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chisha  作者: team月下美人
プロローグ
2/9

Episode1:CW-79

【ワタデパート】

 2500年12月、着々と準備が進んでいた。

 「死体の接続が上手くいかないィ?そんなことくらいそっちでどうにかしろ!」

 ラボに怒鳴り声が響く。このラボは高度な技術を買われ、国から多くの支援を受けていた。とは言え、人体接続型AI生産全盛期の100分の1もない支援量だったが。

 ボディ接続型の失態から約1時間、警報が館内に鳴り響いた。侵略者の侵入を知らせるサイレンとアナウンスがラボ全体に響き渡る。反撃手段はない。

 今回作られるAIのサンプルに搭載されるAIプログラムシリーズ、WFFの最新型ver23は元々、国から侵略者を危惧する流れを止めてほしいという要請を受けて、通常5年程度の開発期間に対し、1年半、もしくはそれ以下の期間の短さで、緊急的に作られたものだった。その上、製作意図が今までと違うためベテランであってもまともに扱いきれないシステムだった。追い打ちをかけるように、サンプルの提出期間2ヶ月に行われるはずの試運転、最低限のチューニングも済んでいないという有様だ。

 「おい!早くガレージに行け!液ごとのせるぞ!」

 1時間前、ラボのど真ん中で怒鳴り声をあげていたプロジェクトリーダーだ。

「え、液ごとですか!?漏れたらまずいんじゃ!?

ボディ接続班所属で、怒鳴られていた女性研究員だ。

「うるせぇ!アレがそんなんで弱るほどヤワなもんか!がっちり閉めとけ!」

 大型の施設らしい大きなガレージにはコンテナが積まれたトラックが数えきれないほどあった。そのうちの1つに青とも黄とも緑とも付けがたい色の液体が入った大きなガラス製カプセルが吸い込まれるような速度で入る。液の正体は完全防腐薬液。この薬を使うと、死体も生体と同じで生きている限り腐り落ちない。新型サンプルは、食料などの栄養、水分をエネルギーとし動くことによって、自己発電を行う。それが悪くも研究者をうならせていた。

 今、2台のトラックが動き出した。ラボ内は悲惨なことになっている。生き残りは数名だろう。

 「あー、あー。行先はELSFYへ飛ぶ次のシャトルだ。」

リーダーを中心に無線での会話が始まる。

「なぜ私なんですか!怒鳴った人を呼びますか!?それに次のシャトルって…本気ですか!?」

「本気じゃないことなんて言う必要がないだろ?それぐらい分からなければ、ここから出てもらおうか?」

「…了解。」 エンジンがかかり動き出す。

「あとそれの型番はC()W()()7()9()だ。よーく覚えとけ、接続女。」


※「WWF」についての解説は次話につけさせていただきます。

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