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とある少女の小さな決意

どうも、皆さん元気ですかー! ………はい明日の学校の授業までに起きれるか心配の私です、気づいたら4時間たっちゃいました、な、何を言っているか解らないとは思ry

 はいこの後すぐ寝ます私は、それでは駄文ですが楽しんで行ってください

 それは一瞬で起きた、スレイヤがまさにリティのか細い首にその白く太陽の光を反射する鉛色の剣が届く瞬間に、それを悟ると同時にスレイヤは攻撃を無理やり中止させ後ろに跳躍する。


 「ん? どうした絶好のチャンスを自ら手放すようなことをして、余裕のつもりか?」


 絶好のチャンス? 何を馬鹿な、内心そう吐き捨てるスレイヤ、あのまま続けていたら間違いなく自分は殺されていただろう、それを思わせるほど死の感覚が強く迫ってきていたのを感じた、長年培ってきた経験でそう理解した。


 「………まいったな、スイッチが入ったら豹変するタイプか」


  これまで幾らかの猛者と戦いあってきたスレイヤはそう推理する、前にも何人かいたが戦う前はそこら辺の一般人と変わりがないのだが、一度腹をくくると豹変して冷や汗を感じる程の猛攻を仕掛けてくるタイプである、一番じゃないとはいえかなりやりにくいタイプではある。


 「ふむ、それでどう攻めてくるんだ? 私に貴様の力量を見せて欲しいのだが…」


 そう言い背後にあるアイアンソードを構えなしに言い放つリティを見て内心舌打ちをする、明らかに格が違う。ウサギの皮を被った狼だと思ってはいたが、狼どころか百獣のライオンが出てきたような感覚を味わう、触れてはいけない相手に触れてしまったのだとこの時認識できたがもう動き出してしまった戦いは終わらせられないだろうと思い直し自身の手にある得物を構え冷静に相手を分析する。


 (それにしても、まるで隙が無い)


 武器を手に取らず腕を下げ、無手の構えもせずその場に微笑みながら佇んでいるリティ、どう攻めても自身が叩き潰されている未来しか想像できないと同時に目の前にリティが現れた、驚愕と同時に後ろに跳ぶが数ミリも変わらず自身と同じスピードで先ほどの距離感のまま微笑みながら跳躍するリティ、あまりの技量に唖然としかけるが剣を斜め右からリティに向けて抜刀する、だがそれも紙一重でさけられるが続けてけりを横から放つ、スレイヤの右けりに手を乗せると自身の体を浮かせ蹴りに一瞬飛び乗ると地面に降りてけりを交わす、その間に体を一回転させ横から剣を振るうが下から上に掌底を放つ、見かけからは信じられないほどの力が込められていると認識すると同時に手から剣がはじけ飛ぶ。


 「…これで終わりなのか? なすすべがないなら剣を取りに行くことを許可するが」


 舌打ちをすると同時に剣がある場所まで瞬時に飛び手に持つと再び構えてリティを睨みつける。

 ―――強い、間違いなくこれまで戦ってきたどの相手よりも強い、そう認識すると同時に冷や汗が全身から溢れ出す、過去にもあった、絶体絶命と思う状況が、ある時は国の騎士団に追われ、ギルドのAランクから初めて狙われたときは死を覚悟した、だがそのどれよりもまずい状況だという事は理解していた、これまでの状況は何とか勝てる相手、もしくは逃げ延びることができる相手なんだが、目の前の少女からはどちらも無理だという現実しか味わう事ができない、気の扱いにたけ、身体能力ならこちらに分があるがそれ以上に経験と技量に差を感じた。


 「…ふむ、この私を前にして考え事をするとはな………」


 気づいたら先ほどのように目の前にいるリティに右手に持っている剣を左斜め上に向けて切りつけるが当たる直前で姿が消える、勢い良く振るった剣は空を切り体制が崩れようとするがそれを持ち前の身体能力で防ぎリティの気を探る、ある程度遠い距離でも感知できるはずだがまるで感じ取れないと思うがそれと同時に体からオレンジ色の魔力を放出する、その魔力の量はあまり多くなかったが体から発する気を塗りつぶして魔力に力技で変える、その白い肌から湧き上がるオレンジ色の面積が徐々に増えていくとそれを自身の体と剣に纏わせる。剣を一度鞘に入れて目を瞑り集中する。


 (さぁどこにいる………絶対に何処かにほころびがあるはず)


 強者と戦える歓喜からか、それとも恐怖からか震えそうになる右手を気合で止めて剣の持ち手を掴む、気を消して周りと同化するというのは特別難しいことではなく、その一段階上の周りと気や魔力の波長を合わせるという行為は才能に努力をした者にしかできない芸当と言える、それを先程の少女はしてみせたがあの少女にはそれを行う上で欠かせない物が欠けていた。

 魔力がない、その一つでこの行いの難易度は何十倍にも跳ね上がる。生きている者には魔力がある為植物にも無論魔力は存在する、建物などの無機物だらけの街や村、更地など砂漠ならいざ知らず大自然に囲まれた森の中でそれを行うことはほぼ不可能と言ってもいい。必ず何処かに魔力による違和感があると推測しそれを探すために周りに集中するが一向に見つからない。


 (何で? いくら腕が立つと言っても魔力がないリティにそれを維持し続ける事は不可能なのに…)


 額から一滴の汗が流れて顎から落ちる、なおも変化が無い森の様子に苛立ちを感じるがそれを必死に抑え込む。この程度で焦っていては薄い勝機をつかみ取ることはできないと解っているから、そうしていると前の方から突然草を踏んだような音が聞こえて反射的にそちらに向かい目を開けて跳躍し剣を向ける。


 自らの失策に気が付いたのは目を開けてそちらを見た時に気づいた、そこにはリティの姿は無く少し大きめの石が落ちているのを見て初歩的なミスを犯したことを悟った。目を閉じていたせいで物音がしたのをついリティが草を踏んだからだと思ってしまった、それについて悔やんでいると突然視界が暗くなり後頭部に激しい痛みを感じる、何が起きたか解らないスレイヤは状況判断の為思考に入ろうとするが暗い視界が突然晴れて視界が回復する。目の前から遠ざかる小さな左手を見て自身が前方に跳躍した瞬間にこちらに向かい高速で接近し左手で顔を掴み自身の身体を後ろに倒したと決定づけたスレイヤは素早く飛び起き後方に跳躍しリティから距離を取る。


 「………本当にやってらんないよ、君強すぎない?」

 「ん? これでも一応手は抜いているんだがな…そうか、まだ足りないか」


 小さく頬を引き攣らせながらスレイヤはリティに軽口を叩くがそれを聞いて真顔で残酷な言葉を継げるリティ。

 それを聞き自身の想像が半場的中していた事を理解したスレイヤは力強く目の前の見た目だけはか弱い少女を睨み付ける。


 「それにしても何であんなに完璧に周りに溶け込めたのさ、言っちゃ悪いんだけど君魔力無いよね? それともそう見せていただけかな」


 自分で言っておきながらその線は薄いと予想していた、確かに目の前で玩具で遊んでいるような笑みを浮かべている少女ならやりかねないが、本当に魔力が無いのだろうと感じていた。根拠は無く勘だけでそう思っていたが思った通りに目の前の少女はいかにもと言いながら言葉を繋げる。


 「確かにこの身に魔力と言える物は無い………が、無いなら周りの魔力を使ってしまえば良いだけだ」

 「………ホント君って色々詐欺だよね、見た目はいかにも無力な子供なのにさ」


 実に簡単なように言ってくるがそれがどれほどの事なのかはある程度魔道に精通している者なら解る。生物とは言っても意志を持って動く動物と意思はあるが弱い植物となら後者の方が魔力を借りて戦う事は難しい事だがある程度知識があり力量があるならそう難しい事ではない、―――魔力という物を認識できていればの話ではあるが。

 まず基本として周りの魔力を扱うと言う事は前提に置いて魔力と言う物を理解、または扱えなければできない、魔力を身に持たないリティがそれを行うことは不可能と言えることで間違いなかった、自分の魔力を使わずに周りの魔力を扱うと言う事は耳が聞こえない人に読唇術を使い相手と言葉で会話をしろという難易度に匹敵する事だろう。それを軽く言われて動揺しない方がおかしいのだがスレイヤは目の前の少女ならできると確信していた。


 「さてどうする? 諦めて武器を捨てるならこれ以上の追撃はやめておくが」

 「…良く言うよ、そうして欲しくないって顔に書いてある癖にさ」


 そう言いながら目の前の化け物に向かい切りかかるがリティはそれを手で剣の腹に触れて軌道を逸らす、一般人、一般的なギルドのBランクですら何が起こったか解らない間に死に至る死神の鎌と言えるそれを手で触り逸らし続ける。リティの意地の悪い笑顔に釣られてかスレイヤの顔の小さな笑みができあがる、その顔を見たリティはスレイヤの腹部に掌で掌底を行う。その威力に耐えるため気で自分に行える限界の強度をしている足腰に力を入れて地に踏ん張るが地面を足がえぐりながら後方に激しく飛ばされ一本の木にぶつかり止まる。

 ぶつかった衝撃と掌底の威力から口から大量に吐血する、それは草と土からできた緑と茶色で出来た地面を一瞬で赤黒く染めて自身が来ている服装も色を赤黒く染めた。


 「がぁっ…ホント、やってられない」


 そう小さく口の中で吐き捨てるとスレイヤは剣を白旗のように上に上げて右左に振る、本来鉛色のそれは白い光を発して白旗に見えたのだろうがスレイヤの吐血のせいで赤旗にしか見えないものになっていた、それを確認したのと同時にリティ、クロウベルがリティと入れ替わると急いでスレイヤに向かって駆け出す。


 「大丈夫ですかスレイヤさん!!!」

 「………き、君さぁ…これみて平気だと思うの?」


 先程までの雰囲気が消え去り自分を本当に心配しているリティに対して小さく笑うと血まみれの手を自分の服の血でぬれてない面積で拭ってから拳を作ってリティの額に弱く押し当てた。


 「おなさけでだけど、一発返せた…かな?」

 「えっと、その………す、すみませんでした…」

 「ハハハハハ…裏表が激しいってレベルじゃないね君の場合」


 そう小さく笑いながら言うとむせて口から血が吐き出される、明らかに見ていて死にかけているが魔術を使えない自分に傷の回復は不可能なのでどうしようか意味もなく周りを見回しながら考えていると目の前の半死人状態の女性は軽い動作で立ち上がり体の節々を動かす。


 「………うん、なんとか身体は動かせるかな」

 「えっ!? う、動けるんですか!? いかにも死んじゃいそうなのに」

 「君不思議な事を言うね、自分で致命傷にならないように工夫したんでしょ? 臓器は傷ついてないし明らかにわざとやってるよね」

 『勝負を挑まれたのはお前だからな、私が挑まれていないかぎり無益に殺しはしない』


 そうならそうと初めから言って欲しいとクロウベルにツッコミを入れるが何も言わずに無視されて終わる、頬を膨らませているリティを見てスレイヤは軽く笑いながら片目を瞑る。


 「私もそれぐらいは解るよ、あまり年上をなめないで欲しいかな」


 若干怒っているという言動を自分の悪戯がばれたせいだと勘違いしたスレイヤはこちらに向けてそう言い放つ、訂正しようにもした後に納得させられる理由が無いので否定したら素直じゃない子供ととらえられるのがオチだ。


 「それで私はこの後どうなるの? やっぱりギルドに引き渡されて終わり?」


 そういうスレイヤの顔はどこか諦めたような、ここで逃げられるはずがないので抵抗をしていないように窺えた、一般的な盗賊の末路など殺されて死ぬと決まっている、ギルドにこのまま連れて行ってもそこらの無名のコソ泥程度ならいざ知らずスレイヤのような名が通った有名人なら死刑は確実だろう。クロウベルが暴れた後の始末をどうするか迷っていると赤く光る指輪に視線が行く、吐血のせいで若干輝きが衰えているが綺麗に光るそれに見とれているとスレイヤはそれを外してリティに向けて差し出して来る。


 「これでどう? 私まだまだやることがあってこんな所じゃ捕まっていられないんだよね…できたらこれで見逃して欲しいなー………なんて」


 そんなつもりで見ていた訳ではないとこちらに薄く笑いながら、しかし瞳は笑わせず語りかけてくる女性に言おうとした瞬間に頭の中に声が響く。


 『貰っておいた方が得策だとは思うがな、それなりに力を持っている指輪ではあるしなによりそれで取引が行えるからな』

 (でもこんな高そうなもの貰えませんよ! それに私はこんな物貰わなくても…)

 『リティ、お前のその思いはとても美しい物ではある、だがそれで相手が信用するかと言えば別の話だ、指輪を貰ったから見逃すといった方が自然な流れだろう? 無償で見逃すと言われるよりは安心ができると私は思うがな』


 胸の中で葛藤が起こるがどう考えてもクロウベルの言い分の方が正しいと理解できる自分がいる、それに悔しいと思い泣きそうになるがここで泣いたらスレイヤが混乱してしまうため必死に我慢し潤んだ目で笑顔を作りスレイヤから差し出された指輪を掴む、それを見たスレイヤは安心した表情に変えると安堵から来る優しい笑みでリティを見つめる。


 「いやーごめんね? もっと対価にふさわしいのもあるんだけど今はそれぐらいしか持ってなくてさ」

 「いえ大丈夫です! 私この指輪気に入りましたから!!!」


 これ以上の物など貰えないし、この指輪を気に言ったことも事実な為そう力強く断言するとスレイヤは満足そうに微笑みながらその場から凄まじい勢いで駆けだしてリティの視野から消え去って行く。

 スレイヤが目の前から消えたから気が緩み涙を溜めこんだ瞳から大粒の涙を流し鳴き声を押し殺す。


 『………私には理解できんな、貰えるなら貰った方が特だろうに、しかもそれで丸く収まるのだから』

 「私は、そんなつもりじゃなかったんです………これを貰ってしまったせいで物々交換みたいになっちゃいました…」

 『…?それの何が不満なんだ』


 そう聞くクロウベル、グランディアを地面に無造作に叩きつけるとグランディアを殴りつける、連続で殴りつけるからかリティの両手は赤くなり見るからに痛そうに見えるがその拳を止めることなくグランディアを殴り続ける。


 「クロウベルさんは違うかもしれませんけど私は指輪とあの人の命が同等だとは思っていません! 指輪は確かに綺麗だし強力な力が宿っているんでしょう、しかしそれで命と釣り合うなんてありえません!!!」

 『………リティ、お前が思っているより命は軽い物だ、今のお前にそれを理解しろというのは酷な話だろうが時期に理解する時が来る』

 「………そんなの解りたくないですよ」


 長い時を過ごし命のやり取りなど頻繁に行い常に死が隣りあわせだった自分には理解できないがリティの価値観を否定しきれない自分がいた、彼女の言っている事は完全に綺麗ごとで理想でしか無い夢物語だが自分が無くしてしまった何かをまだ持っているような気がしたから。


 『………だが私はお前の発言が全ておかしいとは思っていない、そのまま強く、そして生き延びていけるならそれはそれで見物ではあるな』

 「…厭味ったらしい言い方ですね、良いですよやってあげますよ! 私は私のまま強くなります!!! せめて私の目が届く範囲を助けられるぐらいには!」

 『クックックッ………本当に面白いなお前は、リティ、お前と知り合えて良かったと私は今思えているぞ、光栄なことだ誇って良いぞ』 

 「………それはどうも」


 一応お礼は言ったが何一つ嬉しくなく、逆に怒りすら抱くその言葉を軽くかわして地面に置いてあるグランディアを背中にかけ直して疲れた体を引きづりながらギルドに向かって歩き出す、先ほどまでの涙と激しい戦闘のせいで吹き飛んでしまった薬草など無かったかのようにして。

 どうしてか会話文を多めにしちゃいます…もっと地の文を大目にしたいんですけどねー…次からはちゃんと意識して書いていきます

 ところで皆さんこの名言知ってますかね、明日やるって言ってるやつはいつまでもやらない、何故なら明日は永遠に来ないのだから、良い言葉ですよね

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