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9-4

「おー、凄い凄い。本当にアンデッドたちが自滅していく!」


「ええ、本当に素晴らしいですわ」


「えへへへへ。やっと皆さんのお役に立てました」


「姫はいらっしゃるだけで十分です」


2階層の転送部屋で小休止を取った後、私たちはいよいよ3階層までやってきました。


ここまでの所要時間が4時間とかなりのハイペースであり、このまま行けば今日中に5階層の階層主の部屋まで行けそう、な訳がありません。


3階層から難易度が一気に上がり、罠も自然を利用した物だけじゃなく魔法的な物まで出て来るからです。


3階層から新たに出て来る罠は闇魔法が関連する物で、地面のある地点を踏むと闇精霊の力が籠った杭が出てきたり、天井から闇精霊の力で出来た網が降ってきたリ、通路を通っていると突然他者から姿が見えなくなったりします。


闇魔法ダークパイル、ダークネット、シャドウハイドが掛けられてしまうのです。


地面からの杭はまだ発見し易いそうですが、天井からの網や姿が消える罠は発見し辛い。


ランタンなどの灯りで不自然な影が地面に浮かべば杭の罠の合図。


でも、天井や空間に影が出来ても発見が容易ではない。


なのでこの階層は罠に特段注意する必要がある場所なのです。


まあ、光魔法ライトを使っていれば無効化できちゃうのですが。


光魔法ライトは3種類の使い方があります。


その場の空間に光る球体を浮かべて設置する設置型、特定の物を明るくする付与型、自身を追尾する光る球体を浮かべる追尾型です。


基本は設置型で消費魔力も一番少なく、発動させると10分は持続します。


勿論魔力を多く込めたり光魔法コンセントレーションを併用すれば持続時間も長くなります。


最も消費魔力が多くて持続時間が短いのは追尾型ですが、移動中に使うなら一番使い易いのがこれになります。


そりゃあ、自動で付いてくるなら楽だし手ぶらで済むし、頭上に浮かべれば眩しくもないからです。


中間の付与型の場合は魔法の掛かった品物を持って行く必要があるし、身近な物が光っていると眩しくて仕方がない。


それに仲間が光を遮って影になり易いという点もデメリットです。


そこで今回は追尾型を使って進む事になりました。


そして使っているのはリリーさんで、彼女の光魔法にはアンデッドにダメージを与える効果が付いてますから3階層キラーともいうべき美少女なのです!


ただし、リリーさんは種族レベルが低くてMPが多くないし、魔法レベルも低いので持続時間が短く、小まめに魔法を使わなくてはなりません。


魔法の持続時間延長は魔力を追加すれば可能だし、こっちの方が消費魔力が少なく済みますので先ほどまでのように走ったりせずに歩いての移動。


ちゃんとタフネスは掛けてますから体力のないリリーさんでもずっと歩き続けられます。


ああ、歩いている理由はそれだけじゃなく、魔物対策、アンデッドを近寄るだけで倒す為の作戦です。


神官系が覚える破邪の光というクラススキルは使用した光魔法に瘴気を打ち払う効果を付与させ、神官系の基本職である神官でも(極小)が付くそうなのでアンデッドにちょっとずつダメージを与えます。


ゲームみたいに一撃で倒す、みたいな効果はないですが、それでも十分な効果といえますので、ここからはゆっくり移動する事になっております。


「秒単位でHPを削るマップ兵器ですか、恐ろしい」


「何か言いましたか、サクラさん?」


「いえいえ、何でもありません。そろそろ魔力が厳しくありませんか? これをどうぞ」


「これは?」


「魔力回復薬です」


「・・・何時の間に入手されていたので?」


「備えあれば憂いなしと言いますから常にいくつか常備してます。魔術師の基本ですよ。さあ、どうぞどうぞ」


「はい、それでは。んきゅ、美味しい! ええ、どうして回復薬なのに美味しいの! 凄い! でもこれって何の味だろう? 甘くてまろやかだし」


そうりゃあ、トウカの実を混ぜてますし美味しいはずですよ。


今リリーさんに渡したMPポーション、一般的には魔力回復薬ですが癒魔法で作った物で、私の場合は味付けに妖精魔法で果実を混ぜて美味しくしてあります。


一般的に売られている薬全般に言える事ですが、とてつもなく苦くて不味い。


私は正直飲みたくない味だったりします。


なので私のポーションたちは全部果実で味付けして美味しく仕上げてます。


「へー、そんなポーションなんて売ってるんだー。どこで買ったの、サクラちゃん?」


「えーっと、秘密です」


口に人差し指を当てつつウィンクしたら、それを見ていた全員から真顔を頂きました。


きゅ、きゅぃー!?




「そういえばリリーさんの職業は女神官でしたよね。その上の職業って何になるのですか?」


リリーさん無双な3階層ですからとってもゆっくりまったり出来まして、先ほどから雑談、一応私とミゥさんは警戒しておりますが、まるで洞窟探検にでも来た気分で歩いております。


ちゃんと自然系の罠があった場合は私の魔法で処理してますが、そちらはほぼ無いので出番がない。


なので、暇つぶしに他者の経験点の入り方とかを鑑定で確認しつつ移動しておりました。


リリーさんはこの階層に入ってから魔法を使いまくってますし、敵をどんどん倒してます。


なので種族レベル、職業レベル、魔法レベルの経験点がどんどん入ってます。


真っ先に上がったのは光魔法で現在レベル2になっており、先ほど職業レベルも1上がりました。


このまま行くと女神官をマスターしそうですから気になって神官系列の上級職に付いて質問してみたのです。


「えっと、通常でしたら神殿に入った者だけが神官になれて、その後は助祭、司祭、司教と上がっていくそうですよ。教皇、聖女、聖者、巫女といった有名な職業は特殊な条件があって普通は就けないそうです」


うむ、何気にリリーさんがこれだけ話したのを初めて聞きました。


神官である事が好きなのかもしれません。


「でも、私の場合は助祭、女性ですから女助祭には就けないと思います」


「それはどうしてですか?」


「それは」


アース世界とファンタジア世界の職業的宗教制度の違いが聞けた瞬間です。


こう聞くと大層な事のように聞こえますが、要するにちょっと違う程度の話。


アース世界の修道士とは、キリスト教の各宗派によって違いはありますが修道会に入った人がそう呼ばれるものです。


でもファンタジア世界の修道士とは、まず神官職になるには神殿に属して神官に就き、そのままレベルを上げると助祭、司祭となっていきます。


ただし、途中で神殿から抜けるとレベルを上げても助祭や司祭になれずに修道士になるそうです。


これはたとえ聖女とか司教であろうと、神殿を抜けてレベルを上げてマスターして転職すると修道士になってしまいます。


だからコンテラクト王国孤児院のシスターさんは、高レベルなのに現職がシスター、女修道士の上級職なのです。


ちなみに男性の場合は修道士、ブラザーと転職していくみたいですね。


「なるほど。神官系にも生まれや経験、ギフトの所持によって特殊職はありますし、もしかしたらリリーさんは女修道士以外になるかもしれませんね」


「そうですか? 私、特にこれといった特技もないですし」


「いえ、姫は存在自体がもはや奇跡です。サクラ嬢がおっしゃるように特殊な職に就けるでしょう」


「元とはいえ王女なのですから可能性はありそうですね、姫修道士とか」


「おお、間違いなくそうですよ、姫!」


「そ、そうかな?」


「ええ、そうに違いありませんとも!」


クロードさんのリリーさん至上主義が重くてやっぱり怖いです。


とか言ってましたら種族レベルと職業レベルが上がりましたね。


「あっ、これ、もしかして?」


レベルアップによる魔力の高まりは成人した人にとって慣れたものでしょうが、職業転職の瞬間の魔力の高まりは慣れていない。


なので、自身が転職した瞬間を感じれたリリーさん。


私は鑑定で確認してますので、さっそく職業が解りました。


「光の姫巫女ですきゅぃー!?」


「ど、どうしました、サクラさん?」


「そうですわ、先ほどからちょっとうるさいですわよ。安全だからといっても」


「何気にサクラちゃんって偶にきゅぃーって言うけど、何なんだろう? 可愛いけどねー」


おおう、リリーさんが特殊も特殊、他に見た事がない、といいますか、ユニーク職に就いたようです。


今まで色々な人を鑑定してきましたが、ユニーク職に就いている人はリリーさんが初めてで、巫女という職業名からもかなり特殊な、更に姫も付いてるから世界で唯一な職業です。


シスターさんが巫女候補だった事もあったのでちょっと聞いてみた事から考えるに、巫女って神やそれに等しい存在に選ばれた人でなければ就けないはず。


なので、何かしらのギフトは所持しているという事になります。


私程ではないにしても光魔法の経験点の入り方が凄いなぁ、と思ってましたが、もしかしたら光精霊に関するギフトを持ってそうです。


光の姫巫女なんて職業だし、光精霊が加護か寵愛を与えてると考えて間違いないかと。


今は無名ですけど、もし王選に勝利して王となったら勿論ステータスも調べるだろうし、一瞬で有名人になって名称が付きますね。


何となくで参加した王選ですけど、光精霊の関係者とあれば全力でサポートせねばなりません。


何せ私は光と風の精霊を補助する妖精さんですから!


「あ、リリーさん、疲れてないですか? のどか湧いてませんか? お腹空いてしてませんか?」


「ど、どうしたんですか、サクラさん?」


「む? サクラ嬢、姫のお世話は執事である私が致しますよ?」


「あの子どうしたのかしら?」


「何だかサクラちゃんまでリリーちゃん好きになっちゃったみたいだねー」


「さあ、さあ、さあ! 何でも言ってくれれば叶えちゃいますよー!」


「ええー!?」




ちょっと興奮しすぎて暴走気味の妖精少女サクラです、こんにちは。


あの後、一気にパワーアップしたリリーさんの破邪能力は、最下級アンデッドであるスケルトンやゴーストを一瞬で倒せるものに変貌しました。


転職前までは光に当たってから10秒ほど時間が掛かってましたが、それが一瞬です。


そして20秒ほど掛かっていたゾンビも1秒ほどでした。


更にですが、ゾンビなどのアンデッドが居る空間というのは腐った臭いが充満しているのでとても臭い。


アンデッドの腐臭は瘴気の関係でとても臭いのですが、それらも一瞬で消し去るのでまるで草原に居るかのような爽快さまで演出するようになりました。


そして何故か光を受けているとMPの回復速度が上昇してますので、光魔法リラックスと同じ効果があると思われます。


増々リリーさんの3階層キラーとしての腕が上がったという事です。


流石、光精霊のギフト持ち(仮)ですね。


フェアリーとして鼻が高いです!


さてさて、そんな感じで順調に進んでいる私たちですが、歩き続けて3時間。


3階層の目的地である転送部屋に到着しました。


この転送部屋で出て来るのはスケルトンの上位種であるスケルトンナイト、ゾンビの上位種であるゾンビナイト、ゴーストの上位種であるワイトです。


スケルトンの特徴は刺突だとほぼ意味がないし、肉がないので動きが早く、関節の可動域に制限がほぼ無いのでランク8ではかなり厳しい。


その特徴を持ち、防具や盾を持つスケルトンナイトは防御上手いので、ランク6でさえ厳しい相手です。


ゾンビは兎に角タフで中々倒せない相手だし、首ちょんぱーしても倒せません。


そんなゾンビの上位種であるゾンビナイトは武装してますので硬くもなって厄介過ぎる相手です。


ゴーストは通常の武器では倒せない、すり抜けてしまう存在で、魔法か魔力を帯びた武器でないと倒せない。


ワイトは特殊なゴーストで、死んだ冒険者の慣れの果てだと言われてます。


なので生前の職業や所持していたスキルによって大幅に強さが変わり、ランク4とか3の冒険者だった場合は無理ゲーだと言われてます。


無理ゲーとかこの世界の人が言う訳ないですが、女将さんが化けて出て来たと考えれば諦めるのが普通ですね!


あ、こんな事言ってたらワイトが出てきて大苦戦というフラグを立てたと思いました?


残念、違うのですきゅぃー。


「な、何ですの、アレは!」


「あちゃー、最悪だよ。まさかこれが出るなんて。事故に遭っちゃったね」


「あ、あのぶよぶよしたのは、な、何ですか!?」


「姫、お下がりください。アレはスライム。最も倒し難くく、遭遇したら逃げるのが最適と言われる魔物です」


「で、でもここって倒すまで出れない、よね?」


「はい」


「ええー!?」


はい、スライムさんでしたー。


しかもすっごく大きい、転送の魔法陣の大きさが直径4mほどなのですが、現れた瞬間に魔法陣が見えなくなって、そこから察するに5mはありそう。


動きはとても遅くてちょっとずつしか進んでませんが、進むというより増殖して体積を拡大しつつ近寄ってる感じですね。


「これがスライムですか。削っていけば倒せます?」


「いやー、無理だと思うな。スライムって武器で斬ったり潰しても、離れた体が本体に戻ってくっ付くしねー。それに鉄や肉を溶かす強酸性だよ、あの体」


「なるほど、そっち系のスライムですか」


「そっち系?」


「あ、お構いなく。それで倒し方は?」


「一応核があるからそれを破壊すれば良いんだけど」


「これほど大きなスライムであれば核に攻撃が届く前に止まってしまいますね。ちょっと見ていてください」


やっぱり核を破壊するしか倒せないスライムさんだったようで、クロードさんは詠唱に入りました。


なお、スライムさんの気持ち悪さに勝気なアルミラージュさんはガクブルと後退し、同じくガクブルなリリーさんと抱き合ってます。


美少女同士が抱き合う姿は絵になって良いですね、しかも怖がってますし。


ごほん、そんな事を思っているうちに魔法が完成したようで、クロードさんは火で出来た矢を飛ばす魔法ファイヤーボルトを発射。


薄っすらと見えるスライムさんの核目がけて飛んで行き、着弾して体を少し燃やすもすぐに消え、ちょっと体積を減らしただけでした。


それすらもすぐさま元に戻り、どんどん体積を増やしております。


「この様に魔法でもこうです」


「なるほど。では物理ではどうでしょうか?」


私は足元に落ちていた石を拾ってぽいっと風魔法シューティングアシストの効果で剛速球を投げる。


その速さに全員目を見張りましたが、着弾してスライムさんの体をちょっと吹き飛ばすも石は溶かされ吸収されました。


そう、吸収です。


どうやらスライムさんは何か物体を取り込むとそれを体の一部としてしまう性質があるようですね。


「これは下手に攻撃できませんね。逃げるのが一番な理由がわかりました」


「かなりピンチなのにサクラちゃんは冷静だね」


「慌てても仕方がないですし、幾つか攻略法は思いつきましたので」


「おおー!」


「では早速1つ目を。クロードさんは火魔法のレベルは3でしたしファイヤーウォールも使えますよね?」


「ええ、使えますよ。ただ、流石に私の魔法では倒せませんよ? 火を使った攻略は過去にも事例がありますし」


スライムさんは小さい内なら子供でも倒せちゃう弱い魔物ですが、大きくなるにつれて難易度が上がります。


過去最大級の大きさを誇ったスライムさんは発見した時は3mほどの大きさだったそうですが、討伐を失敗してどんどん成長し、最終的には1kmを超す巨大なものになりました。


1km級のスライムさんとか、どこの風の谷出身の粘菌さんですか?と言いたくなりますが、もはや人が倒せるレベルではないという感想だけは誰もが浮かぶはず。


まあ、このスライムさんは最上災害級魔物認定、魔王の名を与えられたとっても有名な方です。


暴食の魔王という名称を持ったこのスライムさんは幾つもの村を取り込み、やがて国すらも飲み込む勢いでした。


いや、そこまで被害出てたら国としての維持は出来ないだろうというとツッコミは無しにして、どうやってこれを倒したかといえば結局は焼き殺しました。


魔王スライムさんの進攻方向に巨大な穴を、それこそ全体が入るぐらいの窪地を作り、その中に大量の油を入れてオイルの湖を作って誘い込みました。


そしてやってきた魔王スライムさんはオイルの湖に飛び込み、オイルを吸収して更に体積を増やし、さあ、次は都市をと思った時に火が投げ込まれたのです。


スライムさんの弱点は実は火です。


何せ体の99%が水分ですから蒸発されちゃうと困りますし、だからこそ子供でも倒せちゃうのです。


ですが、体積に応じて火も大量に必要になりますので大きくなると普通の火ではどうもできません。


ですから油を取り込んで燃え易くした状態で周りから火を投げ込みまくったのです。


魔王スライムさんを討伐するのに掛かった日数は、事前準備を除いても3日間。


昼夜問わずずっと松明を投げ込み続けてやっと倒せた、伝説の一コマだったりします。


「魔王とまではいかない個体とはいえ、私の魔法では火力が足りません」


「そうですか。まあ、試してみましょう。スライムの手前に発動してくださいね」


「分かりました、サクラ嬢。やってみましょう」


クロードさんはきらりとでも効果音が付きそうな笑みを浮かべ、詠唱に入り、10秒ほどで魔法が完成しました。


「素は全てを焼く炎の壁となれ、ファイヤーウォール!」


ごー、という炎が立ち上がる音が響いて目の前が赤く染まる。


その炎の壁はスライムさんの行進を阻むべく立ち塞がった。


炎が邪魔でよく見えないのでよく分かりませんが、余り効果的じゃないのは何となく分かります。


ですが、ここからはアース世界の知識を活かしたチート技でサポートしましょう。


「ウィンド」


私が使ったのは風魔法ウィンドで、風を起こすだけの魔法。


風を起こすだけとはいえ、物が燃える現象、燃焼と呼ばれる酸化現象に必要な要素の1つである酸素の供給をしてるのです。


燃え盛った物に燃料を追加すればどうなるか?


それは目の前に答えがあります。


「こ、これは!」


火の勢いが増して2mほどの高さだった炎の壁が3mとなり、風に煽られてスライムさん全体を覆いつくすような炎となりました。


風や炎の音で分かりませんが、スライムさんが焼けてじゅーっという音がしていると思います。


酸性の物を燃やすと危険なガスが出そうで怖いですが、まあ、何とかなるでしょう。


やがて炎が収まり、姿を現したスライムさんは目に見えて体積を減らしていました。


「おお、凄いよ! これだだったら倒せちゃうね! 後5、6回は必要?」


「恐らくは。でも、そんな事したらこの部屋に毒が充満して私たちが倒れますね」


「ええ!? ダメじゃん!」


じゃん、ってミゥさんはどこ出身ですか。


あ、中央地域だから合ってるのかな?


さておき、流石に有毒ガスや酸素量の心配もありますので、余りこの手は使えませんね。


「毒ですか。流石にこれ以上は出来ませんね」


「まあ、なので、もう1つの手で行ってみますね」


「え? サクラちゃん、何してるの?」


「不用意に近寄ったら危ないですよ、サクラ嬢」


次の手段、多分これで倒せるはずの手を使うべく、スライムさんに近寄りました。


「大丈夫ですよ。それと言ってませんでしたが、私、申告したよりも魔法が得意なんです」


「え? 何言ってるの、サクラちゃん?」


スライムさんは焼かれたのでぷるぷる震えて僕悪いスライムじゃないよ、なんて言う訳もなく、失った体積を取り戻そうと増殖を繰り返してちょっとずつ近寄ってきます。


このままだと私も取り込まれますし、さっさとやったいましょう。


「久しぶりに使いますね、フリーズ」


「凍ってる?」


「まさか」


「「「「氷魔法!?」」」」


はい、液体生物なんですから凍らせちゃえば良い、なんてありがちな展開、テンプレですよね、きゅぃー。


酸の凍る温度の氷点、いえ、酸だから凝固点が何度なのか知りませんが、液体を凍らせる魔法であるフリーズで凍らせられないなんてない。


魔法はイメージでその効果が決まるファンタジーなので、私がそう思えばある程度は融通を効かせてくれます。


なので私が凍ると言ったらスライムさんだって凍るんです。


魔王スライムさんほどの大きさだと絶対に無理でしょうが。


そんな事を思いつつ、氷魔法フリーズを使い続け、氷スライムさんの完成です。


かっちんかっちんですよ!


「はい、これで良し。後はみんなで砕いて倒しちゃいましょうか」


「「「「ちょっと待てー!?」」」」


「きゅぃー!?」


満面の笑みを浮かべて振り返ったら、全員からそうツッコミを受けました。


何故ですきゅぃー!?




その後全員で氷スライムさんを砕いて美味しくいただきました。


勿論、経験点という意味ですよ?

お読みくださってありがとうございました。

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