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Until the end of life~転移傭兵と種族少女達の物語~  作者: I am Human
一章 ビースト(獣人)の国
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EP3 己が正体、消えた約束


 ウリフィアが現実に帰ってきたのは一時間後のことだった。彼女は頭を撫でた謝罪の代わりにこれから撫でてほしい時に撫でられる権利という矛盾をはらんだ条件を出し、現在進行形で刑が執行されているのだ。

 

 「クゥーン」

 

 なんとも可愛らしい声である。顔立ちや雰囲気が凛としているせいか、思わぬギャップに微笑みが出てしまう。

柔らかくて暖かい触り心地のよい髪と耳の間を撫でてやると尻尾の揺れが心なしか早くなる。


 ...目が覚めて短時間に色々なことがあったな、記憶は無くなってるわ、犬耳の女の子にに殺されかけたりとか。死にかけたがこうして生きているし傷も

 

ふと気になったのは体の痛みだった、全くいたみを感じない。フィアが言うにはあれから2日しか経っていないという、確実に2日で治る怪我ではなかったはずが。その証拠に包帯には血がベッタリとくっついている。

 

 「すまないが包帯はずしてくれないか?」

 

 「...わかった、交換か?背中を向けてくれ」

 

 名残惜しそうにもっと撫でろと目で訴えかけてくるが敢えてスルーしておく。恥ずかしいのか口にせず諦めて背中の部分で結んである包帯を時始める。

 

 「...!」

 

 段々と見えてくる肌にフィアが言葉にならない声で驚きを表す。俺も少し見えている胸元の傷を確認する...

 すると驚くことに傷口はすべて塞がっている。確かに血がベッタリとついて入るし傷後もある。

 

 「...私は久遠がどんな種族なのか知らないが、生物的に昨日まであった傷が完全に塞がるのか...確かに傷が少し小さくなっているような気はしていた、もちろん勘違いだと思っていたが、まさか」

 

 「俺も記憶がないからなんとも言えないが...確かにおかしい」

 

 記憶はないが知識はある、人間とは脆い者だと知っている。自分の知識の歯車が噛み合わない。

 

 「初めて会った時から驚きが耐えないが、今悩んでもしょうがないな。」

 

 フィアはため息をつきながらとりあえず保留という形で心を落ち着かせたようだ。

 

 「体がまだ血だらけだな、水と体を拭くものを取ってくる。

 そうそう、あとベットの横に置いてある珍しい鞄はきっと久遠のものだろう、やけに重かったが確認して見るといい、少しは記憶が戻るかもしれない」

 

 そういうと彼女は部屋から出ていった。

 立ち上がりベットの横を見ると縦長の固く黒い鞄とりゅくが置いてある。まず縦長の方の鞄を開けようと持ち上げる。

 

 重い、俺とこれを一人で運んだのか?30キロぐらいあるんだが。

 

 疑問はさておき、とりあえず開けてみる。開けるまで何も不自然に感じなかったが黒い鞄には様々な仕掛けがありダイヤル式の鍵も付いていたのだが簡単に解錠していた。

 

 ...何でかはわからないが開け方を知っているんだから自分の物だと今は納得しておこう、とりあえず中身だ。

 

 そして鞄に手をかけ最後のスライドロックを外す。

 

 !何でこんなもんが!?

 

 中身は信じられない物が入っていた。開いた鞄の上には長い筒上の部分と銃身が分けられて収納されたスナイパーライフルが、下右側には拳銃が2丁、それ専用に型どられたクッション材に納められ、下左側には、各種専用のサプレッサーと大量の弾薬が詰め込まれている。

 また、もう片方のリュックには黒を基調とした迷彩服と拳銃のホルスター、その他もろもろが入っていた。

 

 なんなんだこれ、俺はいったい...誰だ...

 

 見たものが信じられない、本当に自分の物なのだろうか。そう思い拳銃を一丁手にしてみる、すると記憶にないはずが使い方を体が覚えていた、セーフティの解除の仕方弾倉への装填の仕方。不思議と体に馴染んでいるような気がする。

 

 ここにいたら駄目だ、俺が俺自身のことをわからないうちは。信じてくれたあいつを、また、大切な誰かを!

 また?...大切な...誰を...

 

 ノイズが頭を駆け巡る、笑っている、どことなく懐かしい誰かの面影、顔だけがきれいに記憶から抜け落ちている、ノイズが走る。その男は、なにか言っているのだろうか?

 

 全てが暗転する。

 

 思い出せない...大切な何か。

 

 忘れてはならない、約束

最近は涼しくなって来て、住みやすくなってきましたが、朝は寒い!(´д`|||)

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