1-6
本日の投稿2話目。
1-5~1ー6を投稿してます。
おはようございます、皆さま。
魔法幼生サクラ、華麗に蜂を撃退致しました事をご報告させて頂きます。
もうそれは素敵に華麗な手際でして、風魔法で近寄る外敵を警戒しておりましたら案の定蜂が突撃の強襲、出会い頭に脳へ音波ダイレクトアック、気絶した相手を疲労困憊になりながら追い落としました。
蜂さんは爪など引っ掛かる部分が多いので、本当に苦労させられました。
そしてその苦労の甲斐は十分にありまして、簡単に撃退出来たとはいえ本来は強敵である蜂を倒したのですから経験点が一杯入り、色々レベルアップしました。
と、言うかですね、経験点の獲得方法はやはり敵性生物を討伐した時が一番入るようですね。
種族レベルが2つも上がりましたし、レベル3だった魔力操作と身体強化、上がりにくい風魔法のスキルがぽんと上がりました。
あ、地味にHP回復率上昇も上がり、新たにSP回復率上昇を得ました。
イモムシモードな私は筋力Hな貧弱者ですから全力全開で押しても中々押せず、ガリガリSPが減り、SPが無くなるとHPが減るという危険な状況。
蜂自体は簡単に無力化出来たのに、撃退完了までが命賭けでした。
これ、穴に突入される前に撃退する方法を確立しておかないと、毎回命賭けの撃退劇になりそうです。
簡単に追い出せる方法があれば良いのですが、ともあれ風魔法がレベル3になったので新魔法を確認しましょう。
新たに習得したのはシューティングアシストとウィンドシールドです。
シューティングアシストは、弓を射た矢や投げた物の飛距離、速度と命中に補正が付く魔法で、試しに生成した糸を発射してみたら見事5m先の枝に貼り付きました。
ウィンドシールドは、主に飛来物から守る風の盾を作り出す魔法で、ウィンドよりも弾いたり反らすには向いた魔法のようですね、試せないので実感はありません。
この2つの魔法も魔力操作やコントロールで強化可能のようですが、相変わらず攻撃魔法を覚えないのは納得いきません。
ゲームだったらまず覚えるのは単体攻撃魔法でしょうし、ラノベなどの物語では補助魔法から覚えて比較的初期に単体攻撃魔法を覚えると思うのです。
それがですよ?
レベル3にもなって攻撃魔法を1つも覚えないとか、これは何という試練なのでしょうか、神様。
イモムシは攻撃しちゃダメ、とか決まりでもあるのですかね?
確かに、イモムシが攻撃って違和感はありますが、ゲームだったりすれば攻撃してくるのですが、この辺りはどう捉えたら良いのでしょうか。
と、愚痴を言っても仕方がありませんので持ち札でなんとかしないといけません、気持ちを切り替えていきましょう。
ノイズのお陰で蜂を気絶させる方法は確立しましたので、同じような天敵であるハエも同様に気絶させられると思います。
でもまだ出遭っていませんが、最大の天敵である鳥には通用するかがちょっと心配です。
明らかに、虫よりも鳥の方が精神は強そうですしね。
そうなると違う方法で撃退する必要があるのですが、イモムシが鳥から身を守る手段って見付からないか食べたくないと思わせるかしかないのが自然界のルールです。
一応薄い桃色の糸で蓋をしているとはいえ、桃(仮)に穴が開いていれば中に何か潜んで居る、高確率で幼生体が居る、と思うでしょうね、鳥も。
なので賢い鳥からは身を隠せないと思いますので、食べたくないと思わせる必要があります。
桜色のイモムシは食べたら甘そうですね、ありがとうございました。
その前に存在がレアである私には鳥に学習させる為の生贄は用意できませんので、見た目での排除は難しいですよね。
あ、そう言えばフェロモン生成で嫌悪物質を生成出来るのでした。
身体からフェロモンを出しておけば直前で諦めてくれるかもしれません。
いや、それは希望的すぎますね。
オチとしては嫌な感じだけど啄んでみたら美味しゅうございました、になりそうです。
だとしたらここに近づくのを嫌だと思わせる方がよいですね。
なのでここは種族スキルを最大限に活用して、嫌な気分にさせる妖精糸を作りたいと思います。
早速せっせと作り始めましたが、途中で悲しくなりました。
これ、鳥だけじゃなく、兄姉をはじめとしたお仲間候補も排除するのではないでしょうか、と。
増々ボッチ度が上がってしまいますね!
まあ、死ぬよりは良いですけどね。
あ、何時ものルーチンで訓練を作業に置き換えて一日過ごしておりましたら、またもや種族レベルとニートレベルが上がりました、成長期万歳です。
あと妖精糸ですが、魔力を多く込めると硬く丈夫になる事が判明し、種族スキルで針生成という物も習得しましたとさ。
飛び針という攻撃手段を得ちゃいましたね、これ。
ともあれ、鳥対策も何とかなって良かったです。
おやすみなさい、皆さま。
そしておはようござい、むしゃむしゃ。
初蜂撃退記念日の翌日を迎えた私は何時ものルーチンを熟しつつ、外敵襲来を警戒しておりました。
1時間経ち、2時間、3時間、数時間経っても外敵が現れる様子はなく、とても平和な一日が続いております。
もしかして、あの蜂は落下の衝撃で死亡したからここは他の蜂にバレていないのでは?と思い始めましたので、視界を飛ばして調べる事にしました。
うん、地面まで視界を飛ばすのはかなりきついですね、主にMPが。
直下の地表まで視界に到達した辺りでMPが約3分の1、そこから探すのに視界を移動させる為に視界継続でMPを更に消費という状況です。
外を集音という警戒を続けながらの作業なのでかなり増えたMPもどんどん減っていき、MP回復の為に桃(仮)を食べ続けなくてはなりません。
何はともあれ食べますが、幼生体ですし。
そんなこんなで1時間ほど捜索を続けておりましたら探索というスキルをレベル1で習得しました。
探し物をする時に補正があるスキルのようで、能力値の感知が高いほど効果が高く、風や光の魔法を併用すれば効果が上がるようですね。
かなり有用なスキルを習得できた事は喜ばしいですが、蜂の痕跡は発見出来なかったので嬉しさ半減です。
あ、でも地表の様子が分りましたので努力は無駄ではなかったと思うようにしましょう。
初めて植物や昆虫以外の生物を見かけましたしね、茶色いごわごわボディを持った巨体が主様の根の間で昼寝をしている姿を。
幻惑の森の熊さんです、ありがとうございました。
そしてこの熊さん、大きいです、本当に。
恐らく体長4m近くありそうな巨体で、やっぱりですが魔物でした。
ワイルドベアキングという種族でレベルは38、赤眼という名を持つボス様です。
解説によればワイルドベアと呼ばれる魔物の上位種で、205歳という長寿なお方でして、赤い眼は特殊な瞳のようです。
そう、みんな大好き魔眼所持者なのですよ、このボス様。
相手を恐慌状態に陥れる魔眼のようで、恐らく咆哮とかもしてくるでしょうから戦う前に勝負が付きそうな感じです。
エンシェントトレントである主様といい、ワイルドベアキングの赤眼様といい、この森は何処のラストダンジョンなのでしょうか。
ボスクラスの魔物が2体も居るとか魔境ですよ、魔境。
そんなところで最弱存在として転生した私は不幸なのでしょうか?
誰か教えて欲しいです。
うん、頑張って成体になっても生きていけるのか不安になってきました。
どう考えてもこの方たちには勝てそうにないですからね!
友好関係を築ける様に祈っておきましょう。
もしくは成体になっても引き籠っていようかな、職業ニートですしね。
あ、そんな事を考えていたらニートレベルが上がりました。
う、嬉しくないですよ、まったく!
さて、それから数時間経っても蜂の襲来はなく、時間だけがどんどん過ぎていきました。
その間私はルーチンを熟しつつ、赤眼様がどういう活動するのか観察を続けておりました。
しばらくはその場で寝ておりましたがいきなり立ち上がると歩き始め、どこかへ消えてしまいました。
あ、ただ魔法の範囲外で視界が届かなかっただけですが。
そしてしばらく経つと満足げな雰囲気で寝床であろう主様の根の間に戻って来て寛ぎ、また移動を繰り返すという行動を繰り返しです。
たまに口元が赤く染まっている時がありましたから、捕食行為をしたのでしょうね。
魔物とはいえやはり熊、肉食だったようです。
やはり敵対行動を取らずに友好的関係を深めたいと思います。
数時間の観察の結果、どうやら主様の根元を寝床、ベースキャンプとして周囲をパトロールしているようですね。
パトロールと言っても治安維持活動なのか捕食行為活動なのかは解りませんが。
などと熊さん観察を続けていた私の耳に、ブーンというようなハウリング音が聞こえてきました。
慌てて魔法を解除して視界を戻しても特に変わった様子は見受けません。
ならば外?と思って視界を外に飛ばすと複数の蜂の集団が飛来しているではありませんか!
蜂の襲撃は予想していましたが、複数で攻めて来るとは予想外です。
うん、イモムシ如きに撃退された恥を仲間に伝えるとは予想してませんでした。
あ、人間じゃないのですから恥を感じる思考がないかもしれないですね、蜂ですし。
それよりは脅威になりそうな相手だから仲間に警告を発する方が自然かも。
うーん、遠巻きにして近寄ってこない蜂が5匹、積極的に近寄ってくるのが3匹、その内1匹は昨日の蜂でしょうね、たぶん。
積極的な3匹は近寄っては離れを繰り返して、段々と離れる距離が短くなってます。
嫌悪のフェロモンに慣れ始めているようですね、これは。
もう少ししたら蓋を突破して来そうですし、やるなら今でしょうか?
撃退するだけならアクセラレータロアーで行けそうですが、出来れば外敵の数を減らしておきたいですね。
蜂たちを殺す、駆除をしておきたいところです、ここは。
そうなってくると飛針で攻撃という事になりますが、これだけの数を全てとか難しそうです。
などと考えていましたら痺れを切らしたのか、1匹突撃して来ました。
えーい、もうやるしかないようです。
取りあえず蓋の前にウィンドシールドを展開して蜂の突撃を弾き、衝撃で腹を晒した空きを逃さずに飛針発射!
針千本や剣山とはいきませんが、かなりの数の針を撃ち出して蜂の胸や腹、口内、眼に突き立て針山に。
ただし硬い外殻部分では弾かれたようで、ダメージは与えたようですがまだ生きてます。
貫通力は有っても細過ぎて威力はイマイチだったようですね、そりゃあ産毛よりも細い針ですし。
お客様の中に先端は鋭いけど太い針をお持ちの方はいらっしゃいませんか?
と、呼びかけている時間はありませんし、私が今作るしかありませんよね。
1本では細いと言うなら何本も束ねてしまえば良いじゃない!とばかりに早速太針を生成。
思わず、太すぎ!と、叫びそうになるぐらいの太さ、私の口と同じぐらいの針を生成して発射!
シューティングアシストの効果で寸分違わず蜂の額に突き刺さる、どころか頭部のほとんどを吹き飛ばして即死させました。
この光景には私だけではなく、他の蜂たちも唖然として落下していく死骸を眺めています。
うん、スズメバチよりも大きい異世界の蜂とはいえ、直径1cmの針が勢いよく刺されば洒落にならないようですね、予想外です。
さ、さて、折角呆然としている蜂たちが隙だけなのですから今の内にやっちゃいましょうか、きゅぃー。
こうして私は5匹の蜂を射殺し、各種レベルが大幅に上がるのでした。
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名前:サクラ=シンドウ(女/0歳)
種族:妖精種幼体(LV13)
状態:普通
所属:幻惑の森
職業:ニート(LV8) *高校生(LV11)/メイド(LV15)
HP:26/26 MP:53/120 SP:10/10
筋力:H 器用:H 敏捷:H 知力:A 魔力:C 感知:B 精神:C 幸運:G+
種族スキル:糸生成/フェロモン生成/針生成
クラススキル:集中力増加/省エネルギー/テリトリー
スキル:HP回復率上昇(LV2)/MP回復率上昇(LV3)/SP回復率上昇(LV1)/魔力吸収効率上昇/料理(LV4)/裁縫(LV4)/家事(LV5)/算術(LV4)
自己能力確認/鑑定(LV2)/魔力操作(LV4)/魔力付与/身体強化(LV4)/並列同期/探索(LV1)
光魔法(LV3):ライト/コンセントレーション/リモートビューイング/ヒーリング/トリートメント
風魔法(LV3):ウィンド/コントロール/サウンド/シューティングアシスト/ウィンドシールド
風魔法(創作):アクセラレータロアー/ノイズ
融合魔法(風光):リモートセンス
ギフト:異世界神の加護(小)/全言語解読/風属性適正/光属性適正
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お読みくださってありがとうございました。
次回の投稿日も未定ですが、今後もよろしくお願いします。