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1-2

本日投稿分の2話目です。

1-1~1-4を投稿してます。

むしゃむしゃむしゃ。


異世界人生、否、虫生初の第一歩を踏みしめようとした私ですが、ここはボッチ天国、卵の中でした。


まずはこの卵の殻をどうにかしないといけません。


触った感じ、頭で押しただけですが、どうやらそれなりに弾力性があるも破れる程度の装甲のようです。


体当たりでもすれば行けるかな?とじーっと眺めておりましたらまたもや体が少し熱くなるあの感覚が!


========================


名称:妖精の卵 ランク:レア


解説:妖精の卵。


========================


鑑定の効果?なのでしょうか、頭に情報が浮かんできました。


しかし、なぜランクだけ英語解説なのでしょうか。


さて、さておき検証のためにステータスチェックです。


大きく能力値やレベルに変わったところはなかったのですが、スキルに鑑定が追加されておりました。


レベル1とはいえこれで物が何なのか解るのはとてもうれしい。


ついでに鑑定能力で自身を見てみましたが種族と種族レベル、簡単な解説だけ見れました。


どうやら鑑定レベルによって見れる項目に差が出るようです。


ですが解説にちょっと気になる事が書いてありまして、妖精の亜種の幼生体、と。


そう、私、どうやら妖精でも亜種、レアな存在のようですよ。


やっぱりピンク色、というよりも桜色のイモムシは相当珍しい存在のようです。


などと考えながらイモムシの性なのか、卵と確定したこのぶにぶにうぉーるに齧りつきました。


なにせまず最初に行うのは自身の卵を食べる事から始めますからね、イモムシは。




ふぅ、食べ始めて体感的に1時間経ちましたがまだまだ卵は原型を留めています。


ある程度食べたところで外が見えましたから顔を突っ込んで外の様子を眺めましたらあら不思議。


すでに外は夜明けを迎えていたようで、朝日が眩しく、そして改めて現在どのような位置に居るのかが解りました。


現在、私は木の上、枝の上に居るようでして、普通葉の裏なんかに卵を産むと思うのですがどうやら周りに遮蔽物がない状況のようです。


巨大な木の上なのか、それとも自身がやはりミニマムすぎて対比で大きく見えるのかは不明ですが枝や木は大きいです。


でも、ちょっと待ってください。


私、やっぱり普通じゃない?そう思うものがすぐ傍にありました。


ほとんど原型が残っていませんが、幼虫の卵の残骸が見えるのですがとっても小さいです。


どう見ても私の頭分ぐらいしかありません。


対比を考えると私の10分の1程度の大きさですから私の体長は2cmと仮定できそうですね。


・・・私、成虫、じゃなかった妖精の成体になった場合、どれぐらいの大きさになるのでしょうか?


でも妖精さんてば身長15cmとかありそうだからそんなものかな?と思う事にしましょう。


しかし2cmの幼虫が入った卵かぁ。


そんな大きな虫の卵とかちょっと遠慮したいかなぁ、私の事ながら。


取りあえずお腹いっぱいですからちょっと休憩です。


この割合で行けば卵を全て食べきるのに丸1日掛かるでしょうから。


休憩がてらステータスチェックや自己鍛錬を行うことにしましょう、腹ごなしに。


という事でまずはチェックしてみて気が付いたのですが状態が普通に、そして種族レベルの経験点を1点ですが獲得していました。


そしてバーが10%程伸びていましたのでどうやら食事をするだけでイモムシはレベルアップするようです。


なるほど、外敵に襲われずに生き延び、食事をしていれば成長していくという自然の摂理はこのように表現されるようです。


これはかなり朗報です。




さて、鍛錬といっても鑑定を使うか魔力を感じる練習をするかしかやる事がないのです。


普通、鍛錬と言えば身体を鍛える行為ですがこのぷにぷにぼでぃではそれができません。


手?足?兎も角多足を動かしても筋力アップしている様子がありませんし腹筋を鍛えようにもこう狭い場所ではどうしようもありません。


それにニートが体を鍛えるとか多分マイナス補正が掛かるはずです。


ですから先ほどから見える範囲の全てに鑑定を行っているのですが以下のような結果が得られました。


========================


名称:幻惑の森の主(男/2035歳)


種族:エンシェントトレント(LV35)


解説:妖精樹の最上位種。


========================


木がただの木ではなくモンスターでした、ありがとうございます。


ゲームなどで考えるとこの木、森の主様は上位の魔物であり、名付きのエリアボスです。


色々な曰くがあるトレントですが、歳経た樹が魂を宿した存在だったり、魔力や精霊が宿った存在だとか言われる者です。


人間に協力的だったり敵対的だったり様々ですが、決して序盤で出会う存在ではないですね、生後3日なんてありえません。


取りあえず敵対したら即死確定ですからできるだけ友好関係を築きたいところですね。


なお、この主様絡みで枝や葉、実も鑑定できたのですが魔法の杖や魔法薬の素材に最適という結果が出ました、流石2035歳です。


後、他の卵の残骸の結果がただの蝶の卵だったのには逆に驚きです。


おそらく私は普通の蝶の突然変異として妖精種になった存在なのでしょう。


そのように思ったのは感によるところ大きいですが状況と鑑定結果から考えたら多分間違ってはいないかと。


さらに言えばこの樹がトレントだったから、幻惑の森などと名付きの森だから、その主に植え付けられた卵だから妖精種へ変異したと、思われます。


何せ魔力だか精霊力に溢れた場所ぽいですものね、如何にも妖精さんが居そうな所です。


あ、ちなみに鑑定出来たのは主様絡みで4種、卵の残骸で1種、計5つで鑑定の累計経験点が6になりました。


どうやら経験点が入るのは種類別に1点のようで同じ対象、同じ種類には1回しか獲得できないシステムのようです、先が長すぎて心が折れそうです。




考え事をしていたらお腹が空きはじめましたので卵攻略を再開です。


むしゃむしゃむしゃ、と食べながらステータスをチェックしておりますと中々経験点が入りません。


どうやらお腹が空いた状態から満腹になるまで食べてやっと1点獲得できるというシステムのようです。


うん、ちょっと食べただけで経験点ゲット出来てレベルアップとかどこぞの課金アイテムですか?と聞きたくなる話ですからこんなものでしょう。


ただ先ほどの考察から思い至るにこの妖精の卵はただの栄養や経験点の塊だとは思わないのですよね、なんせレアですし。


あり得るとしたら主様養分だとか魔力だとか精霊力とかそういった物が混入されている可能性です。


そのあたりを意識しながら感謝しながら頂く事に致しましょう、むしゃむしゃ。


そしてその甲斐が有ったのか、お腹一杯になったあたりで例の熱が体に!


ステータスチェックの結果、魔力吸収効率上昇という新たなスキルが増えておりました。


効果は魔力を効率良く吸収出来る、というふんわりとしたものですが、このスキルを得た事で副次的な効果、いや、こっちこそ本命といえる物を得ました。


それは魔力がどういう物か解るようになったのです。


卵の殻を噛み砕き、胃で消化しているとなんだか不思議な熱のような物が体中に流れていくのを感じるようになりました。


そう、あのスキルを覚えるときに感じる熱、それが魔力だったのです!


どうやらこの世界ファンタジアではスキルを覚えるという行為は、魔力がその効果に最適化されて体や魂に刻まれるシステムのようです。


その事から考えられるのは魔力の大小によりスキルの習得数や効果に差がでるのではないか、という事です。


流石に他の生物と比べないとはっきりしませんが、おそらく正解だと思います。


これで今後の行動が決まりました。


妖精種とはいえ幼生体はイモムシという最弱存在ですから出来るだけ外敵に遭遇しない、発見されないように隠れて行動する。


そして少しでも力を付けるために栄養が良い、魔力を多く含んでいそうな物を食べる。


その為にも隠密性が上がるようなスキルや魔力を感知出来るスキルを習得する事が必須な気がします。


気配を消したり魔力を感じたりは何となく能力値の感知の項目が関係してそうですし、私が伸ばすステータスは魔力と感知に絞った方が良さそうですね。




そんなこんなで丸1日、ニート天国だった卵の殻を食べつくして生後4日目の昼。


いや、だって夜は寝ないと寝不足で状態異常になりますから丸1日とか休みなしは勘弁してください。


そして私の現在のステータスはと言えば、こうなりました。


========================


名前:サクラ=シンドウ(女/0歳)


種族:妖精種幼体(LV2)


状態:普通


所属:幻惑の森


職業:ニート(LV2) *高校生(LV11)/メイド(LV15)


HP:4/4 MP:10/10 SP:10/10


筋力:H 器用:H 敏捷:H 知力:A 魔力:C 感知:B 精神:C 幸運:G+


クラススキル:集中力増加/省エネルギー


スキル:料理(LV4)/裁縫(LV3)/家事(LV5)/算術(LV4)/自己能力確認/鑑定(LV1)/魔力吸収効率上昇/魔力操作(LV1)


ギフト:異世界神の加護(小)/全言語解読/風属性適正/光属性適正


========================


レベルが1つ上がりHPやMPが増加、そして魔力操作のスキル習得しました。


序に体も少し大きくなったもようです。


魔力操作の効果ですが体内の魔力を操作する事が出来るスキルのようで、魔力を体中に巡らしたり1つのところに集めたりできるようになりました。


オタク知識から行けばこの魔力操作を駆使すれば魔法が使えたり身体強化が出来たりするはずです。


ただしレベル1で出来る事なんてほとんどないですから魔法の使用や身体強化はレベルが上がるまでお預けのようです。


まあ、魔力を操作出来るといってもすっごく遅くてちょっとずつしか動かせないので現在では本当に意味がないスキルですね、今後に大いに期待です。


とは言え、転生直後の事を考えたらかなり進歩した私ですから例え亀さんの歩みな速度でも贅沢を言ったらいけませんよね。


などと思ったあたりで違和感と言いますか、間違いに気が付きました。


たった4日でこれだけ成長とか普通ではあり得ないのではないでしょうか?


いくら成長の早い虫、しかも幼生体だとは言え、この速度はやはり異常な気がします。


これも神様の加護の恩恵なのでしょうか?それともやっぱり亀さん速度なのでしょうか?


ただのイモムシの成長を思えば遅いように思いますが、人間で考えたらこの4日でスキルを4つも習得するのは異常だと思います。


さて一体どっちなのでしょう?と考えてみましたが、答えが出るわけもなく、取りあえず次なる餌を求めて移動する私です。


さあ、美味しい食材を求めて冒険へ旅立ちましょう!と意気揚々と私は歩き出したのでした。


口からでたのはきゅぃーという可愛い声でしたけどね。

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