表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/15

EP0 ...


 

  鳴り響く銃声、張り詰める緊迫感。

戦場の視角に身を潜め敵陣に走り込んでいく。

 

 もう何日目だろうか、殺し殺される、なんのためにこんなことしてんだろう。

 

 「そんな顔するなよ、心配しなくても俺が守ってやるから、せいぜい死なないよう俺の背中に隠れとけよ~」

 

 緊迫する状況の中、戦闘服姿の男はおどけたように彼に話しかけてくる。

 

 「よく言うな、全く、腹に攻撃食らってるやつの言うことだとは思えないな」

 

 男は腹に深傷を負っていた血が滲み心なしか息が早い。

 

 「かすり傷だよ、こんなのは。」

 

 「そうか、ならいいんだが俺の背中に隠れててもいいんだぞ?」

 

 同じく戦闘服姿の少年も 男におどけて言い返す。

 

 「若葉が何をいってんだよ、全く。

 …俺たち二人か、残弾残り300と手投げが少々ってところか。まったく、守るものも何も無くなちまったってのに、戦う必要があるのかねぇ。

 敵も自分達の生物兵器に殺られて全滅、目も当てられねぇな」

 

 戦場を見渡すともはや人間ではなく、大きなとかげの姿をしたお伽噺に出てきそうなドラゴンのようなものから、目のない巨人の様なものが町中を破壊している。

 

 「守るものは無くても、ここは切り抜けないとどっちみちくたばるだけだろ。戦線離脱領域まであと500ってところまで来てるのに敵の数が多過ぎて身動きがつかないのが現状だ」

 

 今の戦闘エリアより500メートル先に使われていない地下鉄がある。味方の情報によればそこまで行ければなんとか逃げ切ることができるはずだった。

 しかし現状敵の化け物の量も多く瓦礫の死角で気配を殺しているから良いものの、ここもいつ攻撃されるかわからない。

 

 「はぁ~。

 なぁ久遠生きて帰ったら一杯飲みに行こうぜ」

 

 「俺は未成年だが?

 でもまぁ~ジンジャエールでよければ付き合っても良いぞ。」

 

 二人は防具を纏った顔を見合せ少し笑い会う。

 

 「後ろは任せたぞ相棒!」

 

 「任された!」

 

 二人は勢いよく瓦礫の側から飛び出すと全力で走り出す。

 本来死角に隠れ隠密に行動したいところではあるが瓦礫と化した町中はさら地上になっておりそれができない。

 走り出すと共に、それに気付いた化け物が後ろから追ってきてその命を食らおうと襲いかかってくる。

 男が振り替えると弾丸を確実に脳天に打ち込んでいき絶命させる。

 前から来る敵をもう一人の青年が引き受け同じように絶命させていく。

 

 「敵の数が多い、久遠!無駄弾撃つなよ!」

 

 「わかってる、道を開くから3秒後に振り替えって走ってくれ。

 3.2.1今っ!」

 

 戦場での二人の息はぴったりだった。

 

 あと300

 

 新たな敵を撃ち道を開く。

 

 あと200

 

 さらに囲まれ、それを背中を会わせ攻防を繰り広げまた道を開く。

 

 あと100

 

 「もう少しだ!」

 

 「久遠、避けろ!」

 

 それはもう目的地が目と鼻の先に来てからのことだった。

 今まで戦っていたものの数倍のでかさがあるドラゴンがおそってきたのだ。

 口から火の玉のようなものを吐き、それを青年は辛うじて避ける。

 

 「ここまできて、くそったれが!」

 

 銃弾を打ち込むが空高くにいるため的が定まらず落とすことができない。

 

 「…久遠、3秒後に空洞に飛び込む合図したら行くぞ!」

 

 「そんな事この現状できるわけ…」

 

 逃げれるはずはないといいかけたところで遮られてしまう。


 「俺を信じろ!」 

 

 男の顔には確かな自信があるように感じられた。

 

 「…わかった」

 

 「行くぞ、3.2.1」

 

 振り替えって走り空洞に飛び込んだ。これで切り抜けられた、そう思った。

 しかしその希望の光はなんとも呆気なく奪い去られてしまう。

 走りトンネルに飛び込む際に見えた男はドラゴンと攻防していた。そして手榴弾のすべてのピンを抜くとこちらを見て微笑みかける。

 

 「おい『 』!」

 

 彼の名を叫ぶ 

 

 「久遠、お前は俺の大事な…」

 

 ドーン!?

 

 そこまで聞こえると、爆音で何もかもがかき消される。

 爆破に巻き込まれ、意識が消える瞬間少年の視界にはまばゆい光と共に消える男の姿が映っていた。

 

 

 

 すべてが暗転する。

読んで下さりありがとうございます。

初投稿で仕事の合間などに趣味で書いています、思い付きで書いているので文面がおかしかったり、誤字があったら申し訳ありませんm(__)m



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ