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8-7

新年1回目の投稿。


仕事が休みの方が忙しいって一体・・・

本人は軽く捻った程度のつもりも周りからしたら凄い事をしていた妖精少女サクラです、こんばんは。


空が茜色に染まる時間帯。


後1時間もしない内に夜になりそうな気配漂う草原で、アイアンアントたちの群れと戦闘中。


後方で歩哨をしているだけのはずが戦線を抜けた蟻たちを迎え撃ち、度肝を抜いた模様。


私にしたら訓練レベルの戦闘も、他の人にとっては死を覚悟するレベルだったようで、唖然から疑問、混乱へと精神状態がシフトしていったようです。


先ほどから今の何?とか素手で殴って倒すのは異常とか視線を向けただけで倒したとか色々騒いでます。


そして数名私の傍までやってきて、まるで悪い事をしたかの如く質問攻めです。


「な、何ですの、今のは!? あり得ませんわ!」


「サクラちゃん、流石にやり過ぎ。というか女将さんの言う通りだったけど、信じられないよ!」


「エルフの娘! 今のは何だ! そもそも出来るならなぜ言わん!」


かなり興奮しているのか私が何か言う前に被せてきますから会話になりません。


取り敢えず煩いので風魔法サウンドで音量を下げましょう、きゅぃー。


うん、静かになりました。


さて、ここでのんびりしていても良いですが、他の場所も苦戦、というかかなりやばそうですから何とかした方が良いのかも。


なので強制的にですが、落ち着いてもらいましょう。


「そんな場合ではないですし、落ち着いてください。リラックス」


「あ、うん、そうだねー」


「まさか光魔法まで高レベルで使えるなんて」


「魔法を使ったのか? いや、確かにそうだ、それどころではないな」


「犠牲者がこれ以上でないように手を打ちましょう」


「む? だがどうするのだ? お前が全て倒すとか言わないよな?」


「時間が掛かりますし、倒すのは皆でやりましょう。私が行動不能にしますので」


「は?」


「お、サクラちゃんやる気だねー。確かに早く終わらせて帰らないと明日のシフトに支障出ちゃうからね」


そうです、私とミゥさんは明日の昼営業でウエイトレスの予定が入ってますし、早く終わらせてしっかり寝たいのです。


なのでちょっとばかりがんばっちゃいましょうか。


そういう事でして、まだ何か言っている指揮官さんの発言は無視しまして騒いでいる冒険者さんたちに指示だしです。


押さえて動かなくしたら簡単に倒せる相手ですし、止めだけはどんどん刺してほしい、と。


どうやって動かなくするのか、という質問については実戦して見せました。


何せこちらに近寄ってくるサンプル君たちがいますからね。


「きゅぃー」


あ、思わずきゅぃーと鳴いちゃいましたが、風魔法アクセラレータロアーです。


この魔法は精神で抵抗すれば無意味な音波を発生させる魔法。


人間や動物などだと行動を阻害する程度にしか効果を発揮しませんが、虫とかだと気絶させる事ができちゃいます。


しかも広範囲に効果を及ぼせるので近寄ってきた十数匹のワークアイアンアントも一網打尽。


かさかさかさと音を響かせていた相手もぴたりと止まり、隙だらけになりました。


「と、このように魔法でどんどん気絶させますから止めだけお願いします」


またもや唖然としていましたが、近寄っても襲ってこないところ見せたら顔を見合わせ恐る恐る近寄り、武器で突いてみたりして確かめ、安全と分かったら皆で止めを刺し始めました。


「さて、この様に安全に倒せますからこのまま巣穴の入り口まで制圧しちゃいましょう」


「そ、そうだな」


それでは早速やっちゃいましょう!




こうして始まった私たちの進攻はとても順調で、私が先頭に立って進み、どんどん気絶させました。


私の後ろに続く冒険者たちが喜々として止めを刺し、今まで災害級魔獣に恐怖していた憂さを晴らすかのようにどんどん討伐していきます。


途中で倒された兵士さんの、もはや残骸となってしまった死体に遭遇したところではあまりのグロテクスさに一部の冒険者さんたちは近寄れず、群がっていた蟻たちはミゥさんが全て処理しました。


他の場所でも倒された兵士さんや冒険者さんが居るようで、そちらも危なそうですから一度全域にアクセラレータロアーを展開。


地表に出ていた蟻たち、ワークアイアンアントやアイアンアントナイトを全て気絶させ、戦っていた冒険者さんや兵士さん全員を一瞬行動不能にしちゃいました。


その所為で一度戦いの場が沈黙してしまいましたが、ここで指揮官さんの出番です。


さあ、折角なので見せ場をお譲りしますよ、大きな声でどうぞ。


「う、うむ、任せろ。全軍に告ぐ! 驚いただろうが今のは魔法だ、安心しろ! 相手は全て気絶した。今の内に全て討伐しろ!」


指揮官さんの声は私の風魔法サウンドの影響で辺りに響き渡り、皆意味が解らないといった感じでしたが動きが止まったり落ちたり倒れたりする蟻たちを見て気が付いた。


本当にアイアンアントが気絶していると。


そこからは怒涛のラッシュの始まりです。


今まで手古摺っていた相手が気絶、止まった状態なのだから思いっきり叩きつけても隙にならないからどっかんどっかんと攻撃開始。


私たちの後ろから付いてきていた冒険者さんたちもそれに加わり、ワークアイアンアントをどんどん倒して行きます。


ただし、アイアンアントナイトは硬過ぎるので一撃では倒せず、攻撃された衝撃によって気絶から回復するものが出てきました。


「ふっ、私の剣を受けて見ろ! くっ、硬いな! えいえいえい! なっ、動き出しただとっ!?」


「レギンさ、ぎゃー!?」


そりゃあ、鉄並みに硬い甲殻相手に鉄製なのか鋼鉄製なのか知りませんが騎士剣で攻撃しても倒せませんよ。


やるなら頭部と胴部の付け根の柔らかいところを攻めて首を切らないと。


世話が焼けるなぁ、と思いつつ、ここで倒れられても面倒ですから助けますけどね、きゅぃー。


動き出したアイアンアントナイトにブロウを連発して倒し、アルミラージュさんに声を掛けました。


「アルミラージュさん、大きいのは私たちで倒しましょう」


「ええ、その方が良さそうですわ」


アルミラージュさんの妖精鉱の剣は切れ味も凄いのでアイアンアントナイトの甲殻も貫けるようですし、貸した魔剣の効果もありますから安心して任せられます。


そこからは新たに出てくる蟻たちにアクセラレータロアーを浴びせて気絶させつつ、アイアンアントナイトだけをどんどん倒します。


私やアルミラージュさんだけではなく、ベテランの冒険者さんたちも蟻の弱点を知っているようで首の関節に刃を突き立てその数を減らす。


そしてある程度倒した辺りで湧き出る蟻がまだまだ止まらないので私はその対策を取る事にしました。


気絶させても後か後からやってくる蟻たちに踏まれて回復して復帰するだけですし、それならと巣穴の入り口まで近寄り蟻の死骸をどんどん投げ込みました。


地魔法が使えるなら穴を塞ぐとか出来たかもですが、使えないので有る物で代用です。


巣穴に向かってアクセラレータロアーを使い、奥の方まで気絶させてどんどん投げ込む。


そのうち手の空いた人たちも手伝い始め、巣穴の中が蟻の死骸だらけになった頃、出てくる蟻たちも完全に止まりました。


ふぅ、これで何とか一休みできますね。


まあ、この後巣穴に突入という大一番が待っているのですが、取り敢えずはかなり減ったMPを回復させてください、きゅぃー。




蟻たちが出てこなくなって落ち着いたのか皆所々に座り込み、休憩に入りました。


怪我をした人はポーションを飲んで治してますが、軽い傷ならいざ知らずアイアンアントに噛まれた場合にはそれでは治りません。


そういう人たちは基地まで一旦搬送して街まで送るか回復魔法を使える魔術師や神官を呼んでくるかとなりました。


私が回復魔法を使っても良かったのですが、それよりも早くMPを回復して次の手を打ちたいので黙っておきました。


ちょっと前に回復魔法の話をしたはずですが、指揮官さんからも何も言われませんしね。


なお、現在私は妖精魔法で木の椅子を作って座ってリラックスし、融合魔法コンバートでMP充電中です。


あ、喉も乾いたのでリンゴのジュースを取り出して飲みました。


うん、美味しい。


「いやぁ、サクラちゃんってば何でもありだねー。何でウエイトレスなんてしてるの?」


「本当ですわ。これほどの実力があれば何でもできますでしょう?」


「成り行き? 私、どうしても欲しい魔法道具がありまして、ダンジョンに潜りたいのですよ。その為にランクを上げないといけませんから」


「あー、魔法道具は貴族や商人じゃないと買えないしね。王選に出て貴族になりたいの、サクラちゃん?」


「いえ。聞いた話だとダンジョンで新発見したり新しい区画に到達したらソーサリアン魔法王国に招待されると聞いたものですから」


「ソーサリアンかぁ。えっと、さ、サクラちゃん。ソーサリアンなら誰でも買えるだろうけど、この街でも女将さんに紹介してもらえば買えるよ」


「え?」


「だって女将さんは王選で何度も勝ち抜いてるし、ランク3まで到達した元冒険者だし貴族だよ。確か伯爵位を持ってるんじゃないかな」


「ええ!? あの方貴族でしたの! まったく見えませんわ」


「だよねー。ただのおばちゃんだもん。あ、今のは女将さんに言っちゃダメだよ?」


今、何を言われたのでしょうか、私は。


女将さんが貴族?


女将さんに頼めば魔法道具が買える?


た、確かに大型の魔法コンロを買って酒場の厨房に設置してましたし、買える伝手はあるのでしょう。


そうかぁ、私って頑張ら無くても買えちゃうのかぁ。


そう思うとダンジョンに入るためにコツコツポイントを溜めていた日々が無駄に思えて悲しくなりました。


いや、でもウエイトレスをしてなければ女将さんに頼めないでしょうし、あれはあれで間違ってなかったのでしょう。


でも、と思ってしまうのは仕方がないですよね?


そんな落ち込んでしまった私を他所に、アルミラージュさんとミゥさんは私が作った椅子に座って女将さん談義をしておりました。


「おいおいおい。こんなところで暢気だな、お前ら」


「あ、マチスさんじゃないですかー」


「知り合いなんですの?」


「罠関連のお師匠さんなんだよ、マチスさん。小さい子が好きみたいだから簡単に教えてくれたよ」


「ちょ、おま、何言ってんだよ、ミゥ!」


「え? まさかそんな人でしたの?」


何だか身の危険を感じる話をしてますが、いつの間にかマチスさんが近寄って来てました。


彼の傍にクランメンバーと思われる人もいますので、何か進展でもあったのでしょうか?


「おい、マチス。お前マジかよ。ちゃんと考えろよ、歳。もう俺たち30近いんだから」


「ちげーよ! って、そんな話をしに来たんじゃねーよ。巣穴攻略の話だよ、巣穴の」


「あ、突入するんですか? でももう暗くなってきてますし、夜間に突入って大丈夫ですか?」


「どうせ中は暗いから一緒だ、と言いたいがやりたくねーな。まあ、巣穴周りに篝火は用意してくれるみたいだが」


ふむ、先ほどから余裕がありそうな冒険者さんたちが何かしていると思ったら篝火の準備ですか。


「それで穴を塞いでいる死骸を退かせて突入しろ、と命令だ」


「退かせたらまた蟻が出てきますよ? それはどうするんですか?」


「それも冒険者でやれってさ。兵士のやつらは怪我人が多くて現在は治療魔法兵待ちだとよ」


ああ、それで兵士さん全員基地に戻ってるんですね、疑問が解けました。


しかし危険な任務には冒険者だけで、自分たちは安全な場所にとか酷過ぎますね。


あの時助けずに大怪我させて街まで帰した方が良かったかも。


でも、兵士さんたちがいないなら私の考えた作戦をやっても止められそうにないですね。


「そうですか。でしたら私に巣攻略の案があるのですが聞いてくれます?」




「それでは良いですか? 皆さん一斉にいきますよ。はい、お願いします」


「「「「「「「「「「おう!」」」」」」」」」」


どどどどどどど、と轟音を響かせ始めた篝火に照らされた草原。


30名もの人たちが円を描いて立っている。


まるで何かの儀式のようなその光景は、篝火の灯りと相まって幻想的です。


「いや、全然幻想的じゃねーし、何言ってんだよ」


「あ、口に出てましたか、すみません」


「しかし、アイアンアントの巣に水攻めって」


「蟻の巣に入らずに攻略できるのですから良いじゃないですか。といっても時間はかなり掛かりますけどね」


蟻の巣に水を流し込んで蟻を溺死させられるか?


前世の幼少期に蟻の巣を見て疑問に思い、それを思い出した中学生時代にネット検索してみたところ、水量と時間が問題、だと分かりました。


最初は水死させられない、という回答でしたが納得がいかずに昆虫学者さんが居るような大学を検索、ホームページの質問コーナーを見つけて投稿して昆虫学者さんに回答してもらいました。


水量とは巣穴が全て水で埋まるよりも多い量で、時間は短時間で巣穴が水浸しになれば、との事です。


理由としては蟻たちは雨などの浸水対策の為に水捌けを良くし、巣穴の入り口や区画ごとに土を盛り水の侵入を防ぐからです。


ただし蟻などの昆虫は中々窒息死しないので、一気に大量の水を流し込んで長時間流し続けないといけない、と。


更にいえば巣穴の入り口が狭いと蟻たちは工夫して水が入り難くしているのでそれを崩す必要があるらしいです。


まあ、今目の前に開いている穴は直径10mと巨大ですからそのまま何もしませんけどね。


「それよりもこれだけの魔法道具を所持している事が不思議ですわ。それとそれが入る魔法鞄も」


「私の一族なら欲しいかも。水源確保が大変だったし。でも街で水が無限に出せる樽って需要あるのかな?」


「私の所でも各家庭に需要はあるはずですわ」


そんな物欲しそうに見つめてあげませんよ?


水攻めに使っている魔法道具である樽は妖精の花園にて赤眼様用の予備たちです。


赤眼様サイズの子樽サイズのジョッキですが、赤眼様が物足りないとおっしゃいましたので大樽サイズになりまして、大樽でも赤眼様は怪力ですしどれだけ丈夫に作ろうとすぐに壊れます。


なので花園だけじゃなく私の空魔法ストレージ内に沢山予備を入れて持ち歩いていたのです。


魔力を込めれば水の出るこの魔法の水樽、正確には果実を入れて使えば発酵するので魔法の酒樽は立てた状態だと半分まで溜まり、傾けているとずっと水が湧き出ます、しかも1秒に60リットルも。


それを穴の周りに30個並べて一斉に魔力を込めれば毎秒1800リットルの水が蟻の巣穴に流れ込む。


巣穴の規模がどれだけ巨大なのか知りませんが、約5分で一般的な学校のプールの水が溜まる量ですし、水浸しにするだけなら時間は掛からないかと。


後は水死する時間ずっと流し続けたら巣穴の殲滅は完了すると思います。


問題は卵の存在ですが、水棲生物の卵じゃないから水に浸かっていれば溺死するはずです。


まだ幼虫になっていない卵は流石に無理でしょうけど、それは後日対策してもらいましょう。


さて、魔力を注いで水を流し続けて1時間ほど経った頃、入り口付近まで水面が。


こうなってくると水量を減らさないと溢れるだけで意味がないのでストップです。


「はい、お疲れ様です。10個だけにして後はやめてもらってよいですよ」


やっとかー、とか、もう無理とかいう人たちが続出してますが、MP変換効率が良いこの魔法道具でもMPを流し続けるという行為は流石に慣れていないでしょうし無理はないかと。


そもそも1人でずっと流し続けれる方は誰もおらず、子供や駆け出し、ベテラン関係なく入れ代わり立ち代わりで魔力を注いでもらってました。


ただし私は監督役といいますか、最初に手本を見せた後は這い出てきそうなアイアンアントを見つけたらアクセラレータロアーを使う役に徹してましたけどね。


手早く20個の樽を回収して妖精鞄に入れるふりをしながらストレージに収納。


後は水を流しつつ様子見です。


と、思っていたのですが兵士さんが近寄ってきました。


「先ほどから君たちは何をやっているんだ?」


「ああ、司令官様の言い付け通り蟻の巣を攻略してるぜ」


「巣穴の周りで騒いでいるだけに見えるんだが」


「水攻め中だ、水攻め。何が悲しくて俺たちだけで突入しなくちゃならないんだ?」


「み、水攻め?」


どうやら中々巣穴に突入しない私たち冒険者の様子を見に来たようですね。


その兵士さんにはベテランさんたちが対応してくれてますので私は巣穴の様子を見てますが、どうもちらほら私に関する事を言っているようです。


確かに作戦を立てたのは私ですし、魔法道具である魔法の水樽を提供したのも私。


説明するには必要だと思いますけど、そんな事を言われても兵士さんも私に疑わしい目を向けてくるだけですよね。


勿論、そんな目で見られようと声を掛けられなければ無視なのですが。


と、思っていると微かに地面に振動を感じました。


「ん? あれ? 揺れてる?」


そう感じたのは私だけではないようで、隣で巣穴を覗き込んでいたミゥさんもです。


「この辺りで地震なんて、って確かに揺れてるし、どんどん大きくなってるな」


振動は段々大きくなってきてますから他の人も気が付いたようで、皆騒がしくなってきました。


私の前世は地震大国日本ですから慣れてますけどこの世界の人はあまり慣れていないようですね。


しかもこの辺りは地震なんて発生しないらしく、皆不安そうにしてます。


「それにしても地震ですか。ちょっと違う気がするのですよね」


「違う? どういう事ですの?」


不安なのか私に近寄ってきたアルミラージュさんは私の呟きに反応してそう返してきましたが、これは地震というより何か大きな物が近くで動いている感じです。


例えば大型トラックとかが通ると建物が揺れたりするあの感じ。


でもこの世界にはトラックなんてありませんし、そもそも草原を見渡してみても暗いから良く解りませんが大型の何かが動いているように見えない。


それでまさかと思って地面に耳を付けてみましたら、何やら地中を動くような大きな音が響いているのが聞こえました。


これってもしや、と思った時、揺れが大きくなり轟音を響かせて何かが飛び出てきました。


ただし基地がある辺りで。


騒ぎ声がここまで聞こえるので相当大きな声で沢山の人が叫んでいるようで、暗くて見えませんが基地で何かが起きたようです。


「何か起きたな」


誰かがそう呟き、ここに居る全員の視線が基地側に向いているのを確認。


しかし完全に日が落ちて夜になった草原で500m先なんて見えるはずもなく、怒号や悲鳴だけが響きます。


どうも巨大な何か、いえ、蟻が基地を襲っている、そんな声でした。


流石にこの距離だと見えないし、ここは見えるようにしてみましょうか、きゅぃー。


光魔法ライトを使って辺りを昼間のように明るくし、基地で暴れる相手のシルエットが浮かび上がりました。


それはとても巨大、今まで倒してきた蟻よりも圧倒的に大きな蟻でした。


「あ、あれは女王蟻か!」


過去に蟻の巣討伐に参加して生き残った事があるベテランさんの誰かが言ったその言葉を聞いて、全員固唾を飲みました。




どうやら女王蟻さん、溺死したくないと地面を掘り進んで地表に出てきたようです。


これは大事件ですきゅぃー。

お読みくださってありがとうございました。


明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

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