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無題  作者: パピ
5/9

ちか






「はる、行くよ。」




信号が青になったのに歩き出さない隣の幼馴染に声をかける。



「考え事してた、ごめん」

「ぼーっとしてたわけじゃなく?」

「僕だって考え事ぐらいするさ。」

「俺に解決できそうなことか?」

「ん〜。大丈夫。」

「そうか?なんかあったら言うんだぞ?」

「ん。ありがとう」



浮かない顔のまま はる が笑った。

俺に隠し事なんてはじめてじゃないか?

なんだか胸が痛んだ気がした。








俺は はる を子どもだと思ってる。それはもう自分の子供のように。マイペースだし、よくぼーっとするし。なによりずっと一緒にいるから。

小さい時から はる の一番近くで はる のお世話をするのはいつだって俺だった。俺の親も はる の親も俺たちのことを仲がいいねって見守ってくれてたし、俺はそれが好きだった。

はる がいつも、ありがとうって俺に笑ってくれるのが嬉しかった。






でも はる が一度だけ寂しいって俺に言ってきたことがある。俺が はる だけじゃ無く、 はる から離れて他の奴と話をしたからだと思う。

その時はまだまだ俺もガキで他の奴に頼られて嬉しいって気持ちと、ちか はみんなの人気者だね、かっこいい。って はる に言ってもらえることが嬉しかった。




でも放課後いつものように帰っていると はる が悲しい顔で「寂しい」って言ってきた。

はる にかっこいいとこ見せようと思って空回りしてたんだと気づいた。

それと同時に俺は、はる には俺がついていてあげないと。はる から離れちゃだめだって思った。





それからはずっと はる のことは自分の子どもだと思って接してる。

だから はる が俺に隠し事したり悩みを打ち明けられないことに胸が痛むのは普通だろ?




だったら俺は待つんだ。「親」として。

はる が相談してくれるまで。

それが当たり前だからな。






お読みいただきありがとうございます。

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