はる
「えっ、今日帰り遅くなるの?」
いつものように朝一緒に登校していたら ちか が申し訳なさそうに言う。なんでも、今度の学校行事の担当者になったらしい。
「そうなんだ、先に帰ってるか?」
「いや、ちか が嫌じゃなければ待ってるよ。ちか と一緒に帰りたいし。」
そうか、ありがとう。と言って ちか が微笑む。
そっか、ちか 今日遅いのか。でも ちか が何かの担当になるの久しぶりかも。
ちか ってばすごいかっこいいし優しいし人気者だから前はみんなの代表って感じで色んな役を引き受けてた。
ちか が活躍してて僕も凄い嬉しいって思ってたんだけど、一回だけぐずったことがある。ちか が僕から離れていっちゃうんじゃないかって。
ちか がみんなと仲良くしてて嬉しいはずなのに寂しいって思っちゃって。
それを ちか に言ったら一瞬驚いた顔して
わかった。大丈夫。俺は はる から離れないよ。俺が離れちゃったら はる ちゃんと生きていけるか心配だし。
って言って笑ってくれた。今思い返してみるとすごい恥ずかしいけど。その後はクラスの代表とかはあんまり引き受けなくなったんだ。その時はすごい嬉しかった。
でも、僕最近思うんだ。僕、ちか の重荷になってないかなって。ちか もっと色んな人と仲良くなりたいだろうし、僕と一緒に登下校してたら他の友達と放課後遊んだりできないんじゃないかって。
今は しゅん がお友達になってくれたし僕寂しくないよ。ちか、縛ってごめんね。
違うクラスになってまでも ちか に迷惑はかけられないし。時々見かける他の友達と仲良く笑いあってる ちか は楽しそうだし。
そろそろ親離れならぬ ちか 離れをしないとな。
そう思って隣を見ると ちか がそれに気付いて笑ってくれた。
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