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ジェロニモは旅に出た

幼少期

ジェロニモは旅に出た

生まれて初めて家を抜け出し

村中を歩き回った

生活する者たちの声

嗅いだこともない獣の肉

ふれたこともない音楽

優しくかけられる言葉

すべては新しく美しかった

ジェロニモは希望を得た


少年期

ジェロニモは旅に出た

生まれて初めて村を出て

海へ向かった

見たこともない青

焼けた砂浜

香りたつ潮風

沈みゆく水平線

すべては偉大で果てしなかった

ジェロニモは世界を得た


青年期

ジェロニモは旅に出た

生まれて初めて舟に乗り

海を越えた

斬新な衣装

心地のいい異国の言葉

弾けるような素肌

恋との出会い

すべては素晴らしく胸が躍った

ジェロニモは運命を得た


壮年期

ジェロニモは旅に出た

生まれて初めて槍を持ち

戦争へ出た

轟く怒声

臓腑の匂い

血液の味

守るべき者の顔

すべては過酷で試練であった

ジェロニモは悲しみを得た


老齢期

ジェロニモは旅に出た

生まれて初めて病に伏せて

記憶の中へ

兄妹の顔

村の匂い

懐かしい花

暖かい声

すべては優しく柔らかかった

ジェロニモは母を得た


そうしてジェロニモは旅に出た


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― 新着の感想 ―
[良い点] 老齢期が半端ないですねー この時になって思い出すなんて…… 最後の期が輝いているのは また、その前の過酷さがあってこそですし、過酷さが詩の中で映えているのは それ以前の明るくワクワクした…
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