第二話 目覚め。
*読者様へのお知らせ(?)*
・誤字・脱字は十分注意しているのですが、もしあった場合はすみません;
ああ、あれは――誰だろう。
知らない……けれど心の中で何かひっかかる。
あたしを呼んでいる。見覚えのあるあの顔で。
そうだ、あたしは知っている。あの人が誰なのか――。どうしてあたしを呼んでいるのかが――。そう、もうすぐ、もうすぐなんだ……。
「また、あの夢かぁ……」
まだ少し寝ぼけ気味の王女、ティーラが不機嫌に起き上がる。ちらりと時計を見て、更に不機嫌になる。
「……ん、まだ五時だったんだ。どうりで眠いと思った〜……」
そしてまたパタリと倒れこんで、寝息をたてながら気持ちよさそうに寝てしまった。
――しかし。
「おっはよう!!王女様!!!朝ですよ〜♪」
宮廷の宮女、周羅だ。ティーラの世話をするが、年のほうは二,三歳周羅が上だった。顔は
だがそんなことを気にするでもなく、毛布をひっぺがす。
「王女様!!朝ですよ!あ・さ!!起きてください!!!」
更には耳元で叫び始める。
「……朝って、まだ五時じゃん。……周羅ってばうるさいんだから。近所迷惑だね、絶対」
「悪かったですね、うるさくて。ですが起きない王女も王女ですよ?」
「うっ……」
不意をつかれて怯むティーラ。
「ま、早く朝食を食べて仕事をしましょう。今日は例の件でいろいろやらなければならないですからね」
「……はいはい、分かってますよ」
こんな友達関係のようなティーラと周羅の朝はいつもこんな感じだったりする。
(そういえば周羅……ノックしてたっけ?してない気がする……)
そりゃそーだ。実際何の予告もなく入ってきていた。
(でもまあ、そこも結構周羅の良い所だったりするけどね……)
そう、宮女は皆必ず礼儀正しく、王女には絶対逆らわなかった。だけど周羅は違った。だから一番近くにおいていた。そんな彼女とももうすぐ別れなければならない気がする。それは――。
「王女様!!急いで!!!」
「はいはい……」
――あの不思議な夢の中の男が言うのだ、「行こう」と。
第二話投稿させていただきました。
やっとこさ(?)ティーラ登場です!龍登は…まだです;結構あとのような、そうでないような……もう少しお待ちください!
では引き続きがんばらせていただきますv