村に起きた小さな異変
どうも、何時もより速い投稿なんですが理由があります、実は来週なんですが個人的な理由で新しいのを更新できなくなります、ですから何時もより早めに、そして大目に書いたので許してください
瞼の裏から白く淡い光が漏れているのを感じ目を開けるとまだ寝ぼけた頭に鳥の鳴き声が入ってくる、いつの間にか寝ていたことを自覚すると何時寝たのかを考えるために昨日の事を振り返ってみた、夜クロウベルが髪留めのゴムで遊んでいる事までは思い出せる、だがその後がどうしても思い出せない、忘れている事なので大したことではないと思うが何か釈然としないものを感じる、何か衝撃的な物を見た覚えはあるがそれが何だったのか思い出せない、掛布団を除けてベット出て立ち上がり部屋を見回す、これと言って何も変化はなく家具が移動している、または壊れている等の異変は無い。そこまできて夢でも見たのだろうと思い直すと体がかゆく感じて身体を掻いているといると思い出したが昨日は寝る前に風呂に入っていない、着替えもしていない為神殿で掃除をしたときやオークを撃退したときの汗で気持ち悪く感じる、鈍い動作で服が掛けられている棚の戸を開き服を着替え始める、着替えながら眠った時の事を思い出せないことを考えているとゴムを弄っていたことは知っているのでその後すぐに眠ってしまったのだ、そしてそのあと夢を見てその内容と現実を混ぜてしまった、寝ぼけている時特有の感覚のせいだと決定づけてタオルを持ち浴槽に向かう、廊下に出た所で空を見上げると太陽がちょうど真上に昇っていたのを見て昼近くまで寝ていたことを自覚すると薄い金色の長髪を右手でかき階段を下りる。古い木でできた階段特有の何時壊れるかわからない物音を聞きながらゆっくりと量を下りるリティ、まだ寮に入ったばかりからかその階段の音に慣れず恐る恐る一段一段下がる。
ようやく3階から1階に降りて浴槽に迎い歩いていく、普段なら何人かすれ違うのだが昼という普通の一般的な人ならすでに働き出している時間だからかそう言った事は無い。そのまま風呂に付くと女風呂の方に歩くと男風呂から足音が聞こえた、こんな時間に珍しいと思ったが自分と同じように夜遅くまで仕事をしていた人なんだろうと思い特に何も思わず女風呂に入ろうとすると聞きなれた声が背後からかけられた。
「おおリティ、もう少し早くに起きたらどうだ?」
「煩いですよクロウベルさ…ん………」
段々と自分が誰に対して受け答えしていたのか悟るとリティは勢いよく身体ごと振り返る、そうするとリティの目の前に青い長髪の黒い瞳をした背の高い男性が目に飛び込んできた、明らかにクロウベルの声色であったにもかかわらずどう見ても別人の人物に混乱しているとその男性が子供が悪戯を成功させたような笑みをこちらに向けて口を開く。
「言っていなかったが私は姿ぐらいは簡単に変えられるんだ」
「………ああ、そうなんですか」
まだ頭が寝ぼけていたからか、色々と面倒臭くなったリティはそう呟くとようやく脱衣所の扉を開き中に入る。寮に住んでいる人数が多いからか脱衣所の広さは大きく、一人で服を脱いでいるリティは言いようのない寂しさを感じる。そのまま服を脱ぎ浴槽の中に入り湯船に漬かる前に桶に温かい湯を入れて体に掛けてから湯船に漬かる。
温かい湯船につかり良い気持ちで浸っていると頭が覚醒し今日の12時丁度に道具屋のカルミィから用事を頼まれていた事を思い出す、後ろ髪を引かれる思いで湯船から出て無駄に長い髪を洗う、急いでいるので長い髪をリティは苛立ちながら洗い、そして脱衣所に急いででてから体と髪を急いでタオルで拭いて着替えてから脱衣所から飛び出る、走っている性か廊下から不吉な音が奏でられるがリティはそんな事はおかまいなしに階段に付くと一気に駆け上がる、普段音を気にしている性で時間をかけてしまうが急いでいる為そんな些細な事を気にする余裕はなくそのまま登り終えると廊下を走り部屋の中に突撃する。
部屋の中で急いで身だしなみを整えると同時にグランディアを背負う、身だしなみ自体はもう殆どしてあるので後は髪を髪止めのゴムで縛ってツインテールにするだけなのですぐにできる。そのまま廊下に出ようとするとグランディアから飽きれた声が発せられる。
『もう少し落ち着いて行動できないのか』
「用事があることを忘れてたんですよ!!! 完全に遅刻です!」
そう言い放つと部屋の扉を勢いよく開けて鍵をかけて廊下走ろうとすると開けて閉めたはずの扉に激突する、顔を赤くさせて何故ぶつかったのか解らずにリティは赤い顔を扉に目を向ける、それは自身の部屋の扉ではなくこれから行こうとしていた道具屋の扉でだった。
どういうことか解らず呆けているとグランディアから再び声がかけられる。
『どうした急いでいるのではないのか、速く中に入ったらどうだ?』
その声を聴きどうして場所が解るか突然移動させないで欲しいという声が口から出るのを何とか抑えて怒りで震える手で扉を開ける、クロウベルに悪気が無い事は解っている、むしろ良かれと思ってしてくれたという事も、が、頭では解っているものの感情がそれを邪魔してどうしても怒りが出てしまう。顔を険しくさせながら道具屋に入ると何時も通り田舎の割に品ぞろえが無駄に良い商品を一瞥する、魔物の素材で武器や防具、日用品にできる物まで置いてあるのは田舎では稀な事だと本で見たことがあるリティは今更ながら手腕は良い方だとカルミィの事を思う。
「あっ! リティちゃん来たのかい? ………なんか怒ってるね」
「カルミィさんこんにちは、アハハハハ怒ってませんよ」
気持ちを切り替えて笑顔でそう返すリティに心配そうに麻痺治しをこちらに出して来る。
「麻痺治しだけど精神を落ち着かせる効果があるんだよ、どうだい普段なら300ルドだけど今回は150ルドにまけてあげるよ」
「いえ結構です」
毎度のことながら突然始まった押し売りを躱して要件は何かと聞き直そうと思うとマシンガントークが飛んでくる。
「いやね? 傷薬を作りたいんだけど薬草が足りないからとってきてほしいと思うんだよねー、うちの馬鹿亭主に頼んでも面倒臭いの一点張りでねー、あっ、ちゃんとギルドに正式に依頼してあるから大丈夫だよ」
「アハハハハ…ヘクトルさんなら確かに言いそう………」
それからまた何か話すというカルミィの頭の上にある犬耳が動く合図を見て「それじゃあ私もう行きますね」と言って切り上げる。見た目も20代前半と若く見えて美人であり人当たりも良いのだが、いかんせん癖が強いのがやっかいだと思いながらギルドに迎い歩いていく。
『リティこのあたりの建物は幾分か大きい物が多いな、何故だ?』
「それはですね、ギルドの近くだからです、ギルドの近くは旅人や商人が村に付いたら真っ先に向かう場所ですからね、他と比べて豪華なのはそのせいなんですよ」
実際ギルドの近くに成る程豪華になるのはどんなド田舎でも割と常識だ、偶にそうではないところもあるようだが大体はそうだと学園で学んだ事がある。少ない期間でありながらある程度楽しんでいたことを懐かしんでいるとギルドの近くにある少し豪華な武器屋に幼馴染のレインが入るのを見かけた、手に持っている双剣が砕けていたのでああ、また壊したんだなと思いながら道を歩いていると先程から何か見つけると聞いて来ていたクロウベルが突然黙りだし不思議に思いクロウベルに聞こうとするとギルドの前にいる大男に目が行く、身長は180後半だろう、茶色い短い髪型で黒い神父の服装をしていたことから町から教会を増やしに来た神父だろうと想像がついた背に背負っている大剣は自身の背負っているグランディアの姿をしたアイアンソードの2倍はあろう巨大な物だ、黒い色をして刃の中央に刃の先から刃の根元にかけて金色で何やら読めない文字で書かれている、刃の外側は鋭く良く扱われていることが解る、自身の新品なアイアンソードの見た目とは違い使い込まれているのが解るが、綺麗な形を保っていた、その大男がこちらに向かい顔を向けた、髪と同じ茶色い、力強い瞳で左目の方に黒色でできた眼帯をしている、眼帯の中央には十字架がかたどられている。こちらを凝視した後視線をそらし何事も無かったようにギルドに入っていった。
『なぁリティ、アレを知っているか』
「えっ!? いや私は知りませんけど………」
『ふむ、どうやらアレは魔眼持ちだな、いやはや人間の魔眼持ちなど珍しい』
魔眼、魔族にエルフなどの長寿の種族で偶になるものがいるといわれる特殊な力、そのどれもが巨大な力を持っていると言われる程の物である、稀に生まれた時から持つ者が人間で出てくるらしいが、あの人がそうなのか、1000万人に1人と言われる確率なので相当な幸運の持ち主なのだろう。
「そういえばクロウベルさん、貴方も魔眼って持ってるんですか?」
気になったので聞いてみたが持ってると確信していた、クロウベルほどの強者で歴代最強と言われる魔族なら持っていても不思議ではない、案の定持っているという声が響いた。
「どういった能力なんでしょう?」
『見えないものを見ることができるのだ私は』
「見えないもの…?」
そう聞いて黙り込んでしまった、あまりにも抽象的すぎる、見えないものとはなんだ、魔力や気なのだろうか、いやクロウベルほどの力量になれば目に見ることができるので違うのだろうか、そう考えていると頭の中を不思議そうな声が反響する
『何を不思議がっているんだ、一度お前もその恩恵を受けたことがあるぞ』
ギルドに向かい歩みながら思考にはいる、昨日の夜も思ったがアレの強さは常識を逸脱している、あの時に魔眼を発動させていたなら自分に解るはずがない、そこまで気にしている余裕が無かったのだから。そしてあれに挑んだかつての英雄たちを称賛する、自分には無理だ、アレに立ち向かうなどできるはずがない、目の前に立っている事すら困難だったのだから、クロウベルと初めて会った時の事を思い出してギルドの扉の前で一人の世界に入るリティ。
「おーい、聞こえてるのかリティ」
「はい!?」
思考の渦に入っていたリティは目の前から呼ばれた男にむかい驚きながら返事をした、「ったくボーっとつったって通行の邪魔なんだよ」と言いながら笑っている獣人に頬を膨らませながら講義する。
「少し考えてただけですよヘクトルさん」
ヘクトルと言われた青年は笑いながら背中を叩いてくる、見た目こそ10代後半だが歳は三ケタの大台にのっている、犬の獣人で目は紫色で鋭くこちらを見てるが獣人は基本的に目つきが鋭いので一々気にしてはいられない。
「カルミィさんが怒ってましたよ、薬草を積んできてくれないって」
「げっ………、家に帰りたくなくなってきた」
そうヘクトルと談笑していたリティの耳に重い声が聞こえてきた。
「何故駄目なんだ」
「いえ、ですからこの依頼は貴方のランクじゃ無理です」
「問題ない」
受付の女性が泣きそうになりながら対応している、20歳の若者だが漂わせる雰囲気は猛者を醸し出している、男の手に持っている依頼はAランクの物で受付ともめている事から察するに男はAランクではないことが解った。
「どうすれば受けられる」
「Aランク以上の方がおひとりでもいれば受諾できますが」
そういうとその青年は周りを見回しリティのところに歩いていく、そして腕をつかむと受付のもとに連れ去ろうとする。
「待てよ色男」
連れて行く男の肩を掴み威嚇するヘクトル、立ち止る男はヘクトルを睨みつけるとヘクトルはうめき声を上げながらのけぞる、あの程度で引く性格ではない事を知っているリティは驚くが、周りを見ると自分以外の者が硬直している、ランクの高いとみられる猛者たちでさえ冷や汗を垂らしている、そのリティの姿を見て受付の前に戻る。
「文句はないな?」
「そ、そちらの方はGランクです! そ、それにこの村にAランクの人はいませんよ」
「何?」
男はリティを一瞥するが頭を縦に何度も傾かせていた、それを見るや否やすまなかったと謝罪しギルドから出て行った。
『ふむ、どうやら私の力を少し感じ取ったようだな、特別隠していないが中々やるようだ』
「あの、何で皆さんあんなに驚いてるんでしょう」
『あの男が発した殺気に押されたのだろう、お前に対する殺気は拡散させたから解らないだろうが』
なるほどとリティは頭をうなづかせた、ならばヘクトルも手を離すだろう、そして私を見て少なくてもAランク以上だと認識されたのもクロウベルがいるからなのだ、背負っている大剣がアイアンソードなのにもかかわらず男の持っていた大剣より強力な力を発していたのも理由に入っているのだが、リティは気づかないしクロウベルも敢えて付け足さない。
良く整備された土でできた地面を歩いていく、履き慣れた茶色いブーツに対する感触が何時も歩いている道と違うのを楽しんでいると突然隣から声を掛けられた。
「で? やっぱり駄目だったのかしら」
「………シノハラか」
女性の声に聴き覚えがあるので聞き直したら不機嫌そうに顔を顰める。
「あのね、私ファミリーネーム嫌いだからそう呼ばないで欲しいんだけど? 香織で良いでしょシシ・クトゥーリエ」
「フルネームで呼ぶなシノハラ」
失礼しちゃうとやはり不機嫌そうにつぶやく女性に顔を向ける、自身と違い協会からの支給品である銀色のローブを羽織っていながら見事なプロポーションをしていると解る体に町を歩く男は目を奪われ、その顔は顔立ちが整っているがかわいらしくあり黒く長い髪に黒い目をしている女性はため息を漏らす。
「ああやだやだ外を出歩くとこれだもの、私だけでも目立つのにアンタみたいな大男と歩いたら余計に目立っちゃうじゃない」
「お前は宿で待機のはずだ、俺と出歩く必要性はない」
「息がつまるのよあんな安宿」
そう言いながら本当に仕方なくと言ったようにシシについていく香織、銀色のローブを羽織っているのは香織だけだが首から下げた銀の十字架を見て二人に突っかかる馬鹿はいない、協会にたてついたら後々面倒だと解っているから。
「で、依頼とれたの?」
そう聞かれると黙りだすシシにまたため息をつきながら駄目だったと悟る香織、確認する前から駄目だとは解っていたがやはり駄目だったと言われると気落ちしてしまう。
それと同時に考えに入る、何故自分達が異教徒ばかりのこの土地でこんな事をしなければいけないのかと、シシは特に思ってはいないが香織はギルドに入るという事自体に嫌悪感を表していた、湧き上がる嫌悪感を隠すことなく顔に出す香織とは違いシシは先程のギルドでの少女を思い出す。
(………あの少女の背負っていた大剣、微力ながら邪の力を感じたと思ったんだが、思い過ごしだったか?)
異教徒でも強い者はいる、個人の能力しかりカリスマ性に溢れている者しかり武器の能力に頼り切っている者と人それぞれではある、それは戦場で常に最前線で戦ってきた自身だからわかるが、あの大剣はその中でも群を抜いていた、持ち手の言動こそ弱弱しい物が目立つが背負っている大剣からあふれ出る力は正に絶大、もしあの弱弱しい言動が全て演技であの大剣と同等の力量ならば自身と横にいる香織二人掛でようやく互角と言った所だろう、もしそれほどの力量をもつ者なら間違いなく戦争レベルの問題になる。
「―――――って事にするわよシシ………ねぇアンタ聞いてる?」
「すまない聞き逃した」
そう平然と答えるシシにこめかみに手を当てながら自らが考えた今後の活動予定を口にする。
みなさんクリスマスどうでしたか、私はサンタさんしてましたけどやっぱり恋人と一緒に過ごしてたりするんですかね…こんな駄文を読んでもらって大変嬉しい物があります、そしてその方がリア充であるかもしれませんがそれでも言います、リア充爆発しろ