プロローグ2
俺は目を覚ました。
いやいや、目を覚ましたというか、さっきまで俺はライブ会場にいて、アイドルのミーちゃんと話をしていた。
しかし、今は真っ白な霧が漂うような空間にいて、目の前には、白い服を着た、白い髪と白い髭を生やした老人がこちらを見ていた。
俺はその老人に聞いてみた。
「ここは何処ですか?」
その老人は何も答えない。
聞こえなかったんだろうか?もう一度少し大きな声で聞いてみた。
「すいませーん、ここは何処ですか?」
これで聴こえるだろう。
しかし、老人は俺を見ているだけで、
「はぁ〜」とため息をついただけだった。
なぜ俺はここにいるんだろう?
ここに来る前のことを思い出そうとして、気がついた。
「あっ!そうだ、みーちゃんが襲われたんだ!こんなところにいる暇はない。早くみーちゃんのところに助けに行かなければ!」
叫びながら、どこがに出口はないかと慌てて周りを見回した。
早くみーちゃんのところに行かないと、あのストーカー男に殺されてしまう。
俺がキョロキョロあっちこっちを見ていると、さっきまでじっとこちらを見ていた老人が、話し始めた。
「こらこら、落ち着きのじゃ!大丈夫じゃよ、あの娘は死んではいない。」
俺はそんな言葉を聞いて、
「落ち着いていられるか、ここが何処か分かるなら、早くミーちゃんのところに、案内してくれ!」
と、俺はその老人のそばに歩み寄った。
「いや、お前さんがその娘のところに行くのは無理じゃ!何故ならお前さんは、死んだのだからのう。」
「えっ?」
俺は思考が停止したようで、次の言葉出てこなかった。
老人が続けて話し始めた。
「ここに来る前のことをよく思い出すがいい、お前さんは頭を撃たれて死んだのじゃよ。」
そうだった、思い出した。俺はミーちゃんを守って銃で撃たれたんだった。
「それじゃ、ここは天国ですか?」
「ここは天国ではない、ここは天界じゃ、それにお前さんはその娘さんを守って撃たれたのではない。」
「えっ?でも、俺の最後の記憶では、頭を撃たれて死んだはずだけど・・・」
「確かにお前さんは頭を撃たれて死んだのじゃが、よく考えてみるがいい。お前さんが頭を撃たれたということは、その娘さんは銃の弾は、頭上を超えていくだけで弾には当たらないということじゃ。」
「それって、俺は無駄死にということか?」
「そうじゃ、お前さんが余計なことをしたおかげで、誰も死ぬことは無かったのに、お前さんの死は予定外だったのじゃ。」
俺は茫然自失!
その場に崩れ落ちた。
「あっ、予定外ということは、俺は生き返れるんですか?」
「いやいや、お前さんが余計なことをしなければ、そこそこに長生きしてそこそこの人生を送れたはずだったのに、無駄になってしまったのじゃ。」
「俺はどうなるのですか?このまま天国に行けるんですか?そ、それとも無駄に死んだから地獄行きですか?」
「お前さんは、天国か地獄に行くかは、あと70年後の予定だから、今はどっちにも行けないのじゃ。」
「それなら生き返られるんですか?」
「既に死んでしまったお前さんは生き返るためには、すぐには無理なのでな、あと100年待ってもらう必要があるのじゃが、仕方が無いので他の世界に転生してもらうのじゃ。」
きたきたきたー!、これって異世界転生か!
異世界転生なら、チートで無双な能力でということか!
俺は無駄死と聞いてガックリしてたけど、異世界転生と聞いて俄然血湧き肉躍る生活に心胸踊る状態になった。
「他の世界と言うても、その世界での人間も既に100年後まで計画されているので、お前さんが人間に転生するのは無理じゃがな。」
「えっ?それってどういうことですか?」
「ワシが管理している世界は、既に100年後までは、生まれる人間の計画は終わっているのじゃ、じゃが地球以外の世界ならまだ魔物なら生まれることは可能だから、他の世界で魔物として、転生させてやるのじゃ。魔物として、そこそこに生きておれば100年後には、人間として生き返られせやれるのじゃ。」
「え〜そんな〜」
俺はどうしようもなく崩れ落ちた。
「しかし、魔物として放り出してすぐに死なれても困るので、長生きできるようにある今の記憶とある程度の能力は与えておくから、頑張って生きるのじゃぞ。与えた能力は、頑張れば人間としても生きられることもできるのじゃ。」
「な、何とかならないんですか?」
俺は神様に頼みこもうとしたが、
「そろそろ時間が来てしまった。それじゃ達者でな。」
そう言うと、俺は意識が無くなってしまった。




