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1-3

本日投稿分の3話目です。

1-1~1-4を投稿します。

エンシェントトレントである主様には敵対しない、と決めた訳ですが、イモムシってば植物から敵勢生物扱い受ける存在でした。


何せ生存に必要な光合成の要である葉っぱを食べ散らかす存在ですからね、害虫駆除される対象なのです、私。


そういう訳でして早速ですが選択のお時間です。


食事を優先するか、敵対行動を取らないを優先するか、の2択です。


食事を優先した場合は、おそらく栄養や魔力が豊富な主様の葉っぱか果実を狙うという物です。


敵対行動を取らない場合は、死を覚悟して他の植物へ移動する。


なぜこの様な選択肢になるかと言いますと、イモムシの食事事情と主様の大きさに起因します。


イモムシは草食昆虫ですから他の生物を捕食して栄養にする事がない、それに捕食出来そうな対象がほぼいない、という点。


一応同族ぽい私より遥かに小さなイモムシもちらほら見かけますよ?


鑑定の結果、どうやら私の卵の周りにあった残骸から生まれたイモムシたちだと思いますがうにょうにょ動いております。


後はアブラムシみたいなのもいますからこれらを捕食すればいけそうな気がしますが、多分胃が受け付けないでしょう、食中毒になりたくありません。


そして主様の大きさですが、どれぐらいかは判りかねますがまずもって枝や幹の大きさが半端ないのですよ。


幹の大きさや下を覗いた時の感覚から行くと地上数百mはありそうな感じです、スカイツリーに昇った時これぐらいでした。


自身の大きさからの対比計算した場合、おそらく地上20mとかそれぐらいの高さだと思うのですが、見上げると主様の天辺が見えないのでおそらくかなり下の方にある枝ではないでしょうか、ここは。


さて、お分かり頂けましたでしょうか?


選択肢が2つなどと申しましたが、実は選択肢は1つしかなかったのです!


敵対関係になるのを恐れずに主様の果実をゲットだぜ!と行くしかないのですよ、私には。


そういう事で、果実へ向けてうにょうにょへこへこ移動している私なのでした。


あ、ごめんねお姉ちゃん、お兄ちゃん。


ちょっと通してねー。




かなり時間を掛けて移動してまいりました主様の果実の上でございます。


何せ巨大な樹ですし、体感地上数百mの高所で命綱なしのアクションですから慎重に移動しましたとも、ええ。


落ちたら物理的に死ぬかどうかはさておきまして、まず間違いなくショック死するのが解ってますし、必要以上に丁寧に進みました。


無駄に多足へと意識を集中していたものですから途中でスキルを習得するハプニングがあり、驚いて転げ落ちそうになりました。


お陰でしばらく動けませんでしたとも。


それで新たなスキルというのが身体強化というものでして、レベル1を習得しておりました。


これはよくある身体能力を向上させるスキルでして、ほんの僅かですが身体能力に関する能力値である筋力、敏捷がアップするという物でした。


ステータスで確認しても変化が見られませんでしたが僅かながらに上昇している感覚がありますので間違いないでしょう。


そして10秒に付きMPを1点消費するという事も判明し、無駄にあるMPを消費させる手段が手に入りました。


これでラノベによくあるMP枯渇から回復を繰り返せばMP増加を試せるようになりました。


まあ、まずは食事が先なんですけどね。


あ、序と言ってはなんですが、魔力操作のレベルが1上がり、レベル2になっておりました。


どうやら相当集中していたようで、知らず知らずに多足に魔力を集めて行動していたようです。


何となくレベル1だった時よりも魔力の動きが滑らかで動くのが早くなった気がします。


レベルが上がった事での検証はこれぐらいにして果実を頂こうと思うのですが、上から食べると間違いなく途中で果実が落ちますよね。


なのでもう少し下の方、中間地点ぐらいまで移動して下の方に向けて食べていく事にしました。


まあ、大きさから行って食べつくすのに数日、十数日掛かるでしょうけどね。


では、早速頂ましょう、がぶっと、な。


う、うまーーーーーーい!


思わずきゅぃーと叫んでしまうほど甘くてじゅーしーな果実でした。


あ、外見としては桃によく似た果実なのですが、皮は硬くないが弾力性のある私の卵みたいなものでした。


そう、皮からしてとっても美味だったのです。


もう、そこからは一心不乱に食べましたとも、むしゃむしゃ。


皮の厚みは大したことなかったようで、中身まで到達すると甘い匂いが強くなり、しゃくっと一口すればまたもや、きゅいーと一声!


イモムシとしては皮の方が美味しく感じましたが、前世女子高生な私はやはり実の方が美味しく感じます。


うん、まるっきり桃ですね、触感としては。


ただ、甘味は私が今まで食べたどんな桃よりも甘く、匂いが若干違います。


まあ、取りあえず主様の果実は桃(仮)としておきましょう。


正式名称は上位妖精樹の果実、なのですが。


そして一心不乱に食べてお腹が一杯になり、休憩がてらの訓練を繰り返して数時間、私はレベルアップしました。


これで私もレベル3の幼生体です。




どうもこんにちは、レベル3の妖精種幼生体のサクラです。


レベル3になった私のステータスですが能力値に変化はなく、HPが2増えて6に、MPが10増えて20になりました。


この時点で2になった時と違う結果、そう、MPの増加率に変化があったのです。


僅か5の差ではありますが、おそらく摂取した魔力の量と吸収率の差が関係してくるのではと思います。


ああ、あとMP消費で最大値アップを試してみたのですが、この主様の実である桃(仮)を食べてると自然とMPが回復するんです。


ですから最大値の増加には至りませんでしたが新しいスキルを習得しました。


それはMP回復速度上昇というスキルでレベル1です。


どうやら休憩、と言いますか体を楽にしていると辺りに存在する魔力を体が吸収しているようで自然にMPって回復するようです。


その回復速度が僅かながらアップしてますから中々良さそうなスキルを習得できました。


あと、新たに種族スキルという項目が出てきまして糸生成というスキルを習得してました。


どうやら種族レベル3が条件だったようで僅かですが口から糸が出せるようになりました。


これ、どうやらMPを消費するスキルらしく、身体強化と合わせて2つ目のMP消費材料が手に入った訳です。


そして肝心の糸なのですが正直ちょっと引っ張るだけで切れてしまうほど弱いものでして、しかもほんのり桜色した綺麗な糸だったりします。


これが製糸できれば、そして布にして服とか作ったら可愛いのができそうだなぁ、としばらく眺めておりましたが、ふと疑問に思うことが。


一体、この糸は口のどの部分から生成されてるのでしょうか?


鏡がないので口の中がどうなっているか解りませんが、なんとも不気味な話です。


これは深く考えたらいけない案件のようですね、棚に上げておきましょう、棚なんてないのですが。


さて、一心不乱に食事と訓練を続けていたので外はもう夕暮れ時でしてそろそろ寝床を確保しないといけません。


昨日まででしたら卵、それの残骸があったので外敵から身を隠しながらの睡眠が取れていましたが、ここは実の上ですので隠れる場所がないのです。


かと言って、こんな時間から移動を開始すると途中で暗くなって周りが見えなくて危険なので下手に移動とかできません。


更に言うなら、こんな場所で睡眠でもしたら怖くてあまり見えていない体感数百mの紐なしバンジーをする事になりそうです。


さて、どうしたものかなぁ、と思ったのですが目の前にちょっとしたへこみ、私の体がある程度入れそうな穴があるじゃないですか。


そうです、私が食べた跡です。


選択肢がありませんし、ここを寝床にするしかありませんね、用意する事に致しましょう。




そういう事でして、私は早速寝床の用意をする事にしたのですが、そこで役に立ったのが糸生成スキルです。


いくら切れやすい糸だからと何も無いよりはマシと言えるぐらいには役立ちました。


出来るだけ体が落下しないように糸を吐き出し縁を作り、更に体が埋まるように実を食べて穴を大きくしていきます。


食べている内にお腹が一杯になって、また休憩を兼ねた訓練。


そんな事を続けていたらすっかり辺りが暗くなりました。


流石に暗闇で作業を続けるのは厳しい、灯が欲しい、切実に。


私は灯を手に入れる努力をする事にしました。


灯と言えば、火を熾すなどの光源を確保する事が必須なのですが、こんな場所で火なんて熾せそうにありません。


まず果実の中なのですから水分が豊富ですし、火を熾す道具がありません。


そうなってくると火を出すスキルとかを獲得する無いのですが、どうやったらそんな事できるのでしょうか?


火を吐くイモムシとかゲームでは登場しますけど、あれって火に関する魔物だからという理由で火は居てましたよね、なんちゃらクローラーとかいう魔物。


その点私は妖精種幼生体ですから火とは縁遠い存在だと思います。


どう考えてもフェアリーが火を吐くとは思えないのですよね、ですから火を手に入れての灯は出来そうにありません。


そうなってくると、スキルによる光源確保、もしくは暗視などの暗闇でも見えるようになる手段の確保です。


そう言えば、暗視って僅かな光でも見えるだけであって完全に光がない場所だと意味がなかったような気がします、不確かですが。


そうなると、暗視、いずれは欲しいですが今はさておいて僅かでも可能性があるスキルによる光源確保、そう、光魔法の習得です。


別に魔法である必要はありませんが、妖精が使える光源って有りだと思うのです。


ほら、ほのかな光に包まれた妖精さんって定番ですよね。


妖精光と呼ばれるものに包まれてるのが定番ですし、いけると思うのです。


まあ、私は現在妖精といっても幼生体のイモムシですから難しいと思われます。


でも、魔法の方だったら神様が授けて下さった恩恵、ギフトに光魔法適正がありますので。


じゃあ、どうやって魔法を習得すればよいのでしょうか?という疑問が再捻出してきたのですが、ここはオタク知識を頼ってみましょう。


魔法を使うにあたって一番多いのは、魔力を変化させて、という行です。


ほとんどの作品で魔法という幻想を表現するための燃料を魔力に頼っています。


おそらくこの世界ファンタジアでも同じだと思います、というかそうであって欲しいと切実に願います。


その次に魔力を変化させるの行ですが、詠唱して、か、イメージして、か、回路を通して、に分かれると思います。


詠唱して、に関しては言語のない魔物ですら魔法を使う場合は無理難題のムリゲーですからパスします、だって私はきゅぃーですから。


ではイメージか回路になるのですが、回路って何?とまたもや疑問が生まれます。


まあ、この回路の話はかなり凝った設定でないと出てこないシステムなので、昨今の作品にはほとんど出てきませんけどね、説明シーンで困りそうですし。


なのでここは一番簡単であろうイメージして魔法を使うを選択したいと思います。


ああ、最後に。


魔法が発動する時の鍵となる行為ですが、魔法名を唱える、もしくは、指を鳴らす、などの特定動作による発動が主な設定です。


作品によっては魔法名を唱えながら魔力を通すと特殊効果、魔法陣が出現した後に魔法が発動ってのありますけどね。


魔法陣が現れるのはかっこいいので採用したいところですが、そこはファンタジア世界の設定がどうなっているか解りませんので期待だけしておきましょう。


では、そういう事でして、早速光源確保の魔法、光魔法の習得を始めたいと思います!




結果から言いますと、光魔法は習得できました。


ただし数時間後、夜明けを迎えるほんの少し前にですけどね!


翌日、私はまたもや状態異常になりました。

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