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エピローグ
いつの話なのか。
もう記憶している人はいないでしょう。
かつて戦争がありました。
それは人類の叡智の結晶であり、到達点。競争、闘争、殲滅、本能。
技術の粋を集めたその戦争は、全てを飲み込み、後には何も残りませんでした。人類は自己完結しました。
嗚呼、何を思うのか、何を見つめるのか。
この終了した世界で、悲しいかな、まだ動く者がいたのです。
お話は終わったのに、まだ満足しないのでしょうか。余韻に浸るにはあまりにも長い。とても長い。
ならばせめて踊りましょう。去っていく観客の足を止めてみせなさい。振り向かせてみせなさい。
無粋なアンコールでもいい。
楽しければ、それでいいのですから。