屈折
ガラスを通るとき光が歪んでしまうように
ものを見る目が歪んでいるのだ
古傷などどこかに捨ててしまえ
大事に抱えているからいけないんだ
この両手は誰かに向かって差し出すために
この唇は甘いお菓子を味わうために
そんなおそらく単純な意味を
どこかに忘れてしまっているんだ
傷ついたと嘆きながら
傷つけることに無関心で
自分を守ってばかりいるから
君の痛みに気づかなくて
私の誤解の方がより破滅的だと
気づけば元の通りの道が
この足元を過去から未来へ
ずっと続いて見えてくるのに
いつもたとえどんなときも