Episode8:疑問
【もなか。パート】
ELSFYへと向かうCW-79達は、無事敵に見つからず、攻撃も受けず、なんとか到着するところであった。
「お疲れ様です。もう少しでELSFYへと到着します。やっぱり僕のサポートのおかげですかn」
「そういうことじゃないから。はぁ、被害なしで行けただけでも今日はラッキーかもしれませんね。」
そんな安心した表情のアザミを見て、CW-79は安心しただけでなく他の感情が見えた気がした。
(何故安心だけじゃないのだろうか…、過去に何かあったのだろうか…?)
「どうかしました?CW-79?私の顔になんかついてましたか?」
「ん?あぁ、なにもついていないが…。何でもない。」
「CW-79さんもちょっとお疲れ気味なのかもしれないですね。ELSFYについたらサポートドックでしっかり休みましょう。」
「あぁ、分かった。」
(いや、そんなことを考えている場合ではない。だが、どうしてもアザミのもう一つの感情がわからない。だがしかし私の任務は、いや私たちの任務はELSFYへと到着し、資料のチップを運ぶことである…。)
そうこうしている間にELSFYへと到着した。
「ELSFYの人たちは頼りになる人がほとんどなので、困ったときは頼りにしてくださいね。」
「あぁ、そうだな。」
(私のことを見ている者が大勢いるが、人造人間とは珍しいものなのだろうか?BY-76とかもいるのだろうに…。)
落ち着きながら疑問がわく中、アザミはELSFYの代表者と話を終えるところだった。つい2時間前、行方不明となった小鳥遊の捜索願いを出していた様子であった。
そのあと、CW-79は用意されていた自室に案内され<休む>という感覚を覚えた。ふと、一人の無音の空間に彼女はぼやいた。
「なぜ彼はいなくなったのだろうか?彼は孤独を望んだのだろうか?いや、違うだろうし…。今日は疑問が多すぎる。そういう知能をもって作られたからだろうか…。」
疑問を持ったまま、CW-79は何者かによってスリープ状態におちる。
この回で、第1章完結となります。
4月中旬から第2章スタートになります!
何卒、これからもご愛読よろしくお願いします。