Episode3:起動
【みれなパート】
※1週間以上投稿をお休みさせていただきました。これからはちゃんと期限を守って連載します。これからも「chisha」をよろしくお願いいたします。
「ダウンロード完了。起動。」
そのアナウンスと同時に目が覚める。めのまえにはホログラムスクリーンが映し出され、自分のものだと思われる手を見る。初めて見るがデータ的に理解が素早く追いつく。ピロピロという起動音が鳴ると、ボブヘアの男の子のようなものが映る。ダウンロードされていたデータからオペレータータイプの子だと推測した。
「はじめまして!CW-79さん!ぼくはオペレーター特化型BY-76って言います!CW-79さんの専属なんで、これから一緒ですね!いやぁ~、それにしてもCW-79さんはどことなく美しいですねぇー。」
「うるさい!任務に関係ないことは言うな。で、どんなようなんだ?」
「えっと、早速ですが任務になります。今、周辺のマップデータと救助対象のデータをおくりますね。」
そうBY-76が言うと新しく記憶が塗り重ねられていく。ここは、ELSFYへ向かうシャトルの発射場だということが分かった。
「今回の任務は、小鳥遊博士の生存確認、重要資料の回収です。ミッションを行う前に、アザミ研究員の方へ向かってください。」
「了解。」
研究員の場所はわずか10mというのに金属の壁一枚だけでも少し遠く感じてしまう。荷台から運転席に話しかけても防音設備でふさがれてしまう。
このような時、どうすればいいかは、「X」というサポートロボットに頼ればいいと記憶の中にある。
「X-76、トラックから脱出したいのだがどうすればよいと思うか?」
「回答、ロックシステムをハッキングし、扉を開ける。ハッキングシステムを付与。」
記憶の中からハッキングの仕方が出され、始める。ものの30秒でできてしまうのだ。
外に出るとアザミだと思われる人が棒立ちしていた。あの感情は何なのだろうか。アザミのもとへ走り出すとすぐにつく。
「お前が<アザミ>なのか?」
「あなたが、CW-79…。よかった!ちゃんと動いてる…。」
そういうとアザミは目から雫を流した。人間と私たち人造人間は似ているようで似ていない。 自分の感情というものは、自分のデータの中にあるはずなのに、その感情は何か、どうしてなのかがわからない。この感情もなんていう名前なのだろうか…。
「助けてもらうのに、私がなみだを流していてもCW-79さんはつらいですよね…。とにかく、あなたを作った。小鳥遊博士と資料をよろしくお願いします。」
「分かった。」
わたしを作った博士を助ける…のか。そうやって私の中に‘‘責任感,,という感情つくられた。
用語説明
【オペレーター特化型】(別名BYタイプ)
初めて作られた人造人間の型番。充電が常に必要なため、いつもELSFYの充電ステーションにいる。
【補助用ロボット(サポートロボット)】(別名X)
人造人間をサポートするためのロボット。人造人間とは違く、感情は持っていない。現地調査系タイプに1人1台付けられている。