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元大魔導師は、家族のために完璧な姫になりきりたい  作者: ぽよぽよ大魔神
前章 大魔導師エマ
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案内

「1週間は私と一緒に過ごすから今日から寝泊りはここでしてもらうわ。私はこっちであなたはそっち。」

まず案内されたのは居室だった。1週間の間はアリアと同室で過ごすというその部屋は、客間に比べ2人部屋な分手狭にはなるが、ほぼ真ん中を境にシンメトリーで揃えられた家具があり、アリアにこちらだと示された私のエリアにもベッドがあるのを見て、またふかふかの寝具で寝られることが嬉しくなった。


「とりあえず、そのワンピースは寝間着になるから朝おきたらまずこの仕事着に着替えて身支度を整えるのよ。」


「え!寝る時と起きている時と服を変えるの?」


「もちろんだわ。ここではいつも綺麗な格好を心がけて。」

格好など気にした事も無かった私は戸惑ったが、アリアの身綺麗な姿を見て自分もここで働く以上気を付けなければと考えた。


「それと、朝起きたらその水差しと桶で顔を洗うのよ。あなた今日はまだでしょうから今ここで顔を洗って、ついでに着替えて。あと着替えはそのクローゼットに入ってるから、もしサイズが合わなかったら教えて。それから仕事着は何日も同じものを着ない事。1日着たらそこの洗濯かごに入れて。週に1度皆で洗濯をする日があるから、またその時に説明するわ。」

息をつく暇もない程矢継ぎ早に説明されたそれを、私はどうにか自力で整理する。


「えーっと、朝起きたら仕事着に着替えて、顔を洗って身支度をする。仕事着は毎日変えて、着終わったら洗濯かごに入れる、その洗濯は毎週1回皆でやる。今からは、顔を洗って仕事着に着替える…でいいかな?寝間着はいつ洗濯かごに入れればいいの?」


「…寝間着は週に一度の洗濯の日でいいわ。早く支度して頂戴。」

少し不満そうな表情で私に応えたアリアは支度を急かすと腕組みをしクルリと身体をドアの方に向けた。


「わかった。ありがとう。」


支度が終わるとアリアはまず施設の案内をしてくれた。

昨日使った1階の客間や浴室、ドンノと話した応接室は省き、それ以外の私が使う部屋を一通り説明された。

この研究所である塔は地下1階から地上10階まであるが、私が使うことになるのは2・3・4階の各階にある仕事部屋と2階の厨房兼食堂、3階の勉強部屋になる。それからこの1週間の見学期間を終えると、アリアとの2人部屋から子供部屋に移動になる為、今後子供部屋も使う予定はあるが、5,6,7階にあるどの子供部屋になるかは未定のため、また移動の際に説明があるようだった。


大まかな案内と説明が終わると、1週間の予定について教えられた。働くのは1週間の内、月つき~土つちの6日間で、決まって太陽の日が休みとなる。勉強の時間はここでは学校と同じように、大人の先生たちによる授業という呼び方をし、その授業が行われるのは週の内の3日間、午前と午後のどちらかに行われると言う。そして授業日程も含めた次の週の予定がその太陽の日に食堂の掲示板に貼り出される為、毎回必ず確認するようにと言われた。


そして今週の予定は、月つきの日と水みずの日金かねの日の午前に魔術の授業があり、それ以外は仕事となるようだ。


「今日は月の日で丁度今から魔術の授業があるからその見学に行くわ、ついてきて。」

そういうとアリアは早歩きで勉強部屋へ向かった。

私はアリアが何気なく溢した¨魔術¨という言葉に逸る胸を押さえられず、自然と口角が上がり、早足になった。

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