しゅん
初投稿です。お手柔らかにお願いします。
「はる、行こう遅れちゃうよ。」
のんびりやな君にいつものように声をかける。
今日はいい天気だね。なんて言って笑う君はとっても綺麗だ。
はる と出会ったのは1年生の頃。入学したてで席が近かったし何よりとても綺麗だったから俺から声をかけたんだ。その後も今までクラスも一緒でずっと仲良くしている。
「僕、しゅんがいなかったら今頃まだ1年生してたかも」
はる はのんびり屋さんだから移動教室などはいつも一緒に行く。冗談混じりに言っているがトイレに行ったり片づけをしていたり気が付いたらみんないなくなっているらしい。たしかに何回も遅刻すれば留年してしまうかもしれない。
「でも朝は ちか がいるから遅れないで来れるんだぁ。」
そう、はるには幼馴染がいる。小さい時からずっと一緒らしい。名前は ちか。俺たちとは違うクラスだ。そいつは はる と家も近くて毎朝一緒に登校してきて帰りは教室まで呼びにくる。
「そろそろ遅刻しないで自分で登校できるようにならないとね。」
今 はる といっしょに移動できるのが嬉しいくせに直せなんて言ってしまう。あいつと一緒に登校してきて一緒に下校していく姿を見るのが嫌なのだ。あいつの方が はる と過ごした時間が長いのはわかっているのに俺だけの特権だと思いたいのだ。我ながらガキくさいなと理解している。
「ふふ、でも僕はそのおかげでこうやってしゅんと一緒に移動できるからなぁ」
あぁ、俺は一生 はる には敵わない。
君がみんなにそうなのを知っている。
君はみんなに期待させる。
その一言がどれだけ相手のこころに強く根付くのかを知らずに綺麗な笑顔でそんなことを言う。
だから俺はガキくさい独占欲にまみれてしまうのだ。
その笑顔が、その一言一言が、俺だけのために有ればと。
お読み下さりありがとうございます。
ゆっくりゆっくりやっていきますのでよろしくお願いします。