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どうもこんにちは、魔術師を極めた妖精少女サクラです。
妖精さんは無邪気だとされていますが、やっぱり無邪気だなぁ、と感じる今日この頃です。
先日初めて生物を目の前で殺すという行為を行ったのに、夢に見るとか怖くて引き籠るとかそういう気配は一切ありません。
妖精という種族がやっぱりそうなのか、イモムシなんていう虫生活を体験して思考が変わったのか、それとも神様の加護のお陰なのか、もしくは最初から?
などとちょっと悩みましたけど、赤眼様や花園の仲間たちから容赦の無い、いえ暖かいお声を頂いてすっかりそんな事考えている余裕が無かったのです。
ここ数日で主様の根元には冷蔵装置が数個設置され、水飲み場が深層部に行かないと無いからここにも欲しいと作ったり、私はどこの業者ですか、ってぐらい働きました。
魔法が便利過ぎて便利屋扱いを受けている気がしてきました。
まあ、頼られて嫌な気はしないんですけどね!
さて、魔術師レベルが20に到達しましたので転職を、の前に極めた際に覚えた新しいクラススキルが詠唱省略(極小)というものだった、と報告しておきます。
そもそも私は詠唱なんてした覚えがないのですが、これイメージを若干補完してくれる効果があるようです。
元々詠唱というのがイメージを補完するために行う技術の事で、赤眼様によれば慣れない内はした方が良いと教えて頂きました。
ですがそこはオタク文化を国策としているジャパ~ンな国な元人である私には無用なもの。
想像創造妄想はお手の物、オタクのイメージ力は世界一~!
なので詠唱で練習しなくても普通に使えていたようです。
コツとしてはやる前に妄想、げふん、考察して想定を立てる、ですね。
この話を聞いた赤眼様は信じられない生物を観る目をされていましたが、そうです私はユニークですから!
大幅に話がそれてきましたので元に戻しましょう。
それで転職先ですが、元々転職可能だった妖精術師に加え、魔術師の上位職である上級魔術師、魔女、魔法少女が選択可能なようです。
上級魔術師は魔術師の強化版であり正統進化の職業のようですね。
魔女は魔術師の強化版であり女性限定職業、しかも効果増大に主を置いたもののようです。
そして魔法少女ですが、これも強化版の女性限定っていうところは魔女と一緒なのですが、年齢制限あり、要するに幼児期じゃないと慣れない職業だったのです。
人だったら間違いなく天才扱いされるでしょうね、幼児期で基本職である魔術師をマスターしちゃうのですから。
まあ、私の場合はパワーレベリングと神様の加護のお陰でかなり早かったですが。
それで魔法少女の特徴は魔女よりも効果増大に特化した、と言いますか一撃に全てを賭けるブレイカーな職業です。
赤眼様によればフェアリープリンセスの1人が魔法少女だったらしく、SP全消費で当時の赤眼様が瀕死の重傷を負う魔法攻撃を受けたとか。
「うむ。あやつとはあれで絆が深まった感があるな」
「どこの白い悪魔!?」
うん、魔法少女は魔砲少女だったようです。
ところで少し気になったのが、フェアリープリンセスってフェアリーの2段先の上位種ですよね?
それなのに魔法少女って、まさかそこまで行っても幼女ということなのでしょうか・・・
私の疑問に答えてくれたのはやっぱり赤眼様でして、どうやら個体差があり、同じフェアリープリンセスでももう1人は大人びていたそうですよ、ほっ。
なお、厳密には魔法少女ではなくその上位職であるマジカルプリンセスという一撃必殺を極めたような職業に最終的にはなっていたそうですよ、そのフェアリープリンセスさん。
さてさて、それで転職なのですが、マジカルプリンセスという職業名にかなり惹かれるものがありましたが、ここはあえてメイドを極める事にしてみました。
何故に?とお思いかと存じますが、前世の思い出に浸りたいという気持ちとレベル15だからマスター早いでしょ、という1対9の割合で決めました。
だってメイドを極めて上位職が何なのか確かめたいじゃないですか!
これでも私はオタク少女の端くれですからコレクション欲は人並み以上だと自負しております。
自慢できる事ではありませんね、反省です。
そういうことでして、メイドへと転職です!
そして私の気配が薄くなり、声掛けされる頻度が大幅に下がりました。
しくしく。
何気に闇魔法がレベル2になっていたので覚えた新魔法ハイドシャドウを実験、あの蛇系魔獣が使っていた影に潜むやつですね、隠密性が増大していたので本当に声掛けされてません。
この魔法を使うと自分が入れる大きさの影の中に入るように見えるだけで実はその場にいる、というイリュージョンマジックだったのには驚きです。
二次元文化のように影の中に潜めたらスニークミッションでスネークを超えれそうだったのですけどね、残念です。
そのように影が薄く、いえ、気配が薄くて気付かれ難い隠密メイド少女サクラは妖精さんらしくいたずら心が芽生え、花園の仲間たちにどれだけ気付かれずに接近できるか、なんて事をし始めました。
偶にはこういう遊びも必要だと思うのですよ。
何せ私はファンタジア世界に来てから仕事ばっかりの毎日で、まるでアース世界のお父さんみたいです。
食っちゃ寝は仕事じゃねぇ、とか聞こえません、きゅぃー。
そんなスネークごっこをしていた私ですが、聞き覚えの無い声を聴いたのです。
「姉さま帰ってこないねぇ」
「そうね。お姉さまどこまで行ってるのかしら?」
「どうせ、姐御の事だから振り回して暴れてるのでは?」
「あり得るわねぇ」
「「「いや、そうに違いない」」」
うん、誰もいない、いえ、ちょっと先でウサギさんたちがゴロゴロしてますけど、目の前にはタンポポとかアブラナなどの雑草系の草花が生えてるだけです。
こ、これは目に見えない幽霊さん?
もしくは精霊は実はしゃべるとかそういうオチですか?
などと思って魔力視スキルを起動させてもそれらしいものは見えません。
しいて言うなら目の前の草花たちが若干魔力多め?と思える程度です。
まさか、と思って鑑定を使ってみたのですが。
「ねぇ、何だか見られてない?」
「凄く視線を感じるわね」
「まあ、私たちの美しさだと仕方ないわね」
「いえいえ、他の花の方が綺麗よ、あなたと比べたら」
「なんですってー!?」
鑑定結果はダンデライオン?とかレープシード?とか普通の草花ぽい感じです。
いや、待ちましょう。
?って何ですか?って。
これってもしや、あれなのでしょうか?
「えっと、樹妖精さんたち。喧嘩は良くないですよ」
「ええ、そうよあなたたち。みっとも無い」
「栄えある薔薇姫の眷属たる令嬢がする事ではないわ」
「ええ、そうね。ごめんなさい」
「こちらこそごめんなさいね」
「うん、やっぱり樹妖精さんが擬態してたのね」
「「「「何故バレましたの!?」」」」
うん、樹妖精マンドレイクの皆さんが近くに棲んでいた件について。
樹妖精というのは植物の運行を補助する妖精種の事で、樹木系はドライアド、草本系はマンドレイク、その二つの亜種である花のマリーベルという種族名が付いているそうです。
フェアリーである私のような羽妖精などの精霊の運行を補助する妖精とは違った進化形態をしていて、初めは種から始まり意識を持つのは芽が出始めた頃なのですって。
でもマリーベルに関しては蕾が出来始めた頃から意識が芽生えるようで、そこもまた違った種族だと思わせてくれました。
「妖精樹とは親戚になるのですか?」
「うーん、どうなのでしょう? 私たちの主であるエフェメラル様はそういう事に疎いので知らないわ」
エフェメラルなる人物ですが、薔薇姫の名を持つ樹妖精の上位種アルラウネだそうです。
そう、名付きの妖精さんなのですよ、その方。
名が付いているという事は、人との接触があり、そこそこ以上に有名って事ですよね。
人里に行ったり帰ったりをしていた妖精さんなのでしょうか?
「その薔薇姫さんはどちらに?」
「中層に入ると出掛けられて帰ってこないわね、一週間前から」
「そ、それほど前に? ん?ちょっと待ってくださいね。何時からあなた方はここに住んでるのですか?」
「早い者で二週間ほど前かしら?」
「ええ、確かあっちで眠っている子が最初ね」
「えーっと。あなた方がこの花園の事を動物たちに伝えたのですよね?」
なお、現在のマンドレイクさんたちには擬態を解いて人型、妖精の姿に戻ってもらっていまして、身長は20~50cmと幅があり、容姿も幼い大人びている綺麗可愛いと千差万別です。
特徴としては体の一部に植物が生えている、頭に花だったり、尻尾のように根が生えていたり、背に翼のような葉が生えていたりなどです。
そして最大の種族特徴は女性しかいない、これではないでしょうか!
あれ?
そういえば赤眼様から聞いた羽妖精たちもみな女性でしたね。
これは一体どういう事でしょうか?
そのあたりはおいおい調べていく事にして、それよりも先に樹妖精さんとの質疑応答です。
「ええ。一番最初に入植した子が見つけてね、古の妖精の花園が復活しているのを。それを知ったエフェメラル様が動き出したのよ」
「えっと、何故動物たちを避難させたのですか? どちらかといえば彼らは害獣という括りでは?」
「やっぱり羽妖精だから理解できないのね」
「そうね、それは仕方ないのよ」
「いじわるしないで教えてあげましょうよ」
「「「「「「「そうね、そうしましょう」」」」」」」
うん、この方たちも唱和が大好きですね。
それでマンドレイクさんたちに教えてもらったのですが、草木や実、花を食べる小動物たちは確かに害獣でもあるが、適度な間引きをしてくれる益獣でもあるそうです。
そのあたりの調整も樹妖精さんたちの仕事であり、植物に魔力を与えるだけが仕事ではないらしい。
「な、なるほど。あ、そういえば私も樹妖精としての任を与えられてまして、それらしい事はしてましたよ」
「「「「「「「なんですってー!?」」」」」」」
あ、やっぱりユニークはユニークなのですね。
しばらく驚きっぱなしだったマンドレイクさんたちもリアクションに疲れたのか、しばしの休憩を挟んでから交流を続けました。
「そういえばマンドレイクさんたちしかいませんね。ドライアドさんやマリーベルさんはいないのですか?」
「この森にはドライアドはいないわね。マリーベルは人見知りが激しくて常に擬態してるから見分けが全くつかないのよ」
「ひ、人見知りですか?」
「ええ。小動物に齧られても悲鳴も上げず、擬態も解かず、過ぎ去るのを待っているだけ、という変わった性質の子が多いのよ」
「へ、へぇ」
「それにね、まだあるのよ」
マリーベルさんの人見知りは尋常じゃない話でしばらく盛り上がった後、擬態の極意を教わりました。
「それよりも。あなたも樹妖精なのでしょう? だったら擬態は出来るのではなくって?」
何でもなりたい自分をイメージして妖精パワーを注ぎ込む、というある意味で妖精さんらしい極意でした。
わ、解る訳ないきゅぃー!
すみません、噛みました。
他の教え上手なマンドレイクさんに教えてもらったやり方だと、そもそも擬態は自分の大きさをそれほど変える事はできず、巨大化などは出来ないのですって。
凄く、本当に凄く残念です。
ナナフシという擬態昆虫がいますが、あれよりも魔法ぽい擬態、変身なのですがそれほどの変化は出来ないようですね。
「私たちマンドレイクは草花に擬態するのが得意、いえ、それしか出来ない種族ですが、サクラさんならもっと違う擬態を行えそうですね」
「何故でしょう?」
「羽妖精フェアリーという種族だから。そしてあなたは知識が豊富なようですからね」
なるほど、常識が違うゆえに通常の擬態である種族限定な変化を行うだけじゃなく、別の擬態も出来る可能性があるという事ですか。
その事を念頭に入れてやってみましょうか。
まずは私の資質である桜に挑戦してみましょう。
妖精パワー、要するに妖精魔法を使う感じでやればよいのですよね。
では、行きます。
「きゅ、きゅぃー!」
うん、何故こういう時に出る音がきゅぃーなのか小一時間自分の口に聞きたいです。
そして擬態はある意味失敗で成功でした。
「うわぁ、何その植物。植物?」
「知らない花だわ」
「その前に何故花しかないの? 茎や枝や幹は?」
そう、桜の花弁にだけ変化擬態したのです。
し、失敗ですきゅぃー!
まあ種族スキルの擬態はちゃんと習得でき、桜には成れませんでしたが人の姿をとる事は出来ました。
羽が無くなっただけなのですが。
なお、その擬態姿の私を見た赤眼様曰く、擬態バージョンの私は森の民と言われるエルフにしか見えないそうですよ。
エルフという種族は精霊との親和性が高く、細身の人間とよく似た容姿端麗な者が多い種族で、耳が妖精種のように尖がっているそうです。
うん、ファンタジーの定番、エルフですか。
ちょっとうれしいです。
私は容姿端麗では無いですけどね!
お読みくださってありがとうございました。
昨夜は寝てしまって投稿できず、今日になってしまいました、すみません。




