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プロローグの2話目です。
1話目を読まれてない方は、お気を付けください。
「うん、これで君のお父さんは老衰でなくなる運命に変わったよ」
「ありがとうございます」
目の前には夜のビルの屋上で膝立ちになって慟哭するお父さんの姿が。
良かった、お父さん。
元気でね。
知らず知らず涙を流していたのか頬にハンカチを当ててくれたくれた神様はマジイケメンです。
しばらく泣いていた私を優しく見守っていた神様は笑顔で話しかけてきた。
「さて、君のこれからなんだけど」
「あ、やっぱり魂が消滅するとか生まれ変わるとかですか?」
人の命を無理やり救ったのだからそういうことになるのが普通だと思います。
この状況が普通ではないと思いますが。
「消滅はしないけど生まれ変わって貰うのは確定かな。でも、そこで問題があるんだよね」
「はぁ」
「この世界、特に名前はないんだけど便宜上地球世界としておくと」
「アースとかで良いんじゃないでしょうか?」
「あ、そうだね、これからはアースとしておくよ」
なぜだかこの世界の名付け親になってしまいました。
「君の魂の可能性を使ったからね、このアースではもう生まれ変われないんだ」
「早速使って頂いてますね。こういう場合はどうなるのでしょう?」
「よほどの大罪人だったら微生物に転生とか魂の消滅もありえるんだけど」
「微生物はのーさんきゅーです」
「だよね。まあ、だから他の世界で転生してもらおうかな、と思ってるんだ」
いよいよラノベはノンフィクション説が確固たるものになってきました。
「異世界への転生ですか・・・」
「あ、やっぱり君も抵抗なさそうだね。日本人ってそういう人ほんと多いよね」
「話が脇にそれますが、死後神様と対面する方は多いのですか?」
「昔は多かったかな。英雄とか大罪人とか聖者とかが多かったし。昨今はほとんどいなかったね」
「なるほど。歴史に名を残すような偉人や大罪人のみ面接していたのですか」
「そういう事。でも最近ね、妙に不慮の事故や不幸が重なっての不運で亡くなる人間がアースで増えているんだよね。ここ十数年だけど」
十数年?西暦2000年を皮切りにって事かな?
そうなるとノストラダムスさんだとかマヤのなんちゃらとかその辺が関係してる?
「原因はわかっているのですか? あ、でも解ってるなら対処してますよね。毎回面接するよりも楽そうですし」
「そうなんだよねー。年に1回ぐらいだったのが、年に100回は超えるようになってるし対処したいんだけどね」
「そんなにですか。ちなみにほとんどの人が生き返ってるのですか?」
「殆どはね。あ、でも日本人だけはなぜか異世界への転生を希望する人多いね」
異世界転生でワンチャン狙いですね、どう考えても。
流石国策でオタクを称える日本国の住人は異常者が多いようです。
「そして何かチートを希望する人も多いし」
日本人を代表してお詫び申し上げます。
「まあ、そんな徳を積んだ人は昨今いないからギフトは与えられないんだけど」
徳高い人は神様に我儘申しませんよね。
ん?
神様はギフトとかいいませんでしたか、今?
「何か特殊な能力を与える事ができるのですか?」
「徳次第だけどね。ただ偉人のほとんどが高い徳と共に多くの業も集めるから大した物は授けれないけどね」
「そうなりますね」
「例えばだけど、第六天魔王を自称していたかの人は徳よりも業が多くて他の世界の魔王に転生したし」
信長さまの野望は異世界へと引き継がれたわけですね。
「発明王である彼は後世でのアースを発展させたけど、その分人間を殺害するものも一杯出しちゃったし」
数名思い当たりますね、発明王さんには。
「その点、君は徳の方が圧倒的に多いよ」
「え?何も成しえてませんが」
「自分の命と引き換えに父を助けた功績は大きいよ? 親が子をというのは遺伝子レベルで刻まれている行為だからそれほどでもないけど、他人の次ぐらいには大きいね」
「な、なるほど」
「あと、君の場合は業が貯まらない行動を取っていたのが大きいね」
「悪事を働いた覚えはありません」
「それだけじゃなく、他人に不快な思いをさせない、損をさせないってのも大きいね」
それってもしや私がクィーンオブボッチだったからではないでしょうか。
なんという事でしょう。
ボッチは世間で悪害のような扱いを受けていましたが、実はエコな存在だったようです。
・・・うれしくないよ、神様。
「ですから、本来であれば徳と業の関係でランダム転生か悪害存在への転生になるところをギフトもついてある程度選べるのですよ、サクラさんの場合」
「おおっ!」
これはうれしいお話です。
私もオタクの端くれですからチートを貰って異世界転生というのにはちょっと興味があります。
いえ、すごく興味あります。
本来ならのーせんきゅーな案件ですが、覆せない事案ですのでここはありがたく頂いておきましょう、神様のギフトというやつを!
「どういった物を貰えるのでしょうか? あとどのような世界に行くのでしょうか? 記憶は持ち越されるのでしょうか?」
「やはり日本人でしたね、君も」
日本人でごめんなさい。
「記憶については選べますね。持ち越す場合はギフトの効果が弱まります」
「折角ですから記憶は持ち越しでお願いします」
「解りました。世界の話ですが日本人であるサクラさんでしたらハイファンタジーな世界と言えば解り易いでしょうか」
はい、それである程度解ります。
「レベルと呼ばれる魂の階位が存在する世界で住人たちは特殊な能力を持ってますね」
レベル制のゲームチックなファンタジーですか、定番ですね。
「ちなみに現在のサクラさんの能力を表示するとこうなります」
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名前:サクラ=シンドウ(女/16歳)
種族:人間(LV5)
徳:1020
業:8
所属:日本国
職業:高校生(LV11)/メイド(LV15)
スキル:料理(LV4)/裁縫(LV3)/家事(LV5)/算術(LV4)
ギフト:-
========================
この世界、アースも実はゲームチックなレベル制な世界だった件について。
「あ、一応これから転生する世界、ファンタジアに当てはめた能力ですから参考データですね。種族レベルは最大50で職業レベルは最大20、スキルのレベルは10が最大ですよ」
「高校生はわかりますが、私はメイドになった覚えはないのですが」
「数年間家事に従事していれば10は超えると思いますよ。ちなみに20レベルになったら上級職への転職が可能ですよ」
メイドの上級は侍女かメイド長でしょうか。
メイド喫茶のメイドさんはメイド何レベルなのでしょうか?
という疑問が浮かびましたが今となってはどうでもよいことですね。
「身体能力的な能力値は存在しないのですか?」
「ありますが向うとこっちでは魔力や重力などの要因で法則が違いますので数値化できませんね」
「なるほど。そういえば言語などはどうなるのでしょうか?」
「一から覚える必要がありますね。ギフトで授けることは可能ですよ」
「それは欲しいですね。あと種族は人間種になるんでしょうか?他種族は選べますか?」
言語は大事ですから最初から会話可能でありたいです。
そして種族ですよ、種族。
折角ですからね、昔からの夢だったあの種族になってみたいと思うではないですか!
神秘なる存在で、可憐なるあの姿に憧れているのですよ、私は!
ごほん、ちょっとテンションが上がってしまいましたね、ごめんなさい。
「ある程度は選べますよ。希望はありますか?」
「妖精に転生を希望します」
「妖精種ですか。アースで語られるフェアリーやピクシー、ニクシーが近い存在ですね」
おお、可能ですか!
そうなのです、私は妖精さんになりたいと子供の頃から思っていたのです。
初めてお父さんに連れられて行った公園で捕まえたアゲハ蝶。
あれを見てからあの綺麗な羽に憧れていたのです、私は。
その羽を持つ妖精、フェアリーに私はなりたい。
「フェアリーは蝶の羽を持つ小さき存在であってますか?」
「ええ、その通りです。ファンタジアでは風と光の精霊の運行を担う妖精、それがフェアリーですね。ちなみにピクシーは風を担当していてフェアリーのアシスタントかな」
なるほど、ピクシーの上司的立場ですか。
フェアリーさん、流石です。
「妖精種への転生の場合、妖精種の幼生体からスタートしてレベル20に達すれば成体へと生まれ変われます」
「人間種もそうなのですか?」
「人間種はレベルではなく加齢による成長ですね。なお、エルフや獣人も同様だね」
なんでしょう、神様の口調が統一されていません。
もしかして説明するときは丁寧で、補足なんかは普段な軽い感じになるのでしょうか?
どっちにしろイケメンなおにーさんだから絵になります。
「ではフェアリーに転生と言語能力のギフトですね。それだと僕の加護は大くらいかな」
「神様の加護はどういった恩恵があるのでしょうか?」
「恩恵と言ってくれるんだね、ありがとう。僕は成長と転生を司る神だから成長補正と転生や転職の経験点が少なくて済むね」
「す、すごい恩恵ですね」
かなりチートな能力を頂けるようですね、ありがたい事です。
「あ、魔法は最初から使えるのでしょうか?」
「妖精種は属性魔法に親和性が高いからね、成体になれば自然に習得するよ」
「幼生体からは使えないのでしょうか? あとフェアリーだとどのような魔法が?」
「幼生体から使おうと思うと魔法適正のギフトが必要だね。フェアリーだと風と光、そしてその派生である雷かな」
「その三種類の魔法の適正を授けていただいた場合は加護はどうなりますか?」
「極小になるね。まあ、ほぼ補正なしでないよりマシぐらいな感じかな。でも、加護は加護だから他者よりも有利だよ」
むむむむむ。
妖精さんは儚い存在だから魔法なしでレベル上げなんて厳しいと思われます。
それだったら魔法を一つでも使えた方が良さそうですね。
高い成長補正は憧れますが、贅沢はいけません。
「風と光の魔法レベルがある一定まで行けば雷魔法も習得するよ」
「後天的に神様から加護を得たりすることはあるのでしょうか?」
「あるよ。でも僕はアース世界の神だから僕の加護はこの場限りだね。あ、一応後天的に加護が増大する事はあるかな。かなり難しいけど」
「どうやったら増大するのでしょうか?」
「僕の利益になる、要するに信仰されればかな。君がファンタジアでは無名な神を認知させてその信者を増やせば増大だね。要するに宣教師になるようなものかな」
新興宗教家になれば、ですか。
既存の宗教とか絶対に存在してるでしょうからトラブルの元ですね。
「それはおいおいという事でお願いします」
「ふふ、無理意地はしないから安心して」
「ちょっとした疑問なのですが、アースの神様がファンタジア世界に転生とかさせて問題になりませんか?」
「んー、本来は問題なんだけど実はあっちの神と提携を結んでいてね、年に数人なら構わない事になっているんだよ。ただし、その代わりに召喚魔法の妨害はしない取り決めなんだけどね」
「も、もしかして勇者召喚とかでしょうか? それとも奴隷召喚?」
「あ、奴隷にする召喚は流石に禁止かな。そのつもりで召喚した場合は召喚補正が増大して奴隷術式が無効というトラップ付きだよ」
うわぁ、ラノベでよくある召喚術者返り討ちパターンですか。
と、いうかですね、勇者召喚があるという事は結構荒っぽい世界のようですね、ファンタジア。
私には被害が出ないことを祈ります。
「あ、私は勇者召喚に引っかかったりしてませんよね?」
「今は行われていないね。魔王も出ていないし、概ね平和な時期のようだね」
「それは安心しました」
今は、という言葉は聞かなかったことにしておきましょう、概ねとかも。
「疑問に答えて下さってありがとうございます。それでは風と光の魔法適正を頂けますでしょうか」
「了解。それだと加護は小に収められるね」
おお、極小の上ですか。
不幸な目に遭い、大好きなお父さんと別れる事になりましたが今後の人生に希望が持てます。
お父さん、私は異世界で夢を叶えるね。
だから元気でね。
「さて、ギフトは授けたしそろそろ良いかな?」
「はい。神様、色々と便宜を図って下さり、本当にありがとうございました。この御恩は来世でも決して忘れません」
「記憶を引き継ぐしね」
「ふふふ」
本当に最後までイケメンおにーさんでした、神様は。
こうして私の人生は終焉を迎え、新しい人生、妖精としての生活が始まるのでした。
そして冒頭での叫びの通り、私はイモムシに転生したのです。
お読みくださってありがとうございました。
次回の投稿は未定です。
近日中になるかと思います。




