死
この世界は残酷だと思う。
他の人にはないくらいの才能がある人、権力を持っている人、容姿端麗の人は他の人よりも優遇されることが多い。
けど俺みたいな不細工でなんの才能も権力もない人間はいくら努力したって報われないことがある。
俺は昔からたくさんの努力をしてきた。自分に対してこれっぽっちも興味のない両親に愛してもらおうといろんなスポーツにもチャレンジして、勉強だって普段から寝る時間を削ってまで沢山の時間してきた。
けど、どのスポーツをしても勉強をしてもいい結果を出すことは出来なかった。それだけじゃない。親に愛してもらうことばかりに囚われて時間を使っていたからかクラスでは友達もできずにずっと1人ぼっちだった。
だが、こんな思いをするのは今日で最後だ。俺はこれから目の前にいる刃物を持って今にも俺に殺しにかかろうとしている親に殺されるだろう。あんなに大好きだった親に、殺されるだろう。
グサッ
「うっ1度でいいから最後に愛して欲しかったな……」
パァァァァァ
んっ眩しいなんだ?俺は死んだんじゃないのか?
「死にましたよ」
「だ、誰だ!?」
「私は女神ルーナと申します! 初めまして柏木優希さん」