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本日の投稿は1話のみです。
色々ありました昨日、言語が日本語だった件について、は一晩考えましたが結論は出ず、取りあえず同じような言語が存在している世界なのだろう、と思う事にしました。
アース世界の神様はイケメンおにーさんですから私が過ごし易い世界へ導いてくれたのでしょう、言葉の壁を気にしないで過ごせるように。
でも言語は一から覚える必要がある、とか言っていたような記憶があるのですけど、はて?
なので恩恵として全言語解読を貰ったのですが、これって意味なかった?
でもよく考えたら私も全ての日本語、特に日本語英語やビジネス英語的な物を理解しきれていませんから、それが解るようになるのはうれしいかもしれません。
やっぱり神様が下さった恩恵はすごいです!
その事実だけで十分ですね。
さて、気が付いたら朝日が眩しくなって来てましたから顔を洗ってリラックスを使い、眠気を飛ばして出発です。
次の目的地である王都までは乗合馬車を利用する事になってますからね、どれだけ寝不足であろうとも。
ジュリアナさんを起こして朝食を取り、停留所まで向かい私たちは馬車に乗り込みました。
そして初めて乗る馬車の旅は最初こそウキウキしてましたがだんだんと飽きてきたので質問タイムに突入です。
「言語? ああ、この辺りは大陸でも中央地方だから標準語だな」
「標準語!?」
「そうだぜ。北の方に行けば言語形態は似てるけど意味が解らない言葉とか使うしな。確か北方語だっけか」
まるで方言みたいなものでしょうか。
後次なる疑問、大陸という言葉が出てきましたので流れで聞いてみましょう。
聞けば聞くほど訳が解らなくなってきますが。
「えっと、念の為に聞きますが、太陽や星は回ってるんですよね?」
「言ってる意味が解らねぇ」
「ああ、もしや天動説のお話しですか?」
「あ、それです」
乗合馬車なので同乗者も当然いる訳で、近くに座っていた商人ぽい男性が話に割り込んできました。
あ、今日も外套を被ってエルフと分からなくしております。
「お、流石商人だな。学がある」
「まあ、偶々知っていただけですが。大昔はこの大陸を中心に太陽が回っていると考えられていたのですが、天体観測が発達して天動説ではなく地動説が有力になったのですよ」
「神に聞いたとかではなく、学者が提唱したのですか」
「ええ。ただし太陽神や月冥神の神殿で神託を行い、地動説は証明されましたけどね」
ほら、どんどん疑問が湧いてくるワードが。
「あ、そういや孤児院のシスターもそんな事言ってたな」
「そ、そうですか。でしたらこの世界は丸い球体なんですね」
「「「え?」」」
私の発言にジュリアナさんや商人さん、それとなく話を聞いていた人たち全てが反応しました。
こいつ何言ってんの、といった感じです。
「きゅ、きゅぃー。だって地動説ですよね? だったらこの世界が星、球体でなければ観測とかしても難しいのでは」
「何言ってるんだお嬢ちゃん。この世界は平面だぜ。世界の果ては海で滝になってらぁ。かの偉大なる冒険家、冒険者の祖フェルディナンドが発見した常識じゃねぇか」
「へ、平面世界なのに地動なのですきゅぃー!?」
「ええ、そうですよ。これも神託で証明された事実ですからね。お嬢さんはよほど箱入りだったのでしょうね。素晴らしいお召し物を着ていますし、どちらかの富豪の出ですか?」
「そういやシスターが信仰してるのは女神ツキヨミ様だっけか、月冥神の。まあ、私は嵐神スサノオ様を信仰してるからどうでもいいけど」
「やっぱりあなたは冒険者なのですね。多いですからね嵐神様の信者が」
「商人の旦那は太陽神アマテル様か、やっぱり?」
だからどんどん疑問というかこの世界、ファンタジアの違和感の半端なさが浮彫になっていくのを如何にか出来ない物かと小一時間問い詰めたい。
えっと、アース世界の神様。
ファンタジア世界って一体何なんですきゅぃー!?
私は神様談義が始まった車内で一人呆然としているのでした。
さてさてさて。
流石の疑問ラッシュで再起動するまでかなり時間が掛かりましたが、昼休憩のために馬車が止まりましたから思考が再起動しました。
色々疑問が湧いて止まりませんが、聞いても常識だからと言われてしまってはどうしようもありません。
そして私の疑問を説明するのに前世の話をする必要が出てきますから、それも出来ないので話はそこで終了です。
と、取りあえずそういう物だと思う事にしておきましょう。
解決出来ない案件は一端脇に避けておくのが正解だと思います。
まあ、私は悩みに思考を没頭させておく暇がなかったといった方が的確ですが。
「それで、ジュリアナさんはこのお嬢さんとどういう関係で?」
「ああ、サクラにちょっとお願いをしててな。それで王都に向かう予定なんだよ」
「へぇ、そうなのですか。ちなみにそのお願いとは?」
「ああ、こう見えてもサクラはそれなりに魔法が使えるからな。弟の病気を診てもらおうとお願いしたんだ」
「ほう! 小さいのに魔法を。そのような神童とどこで出会ったのですか?」
「あれは私が幻惑の森に入っ」
「あー、その。私たちは森近くで出会いまして、その縁で同行しているのですよ」
またうっかり発動しそうになってましたね、ジュリアナさん。
それに相手は商人なのですからうかつな事を言えばむしり取られますよ?
先ほどから危険感知が若干反応してますし、私の身に着けた衣服などからお金の匂いを感じ取ったのでしょう。
お陰で外套も脱げずにそのまま食事ですよ。
なお、食事は昨夜泊まった宿で作ってもらったサンドイッチをテイクアウトしたものです。
硬くてパサパサなパンのサンドイッチなので食べるのがちょっと大変です。
ほら、ジュリアナさんも目をそらしてないでちゃんと食べてくださいね。
私が適当にストーリーを話して商人さんからの追及を躱し、食事も済みましたのでジュリアナさんを連れて馬車から離れました。
一応辺りを見回ってくるという名目でですが。
こういう事は冒険者だったらよくある事、そして女性だったらお花摘みに、で馬車の人たちも止める事無く離れられました。
そしてある程度距離を置いた私は偶然発見した薬草を採取しながらジュリアナさんに注意喚起を促しました。
「お、これって薬草じゃないか。流石エルフだな、こういうのを見つけるのが上手い」
「偶々ですよ。それよりもあの商人には気を付けてくださいね」
「ん? 何でだ?」
「商人というのはお金になるなら何でも扱いたくなる人たちなのでしょう?」
「んー、まあ、程度の差はあれそんな感じだな」
「だったらこの馬車の旅、しかも安い乗合馬車を利用した私たちの姿でお金の匂いを感じとったはずですよ」
「へ?」
「気付いていなかったのですか? 同乗者のほとんどは若干体臭が臭いましたが、私たちは無臭、いえ、ちょっと良い香りです」
「ああ、そういや普通はあんなもんだから意識してなかったな。でも私たちはサクラの魔法で綺麗にしてるし、香水も付けてもらったしな」
はい、私は綺麗好きですし、花や果実の香りを香水にしてちょっと付けてますよ。
だって乙女ですから。
「それと私の魔法は衣服の汚れまで取りますから」
「そうだよ。サクラの魔法って本当にすごいよな。・・・ああ、そうか。そこまで出来るサクラが金になる、もしくはサクラがその伝手を持ってると思うからか」
「おそらく私が魔法を使える話をしてしまっていますから、そういう魔法の使い方を知っていると思っているはずです。私みたいな魔術師は少ないのでしょう?」
「聞いた事ねえな、サクラみたいな魔術師は。でもエルフだったら妖精魔法とかいう不思議な力を持ってるだろ? 出来そうではあるんだよな」
「そうなのですか。でも、それなら尚更エルフとバレたら何をされるか解りませんね。何とかして借金を負わせたり犯罪者にして奴隷にするとか」
「か、考え過ぎじゃねーか?」
「人間は強欲ですからね。現に私の知っている人間は、金になるからとよそ様の家の物を勝手に持ち出そうとしてましたし」
「あ、はははははは、は」
まあ、こういう事でしてファンタジア世界の事で悩んでいる余裕がないのです。
人里って本当に怖いですよね。
その後私たちは馬車の旅人に戻り、王都へ向けて発進しました。
そういえば言っていませんでしかたがこの馬車は2頭立ての幌馬車であり、10名ほどが同乗できます。
荷台の端に座椅子が設けられており、まるで電車のような感じですね、通路部分に相当するところはかなり狭いですが。
私たちはジュリアナさんが冒険者なので最後部、すぐにでも馬車から飛び出れるよう席が宛がわれており、これは冒険者の特権と義務だそうです。
冒険者ギルドに所属している者は乗合馬車なら無料で乗れる特権と、魔物や盗賊などの襲撃、有事の際には戦う義務が発生するそうです。
私は冒険者ではありませんからちゃんとお金を払ってますし、有事の際でも動かなくてよいのですが。
まあ、そんな狭い馬車なので、会話などしてたら全部聞こえますし、気軽に話しかけてくる人が出ちゃうのですよね。
「うーん、やっぱりすごいですよね、その服」
この商人さんのように。
「そうですか?」
「私は鑑定なんて使えませんから解りませんが、それでもすごいとは見ただけで感じますね」
妖精布製ですからね、そう感じるのは当然でしょう。
こんな事なら雑貨屋でクッションだけではなく、外套も買っておくべきでした。
お金がないので買えなかっただけですが。
「ありがとうございます」
「どこで手に入れたので?」
「お教えするとでも?」
あまりにもしつこいですし、危険感知の反応がどんどん強くなってきましたので、あしらい方も雑できついものになってきました。
ジュリアナさんはしゃべるとうっかりを発動するので黙ったいるように言いくるめています。
それでも話を振られた場合は知らないの一点張りで行くように指示してますが。
「そう言わずに。ジュリアナさんはご存知無いので? あとお付けになっている香水はどこで?」
「わ、私は知らない。この香水もサクラから分けてもらったものだし、出所は知らない」
ほら、ちょっとでもしゃべると余計な事を言い出します。
「やっぱり香水でしたか! ねえ、教えてもらえませんか?」
「しつこいですよ。あなたはご自身の商売の種をおいそれと他人に話すのですか? もしそうなら二流、いえ、三流なのでは?」
私のこの返しには相当頭に来たようで、危険感知の反応が森の魔獣並みにまで上がりました。
そして怒気、とまではいきませんがその雰囲気を商人さんがまき散らし始めましたので、車内の雰囲気は最悪です。
えっと、私も言い方がまずかったとは思いますが、ボッチにコミュニケーション能力を求めてはいけないと思います。
そんな人生初の馬車の旅ですが、その日は大きな出来事、荒事は発生せずに夕方を迎える前に宿場町に到着しました。
まあ、その宿場町でバイオレンスな出来事に巻き込まれてしまうのですが。
巻き込まれたというより、私が狙われただけなのです。
は、波乱万丈過ぎてファンタジア世界の謎について考える余裕がないですきゅぃー!?
お読みくださってありがとうございました。




