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~リオンさまの、たねあかし(2)~

 けれどバートは、まだ納得がいきません。

「いやいや! むしろお前にどうやってその話をもってけたんだってとこからだな……」

「ああ、うん。

 まず『ルモッフィ君潜入』の情報を、スパイくんに聞かせただろ?

 その後すぐに王さまのところにすっ飛んでって、別の名前で小姓として城に潜入して、俺の部屋に来たんだよ。

 どれだけ伝書ハヤブサが速いったって、まぼろしのドラゴン・モッフールの『またたき飛翔』の速さにかなうわけがない。

 にせの情報を父上が入手して、頭のなかに入れなさる頃にはもう、兄上は俺の部屋にどうどうとやってきて打ち合わせを済ませていた、っていうわけさ」

「………………」


 バートは納得しました。ですが同時に、大いにあきれかえりました。

 しばしの沈黙ののち、おでこに手をおいて、天をあおぎ、なげくように叫びます。


「お前の兄貴どっこが不器用ものだよ……つかもうチートだろチート!」

「あはは、それはドラゴンだからな!

 ……でも、やっぱりちょっとは心配だなあ。

 話をきくだに兄上はどうにも、優しすぎるんだ。

 また、リアンだった頃のように、自分だけでぜんぶを背負いこんじまうんじゃないかと、弟としてはちょっと心配だよ」

「なーに、そりゃー大丈夫だろ。

 だってよ、ほんとの両親と、かわいい奥さんと、自分をひいきにしてくれる舅姑がそろってんだろ? なんとかならあよ!」

「それもそうかな!」

「なんだったらお前、一旗あげたらいっぺん帰るか?

 ま、そんとき縁談おっつけられたらもー知らねーがな!」

「あはは…… かんがえとく」


 そうしてふたりは、久々のエールをくみかわしながら、コンビ結成・第一弾の目的地をどこにしようか、地図をひろげて話しあうのでした。




 いましも、町はおまつりまっただなか。

 みんながみんな、しあわせの竜がおこしてくれた、やさしい奇跡にわいています。

 あちらからもこちらからも、たのしい音楽やかんぱいの声、たくさんのごちそうのにおいにまじって、あまーいあまーい、やきいものかおりがただよってきます。


 よく晴れたそらを見あげれば、まあるいまんげつがひとつ。

 やきたてのおいもをぽくっ、と半分こしたかのような、あたたかなきんいろがほっこりと、わきたつ地上をみまもっておりました。



 まぼろしの白いりゅう、モッフールを王さまにむかえた王国は、それからも末永く、しあわせにさかえたそうです。


 あまいあまーいやきいもが名産の、しあわせのくに『モッフール』のおはなしは、

 これでおしまい。




 ……え?

 モッフールにのこされた、のこり二回の転生のけんりはどうなったかって?

 それはまた、いずれ。

 きかいがあったら、おはなししましょう。



 おしまい

こんばんわ、日向でございます。

何かと忙しい年の瀬ですが、最後までお読みいただき、ありがとうございました!


なぜか(←本当にそんな感じ)、予想よりはるかに多くの方に閲覧いただけましたようで、正直なところ驚愕しております……

年の瀬に自分がプレゼントをいただいてしまったような気持ちで、ひたすら感謝感謝です。


童話祭のほうにもいよいよ提出させていただきます。そちらも含めまして、よろしければ応援いただけますと嬉しさ3倍で作者が赤くなります(誰得)。執筆速度とクオリティは3000倍に……なってほしいです(切実)。

来年も、皆様にお楽しみいただけるような作品を作れるようにがんばります。

それでは、またお会いいたしましょう!

最後までお付き合いいただきまして、重ねてありがとうございました!

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