われるパレードの準備をしている光景はなくただたんにいつもどおりに人が慌ただしく道を歩いてゆく。
「………ねぇ貴方、とても胡散臭いと思わない? いつもの号令のパレードをやめるなんて、しかも理由が経費削減だなんて…」
「あの自分の腹を肥やすことしか考えてない馬鹿共がそんなことするわけないからな、パレードをしたほうが金が懐に入るし」
国民の税を軽くするという政策が行われているがそんなのは表向きの住民に対するパフォーマンスなのは政治に精通している者なら一発で分る、それを隠れ蓑にしてパレードをやめるということは何か隠さなくては行けない事実があるという事がすぐに分かる、しかも極秘ということは下手をしたら市民から暴動を受ける可能性があるという事でもある。
「ねぇ、そんな国がどうしても隠していたい情報って知りたくない?」
「知りたいな、しかしそんな都合よく聞き出せるはずがない」
「じゃあメリィを使いましょうよ、確かアレの友人にあの狂戦士がいるはずだし」
「おお! うまく行けば聞き出せるかもしれんな! 流石アビーだ」
わざとらしく手を叩きながら提案するアビーに男性もまたわざとらしく驚いて大きな声を出した、そんな彼らの立っている近くの椅子に座り黙って紅茶を飲んでいた若い女性がしびれを切らして声を賭ける。
「………お母様にお父様、私とてもお聞きしたい事があるんですけどよろしいでしょうか」
「ん? どうしたメリィ、聞きたいことがあるなら言ってごらん?」
そう何時ものようにわざとらしく笑う父親と母親に飲み終えた紅茶を机の上に置いて胸に手を置いて小さく深呼吸すると凛とした目で自身の両親を見つめる。
「---技と娘の前でそういう事を仰らないでください! 事あるごとに何時も何時もそうやって私の前で………一々やり方が周りくどいですわ!!!」
「…何を怒ってるんだメリィ、大丈夫か?」
「そうよ少し落ち着いて」
明らかに自分が急に発狂して戸惑っていると言った演技をする両親に対し若干怒りがこみ上げてくるベルナンドだがそれはいつもの事なので言うほどの怒りは無く、どちらかというと怒りよりは徒労感の方が大きいだろう。それよりも自分に何一つアリスが相談というなの愚痴を零しに来ない事を考えるとパレード中止の理由は相当に深刻な問題なのだと理解できた、だから闇雲にかき回したくは無く自ずと自分から相談、または解決した後の事後報告を待っていたがしびれを切らした両親が騒ぎ出したのを見ると自分が思っている以上にことは深刻なのだと理解した。
「ハァ…それで私に何をしろと? 言っておきますが私は親友を信頼してますわ、この件には関わりません」
「えー、いいじゃないかメリィそこを何とか」
「………何時もながら素が出るの早すぎますわお父様」
顔の割に言葉使いに精神年齢も幼い父親に呆れると椅子から立ち上がり部屋から出ていこうと歩く。
「あら、どこに行くのメリィ」
「いい天気ですから少し散歩に行ってきます、帰りは少し遅くなりますので昼食は結構ですわ」
そう言うと二人を置いて屋敷を出て行く娘を見て二人は先程の用な作った笑顔ではなく本当の暖かさを持った笑みを浮かべていた。
一人で街の公園のベンチに座って先ほどまでの二人の周りくどい忠告について思考に入る、あそこまでわかりにくく、ある意味では分かりやすく手助けしてやれと言われては関わる事はしないと決めていても気にはなる、何時もながら変にお節介で鬱陶しい二人の事を考えてため息の一つでも吐きたい気分に陥っていると自分の横に小さな物音が聞こえた、そちらを振り向くと6歳か7歳程度の男の子か女の子か分からない幼い顔立ちの子供が座っていた、その子供が変にベルナンドの顔を笑顔で見つめてくるので先ほどまで考えていた事を一旦中断して周りを見渡す、大人はいるにはいるが全て固まっていて親同士で話し合っているのが見える、子供は全員砂遊びかかくれんぼをして遊んでいて好き勝手に遊んでいるのが伺えた。
「あら? 皆と一緒に遊びませんの?」
「うん、なんか疲れちゃったからさ」
そういうとその子供は足を空中で動かして暇そうに遊び始める、確かに体型は細く活発に動いていそうな子供には見えないので疲れて休憩しに来たんだろうと思いその子供から視線を切って一人考え事に集中しようとすると服の裾を引っ張っられる。
「ねぇ何かお話しようよ、ボク暇だからさ」
「お話ねぇ………貴方のような子供が面白がるお話を私あまり知りませんわ」
そう言って会話を打ち切ろうとしてもその子供は裾を引っ張るのをやめないので仕方なく相手を仕様と笑顔でいる顔を見つめる。
「んー、ボク結構難しい話にもついていけるよ! 友達のクレアから普段そういう話聞いてるから」
子供の難しい話とは一体どれぐらいの事を言っているのだろうと微笑みながら聞く、恐らくは少し難しい勉強とか少し大人ぶって難しい事を言っているだけだろうと思いながら自分にもこういう時期があったと思い出して温かい気持ちになりながら会話を合わせる。
「例えば普段どういった事をそのクレアちゃんと話してるんですの?」
「そうだねぇ、最近聞いたのだと空が青いのは太陽の光が関係あるとか………」
「太陽の光? 意味がわかりませんわ………空が青いのは水の精霊達が高いところを好きで漂っていてその魔力のために青いんでしょう?」
「ボクも難しいことはわからないんだけど、なんかそれを言い出したのが協会の偉い人だからとかなんとか…よくわからないや!」
協会の偉い人、確かにこの世界の常識と言える事を決めているのは少なからず協会の関係者が多い、しかしそれがいったい何の関係があるのかわからず考えていると子供の言うことを一々考えていても仕方がないと思い直し新たに会話を進める。
「他にはどういったことをお話に?」
「えーと………この世界とは別の世界が存在するとか?」
「いわゆるパラレルワールドのことについてお話してるのね…でもアレは存在しないとされてますわ」
「確か証拠は魔力を使って魔法が使えるからとか…ボクもよくわからないけどイメージの固定で生じる現象でその弾みみたいなのが出来るとか…」
魔法のイメージでの弾み? そこまで専門的な話が子供の口から出ることに驚きを隠せず目を丸くしてしまうベルナンドだが確かにそれならあり得る話ではある、協会がパラレルワールドが存在しないと発表する前にあると言っている学者がいた事を思い出す、確か魔法の一つは魔力で創りだした一つの世界でそこには命も法則も何もないが世界を魔術式でつくろうとしたら確率的には不可能に近いがゼロではないと言い出していた者が、結局妄言を吐いた無能な学者とされて忘れ去られいたが。
「ということは私達が普段から使っている魔法はひとつの世界の可能性を一変に集中して出来た物だと?」
「難しい事はわからないよ、ボク頭悪いからさ」
そういってどこででも見かけるような子供の笑みを見ながら考えていると隣に座っていた子供が突然ベンチから立ち上がって公園の入り口を見ながら手を振る、何かと思いそちらに目を移すとひと目でアルビノとわかる肌と髪色をした目の赤い少女がこちらに向かって歩いてきていた、子供の目の前にたどり着いて何故か苛立ちを隠そうともしない表情で子供を見つめる。
「…アンリ、こんなところで何してたの勝手に出歩かないでよ心配しちゃうから」
「ハハハハハ大丈夫だよクレア、ボク今は何もしてないから、ねぇお姉ちゃん」
突然自分に話をふられたので戸惑いながら「ええ」と返すとその少女はベルナンドの全身をくまなく見つめる、高い服を着ているから小さな女の子から羨望の眼差しを受けることはあるがそれとは違い何かベルナンドの体に異常がないかどうか確かめているような印象を受けた。
「………貴女運が良いって言われない?」
「え、ええ確かに親友からは悪運が強いと言われますが………」
そう言うと目の前の小さな少女は小さく笑うと何故か「うんうん」と言って一人頷いている少女に気になったことがあるから問いかける。
「そういえば友達のアンリ君? ちゃん? から聞いたんだけど魔法がひとつの世界とかなんとか…あれはどういう意味ですの?」
それを聞くとアンリを目を細めて睨みつけるクレアと呼ばれた少女に対しアンリはただずっと笑みを返すだけで数秒がたつと少女の方が折れてベルナンドに向けて口を開く。
「………私は魔導より魔術一つの方が完成された物だと思ってるんだけど理由はわかる?」
「2つが合わさった魔導の方が便利何じゃないの?」
「一般的な魔導は矛盾してる、魔法と魔術を一つの式で組み合わせて使うなんてことはとてもバランスが悪い、それはわかる?」
まるで出来の悪い生徒にどうやって教えようか悩んでいる先生の用な態度に多少ながらイラツキを覚えるが事実この少女と自分の間には埋まらないような溝がある、そう自然と自覚できたから変に子供から馬鹿にされてるというような怒りは湧いてこなかった、ただ上から目線で物を言われることに慣れていない為苛立ちはあるが。
「…これは後でお仕置きだからねアンリ」
「えぇ、それはちょっと勘弁してよクレア、ボクは難しいことは覚えてられないんだよ」
「分かってた、アンタが私の言ってることを正しく理解してないなんてことは、その腐った頭じゃ無理だろうから」
「少し待ってくださらない?」
そう言って帰ろうとする二人を呼び止める、ドサクサに紛れて帰ろうとしていたことがバレたからか面倒くさそうにこちらを見てくる少女に先ほどの会話を続ける。
「貴女は魔導は不完全だとおっしゃりたいんですの?」
「違う魔導は不完全じゃない、一般的な魔導が不完全なの、無理に一つの術式で収めるんじゃなく術式を2つに小分けした物を合わせて一つにすれば安定もするし使う魔力も大幅に減らせる………まぁそんな大掛かりなことするの私達と大賢者ぐらいだけど」
そういうと面倒くさそうにベルナンドに言葉を進めるが普段から両親のわざとらしい演技を相手にしているからかその動作がすごく胡散臭く思えてきた、まるで面倒臭い事にしておいてこの場を速くさりたい用な、そんな感覚を味わうが目の前の少女がまだ幼い事を思い直しあり得ないと考えようとするが捨てきれずにいる、自分よりも頭のいい子供が普通の子供なのだろうか、その考えが一瞬浮かぶが友達と遊ぼうとして来たらよくわからない年上の女の人にしつこく話しかけられたら嫌に思うだろうと思い直し話をきりやめる。
「友達と遊ぶのを邪魔してすいません、ですがとても楽しいお話をしてくれてありがとうございます」
「………別に良いよ、ただの子供の与太話に付き合っただけだと思ってるから」
「私のほうが年上なのですが…」
ベルナンドがそう言うと笑いながら「そうだった」と言って帰ろうとする、すると先ほどまで黙っていたアンリがベルナンドに向かって手を振りながら大声で叫ぶ。
「お姉ちゃん次会ったら白くして上げるからねー!!!」
「白く………? よくわからないけど楽しみにしてますわ」
言っている事がよくわからなかったが子供特有の大人の言っていた言葉を間違えて覚えてしまった事だと思い深く考えもせずにそう返すと少女達が公園から出て行くのを見届けるとパレードが中止された事をどう調べれば良いか考えてとりあえず何時も巫山戯たことばかり言っている自分の親友が頼りにしている小さな童女にダメ元で話を聞きに行こうと歩き出す。
今回はなんと言いますか、少しいらない話が多くて読みにくいと思います、まぁ何時もなんですけども………でてくる少女一人と性別不詳の一人が次はなしに出ることはかなり先のことだと思っているので一旦忘れてもらって良いです、あくまで予定ですけどね、なんせプロット無いので…
空が青い理由を海から太陽にしました、太陽の光が海に当たりそれが反射して空が青くなると昔教科書で読んだ覚えがあったので勘違いしていました………昔の記憶はあてにならないものですね