54/219
「終了の入口」
「終了の入口」
どこかに消える
書きかけのボールペンたち
隅っこに追いやられて
捨てられるポケットティッシュ
風に乗るのか
あったはずの数枚もメモ用紙
毎日使っていたハサミ
なぜだか数がどんどん増えていって
最初はどれだったのか思い出せない
完全にいなくなるわけでもなく
いなくなるよと宣言するわけでもなく
ふと気が付けば
もうない
そしてもう思い出されもしない
あれはたぶん
どこかで終了の入口が待っていて
誰にも知られずに入っていく
行先は多分釜のなか
塵になっていくのだろう
私もいつか行くのだろう
終了の入口へ