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「吹いて消えるように」
「吹いて消えるように」
一度きりの人生というけれど
私の体は
昨日まで食べたもので出来ている
私の心は
昨日までの出来事で出来ている
私の頭は
昨日までの情報で出来ている
今日は幸せ
昨日も幸せ
だから
明日が地獄でも
たぶん耐えられる
昨日までのすべてが
今日にあって
明日からのことはわからないけれど
それでも昨日までの自分が
それを支えてくれるか
それを理解してくれるか
人に答えを求めるのは難しいけれど
昨日までの私のなかに答えがある
風が吹いたら消えるような命でも
昨日が幸せ
今日が幸せ
そう思えたら
明日も過ごしていける
これから先になにも見えなくても
一度きりの人生というけれど
風が吹いたら消えるような明日でも
とりあえず今日は幸せ